公開日
2018/08/04

寝たきりになってしまった愛犬の介護方法

愛犬も年を重ねていけば、いつか寝たきりになり介護を必要とする時がくるでしょう。
実際に、犬の介護問題を抱えて悩まれている方は意外と多くいます。
少し前までは元気に散歩をしていた愛犬が、突然寝たきりになってしまう事も全くない訳ではありません。
そこで今回は、寝たきりになった愛犬の介護方法について、分かりやすく紹介していきます。

寝たきりになってしまった愛犬のお世話は大変

ここ数年で犬の長寿化傾向に伴い、介護を必要とするシニア犬が増えてきています。
犬の介護は人と同様に、食事やトイレの世話だけでなく、床ずれにならないように配慮をしたり、皮膚病などにならないように清潔を保ったりするなど様々なことを行う必要があります。
小型犬であれば、女性1人でも対応出来ることは多いかもしれませんが、中型犬以上の大きさとなるとそれはかなり難しくなってきます。

それに加えて、犬は言葉を話して何かを伝えることが出来ませんので、何が辛くどの辺が不快なのかをこちらが常に気にしながら接してあげなくてはいけません。
いくら可愛い愛犬のためとはいえ、仕事や学校など自分の生活を送りながら、犬の介護をしていくことは想像よりもかなり大変なことです。
介護を続けていくには、時には人に頼り介護用の便利なグッズを用いながら、あまり頑張り過ぎないのがコツとなります。

身体を清潔に保ってあげる大切さとその工夫

寝たきりになってしまうと、散歩で外に出ることもないのでそれほど汚れないと思いがちですが、おむつをしているお尻周りは排泄持に、皮膚は皮脂により、顔周りは食事や犬のよだれにより意外と汚れているものです。
意識的に清潔を保つようにしてあげないと、思わぬ皮膚病を発症することもありますので日頃のケアが大切となってきます。

汚れたらすぐに拭く習慣を付ける

清潔を保つには、少しでも汚れた箇所はこまめに拭くような習慣を付けて、汚れを溜め込まないのが基本です。
食事の後の口周りは、気が付きにくい顎の下などに食べ物が付着している場合もありますので、食後は必ず顔を拭く習慣付けをしてください。
口の周りに汚れが付着したままですと、そこから雑菌が繁殖し口腔内のトラブルに繋がることもあります。

汚れを取る時には、濡らしたタオルやノンアルコールのウェットティッシュなどを使い、毛の流れに沿って優しく拭いてあげてください。汚れが既にこびりついてしまっている時には、濡れたタオルで汚れの付いている箇所をしばらく挟み、汚れの部分を少し柔らかくしてから拭き取ってください。決して無理に引っ張ったりはしないでください。

定期的に全身を拭く

数日に1回、最低でも1週間に1回は蒸しタオルで全身を拭いてあげてください。
温かいタオルで全身を拭くことで、皮脂などの汚れを拭き取るだけでなく、マッサージ効果が加わり血行もよくなります。

蒸しタオルの作り方

  • 40℃位のお湯にタオルを濡らし軽く絞る
  • 絞ったタオルを広げて、少し振りながら熱さを調整する
  • 腕の内側の柔らかい箇所にタオルをあててみて、熱くない程度の温度まで下がったら完成
  • 電子レンジを使用する場合には、水で濡らしたタオルを絞り、そのまま電子レンジの中へ
  • タオルの大きさにもよりますが、500Wで20秒程度温める
  • 熱すぎたら、タオルを広げて温度を調整する

蒸しタオルで全身をくまなく拭いた後には、乾いたタオルを使用して軽く抑えるように残った水分を拭き取ります。
水分が残ったままでいると、そこから身体が冷えてしまいますので注意してください。

お尻周りは部分浴

おむつをしているお尻周りは、排泄物などでどうしても汚れてしまいます。
蒸しタオルで拭くだけでは、汚れが綺麗には落とせませんので部分浴をしてあげるのがお薦めです。
小型犬であれば、片手で抱えて反対の手で洗ってあげればいいのですが、中型犬以上になるとそうはいきません。

そのような時には、すのこを用意しその上に犬を寝かせて、お尻の部分だけにシャワーかけて洗うようにします。すのこは頭を置く側は少し高くして傾斜を付けておくと、すのこの隙間から汚れた水が下に流れていきますので、必要な箇所だけスムーズに洗うことができます。

ふわふわ被毛は短くカット

ふわふわの柔らかい被毛を持つ犬種の場合には、おむつ生活になった時にはお尻周りだけでも被毛を短くカットしましょう。
おむつを付けている箇所は、蒸れてしまいがちで、こまめに部分浴をしても湿気がこもりがちです。常にそのような状態が続きますと、おむつかぶれを起こしてしまう事もありますので、おむつに隠れる部分だけでも被毛は短くカットしてください。
短くした事でケアもしやすくなりますし、何よりもおむつの中に湿気がこもりにくくなり清潔を保ちやすくなります。

寝たきりのワンちゃんのお世話方法

では実際に寝たきりになったワンちゃんの、日頃のお世話方法を紹介していきます。

グルーミング方法

寝たきりになると血流の流れも悪くなってしまいますので、日々のブラッシングで血行の促進を促します。
但し、老犬の皮膚は大変弱く傷付きやすくなっていますので、ブラッシングの際には強く引っ張ったりせずに常に優しく行う必要があります。
ブラッシングを行うことでマッサージ効果を得られるだけでなく、皮膚に異常があった場合には早期発見することが出来ます。
年を重ねてくると、犬の被毛は自然と抜けてくることがありますが、一部分のみやたらに薄毛になっていたり、犬がしつこく舐めたり掻いたりする場合には皮膚病の可能性を疑い、必要に応じて動物病院で診察を受けるようにしてください。

皮膚を清潔に保つことは大切ですが、シャンプーは老犬の身体には負担がかかりますのであまりお勧めはできません。
お尻周りの汚れが気になるようであれば、先に紹介した方法で汚れのひどい部分だけを短時間で手早く洗うようにしてください。
その他の箇所は、ウェットシートやドライシャンプーを使用して、こまめに拭いてあげるようにしましょう。

ごはんを食べさせる方法

老犬になってくると、食事の量も段々と減ってきてしまいます。食事の量が減るということは、栄養不足に陥る可能性もあり、そうなると身体が弱り益々食事を取らなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
寝たきりになっても、身体を起こしてあげれば自分で食事を取ることができるのであれば、できる限り自分の力で食べて貰うようにしましょう。

食事は栄養吸収や消化がいいように、ドライフードをふやかした物やウェットフードを用意してあげます。
ドライフードをふやかす時には、熱湯は栄養素を破壊してしまいますので、ぬるま湯か水を使用し軽く指ではさむと潰れる程度の固さになるまでふやかします。
犬に与える前に人肌程度に温めてあげると、フードの匂いが出ますのでそれに誘われて食欲がわいてくる事もあります。

自力で食事をするのが困難な場合には、市販の注射器のようなシリンジを使用して流動食を口に流し込みます。この方法の給餌は、犬も人も慣れるまでには手際が悪い事もあり、犬にはかなりのストレスがかかる場合があります。
普段はおとなしい犬であっても、噛まれる危険性もありますのでその点は注意をするようにしてください。

食事を与える時の体勢は、ご飯の逆流を防ぐために、犬が立っている状態に限りなく近い体勢がベストです。それが難しいようであれば、人用の座椅子に犬を寄りかからせて頭の位置を高くした状態で与えます。
流動食はゆっくり少しずつ流し込むのがポイントです。急いで流し込んでしまうと、窒息をしてしまうこともありますので、気を付けるようにしてください。
食後はすぐに寝かせるのではなく、20分程度はそのまま頭の位置が高い状態を保つようにしてください。

お水を飲ませる方法

寝たきりになってしまうと、喉が渇いても自分で水を飲みに行くことが出来ませんので、時間を決めて定期的に水を与える必要があります。
自力で飲むのが難しいようであれば、流動食と同じようにシリンジや、人が病気の時に使用する「吸いのみ」などを使用してみてください。

また、食事の後には必ず水を与えるようにすると、口の中に残った食べカスなどを流すことが出来、口の中を綺麗に保つことに役立ちます。
水を与える時にも、ゆっくりと少しずつ行うようにしてください。

トイレの方法

トイレの事情に関しては犬によって様々です。老犬になるに連れてホルモンバランスの崩れや認知症が原因で、排泄のコントロールが自分で出来なくなってしまうこともあります。
その逆に、自分で歩いてトイレまで行かれないのにも関わらず、いつもの場所に行くまでは排泄を我慢してしまう犬もいます。

トイレで排泄をしたがるような犬の場合には、定期的にトイレまで連れて行き身体を支えて排泄を促します。その際には、お尻周りの汚れには十分注意をし、必要に応じて清潔を保つケアをしてあげてください。
排泄のコントロールが上手に出来なくなってしまった場合にはオムツを使用しますが、長時間付けたままにしてしまうと、オムツの中は蒸れて皮膚がかぶれてしまう原因にもなりかねませんので、1日中付けたままにはせずに時折外してあげるようにしてください。

床ずれ対策

床ずれ対策は後回しにしてしまいがちですが、実は食事の次に優先してもいい位に重要なことになります。
通常は犬も人も、常に同じ体勢で寝ていると自分の身体の重みで血流が圧迫されてしまいますので、それを解消するために自然と寝返りを打ちます。寝たきりの犬は自分で寝返りを行うことが出来ませんので、圧迫され続けた箇所の皮膚組織が壊死してしまい、悪化していくと最悪の場合には皮膚に穴があいてしまいます。
また、寝返りが出来ないことによる圧迫だけではなく、寝床を移動する時の摩擦や、おむつをしている箇所の不衛生などが原因で床ずれが起きてしまうこともあります。

床ずれは軽度でも一度なってしまうと、驚く程の速さで悪化していき、その後ケアを続けても治りにくいという特徴があります。そのためには、床ずれを作らない日々のケアが重要となってきます。
床ずれが出来やすいのは、「肩・腰・足首」などの筋肉や脂肪が少なく、骨が出っ張っているような箇所です。寝ている時の体重のかかり具合などによって多少の違いはありますが、特にこの辺りは気を付けて見てあげるようにしてください。

床ずれ予防で最も重要なことは、寝ている時の圧迫を極力分散させるということです。
定期的な寝返りは勿論必要ですが、身体の圧力が分散される高反発のマットを用意してあげましょう。
よく柔らかい寝床がいいだろうと、低反発のマットを用意される方がいますが、これは湿気や体温がこもりやすく身体が沈み込んでしまいますので、床ずれ防止には逆効果になってしまいます。
寝返りは2時間半に1回程度がベストの間隔となり、床ずれ防止用マットを使用していたとしても3時間以上は間隔を開けないようにしてください。

寝返りを行う際には肩の下に手を入れ、反対側の手で腰を支えながら1度身体を起こしてあげます。その後向きを変えてお尻の方からゆっくり寝かせていきます。
この時に犬の背中を軸にしてゴロンと転がすような方法は絶対にやらないでください。もしも食道や胃に食べ物が残っていた場合、気管に逆流してしまう恐れがあります。

まとめ

愛犬が寝たきりになってしまった場合の、介護方法について紹介してきました。
ここで紹介したのは、寝たきりになったばかりの初期の段階でのお世話方法で、介護が長く続いていけば更に必要なケアは増えていくことも当然あります。
そうなった場合でも、基本のケアは必ず介護の軸として必要となってきますので、無理のない範囲で愛犬に接していってあげてください。