- 公開日
- 2021/03/31
DOGPAD編集部ディスカッション~シニア犬との暮らしについて~
DOGPAD編集部が何かについて話し合う会。第一回は「シニア犬」についてです。普段シニア犬と暮らしている二人と、シニア犬と暮らしたことのない一人が意見を交わしてみました。
DOGPAD編集部が「犬」について話し合ってみました
DOGPAD編集部で「犬」について議論してみようということになりました。
メンバーはYouTuberおーきさん、ライターmakoさん、同じくライターの只野の3人。
初の試みなので軽めの話題かと思いきや、おーきさんがシニア犬について知りたいとのこと。初回からディープな内容の会話が飛び交いました。
第一回「DOGPAD編集部ディスカッション~シニア犬について語る~」。
犬に携わる仕事をしている人たちが、どのようなことを考えているのか?ぜひご覧いただけたらと思います。
makoさんのパートナー犬

これまで大型犬の介護と看取りを経験してきました。
現在は大型犬4頭と暮らしています。
16歳になったゴールデンレトリーバーのハッピーは生活のサポートが必要な状態で、足腰が弱くなって歩ける距離もわずかになってきました。
目も見えにくくなって壁や物にぶつかることが多くなってきていますが、マイペースに穏やかに過ごしています。
只野のパートナー犬

2021年2月に17歳を迎えたロングコートチワワのうっさん。
16歳頃から、後肢の衰えと膝蓋骨脱臼の影響により、歩行のお手伝いが必要になりました。体を思うように動かせないためか、夜鳴きをするようになりました。
最近の流行りは、座り姿勢で遊ぶ、ノーズワークマットでの宝探し遊び。できることを精一杯楽しんでいます。
何歳からシニア犬と呼ぶの?シニア犬に対する素朴な疑問

まずはおーきさんの疑問「シニア犬とは?」についてのディスカッションです。
何歳からシニア犬になるの?
おーき(以下お):犬たちは何歳になると、シニア犬って呼ぶようになるんですか?イメージだと10歳くらいかなぁと思っているのですが…。フードなどにシニア用って書いてあっても、詳しく何歳からという表記がないからわからないんですよね。
只野(以下た):一般的には7歳くらいからシニア期にはいるといいますが、犬種によってまちまちですね。
mako(以下m):大型犬と小型犬でもシニアの概念は違いますよね。食事でシニアというくくりになると7歳からのものが数多くありますが、13歳になっても元気に走っているコもいますし、そのコによって違うと思いますよ。
シニア犬の介護について
お:makoさんにお聞きしたいのですが、大型犬の介護って大変じゃありませんか?
m:大型犬は体重があるので、抱っこすることや動かすことに苦労することがあります。介護をするとなると、そこがネックになると思います。サポートしてまだ歩ける状態だと「介助」になりますが、寝たきりになると動かしにくく「介護」になってしまうのだと思います。
お:只野さんの場合小型犬ですが、小型犬の介護はどうなんですか?
た:シニアになって現れる症状は、大型犬とほぼ変わらないので、makoさんのおっしゃる通り「動かしやすいか・動かしにくいか」。違いはそこだけだと思います。
お:では、基本的には大型犬も小型犬も変わらない?
m:変わりませんね。ただ、体の重さがあるから床ずれなどになりやすく、そこからケアがどんどん必要になり、大変だと感じるのではないでしょうか。
シニア犬はお金がかかるようになる?
お:一緒に暮らしている犬がシニア犬になると、迎えたころに比べてお金がかかるようになりますか?例えば食べる量は減っていると思うんですよ、年を重ねるごとに出費にそこまで変化はありませんか?
た:食事は若いころに比べ「食べやすいもの」「愛犬が食べてくれるもの」などを選んで与えているので、そう考えると出費は増えていると思いますよ。シニア犬になると食費より、出費が増えるのは医療費ですね。
m: 大型犬の場合、食事の量は減ってきます。例えば手作りをしているので、いろいろなことを考えるとお金はかかります。食事に追加するサプリメントを探したりすると、食費は上がっていきますね。「このコのために」と考えたら、金額はあがっちゃうと思います。
人気犬種とコロナ禍の問題

コロナ禍で犬を迎えるご家庭が増えている、現状について話し合ってみました。
今の人気犬種はまさかの……
お:コロナ禍で犬を迎える方が増えているようですね。
た:そうみたいですね。最近の人気犬種ってご存じですか?大型犬が人気なんですよ。例えばゴールデンレトリーバーとかシベリアンハスキーとか、秋田犬なども人気みたいですね。
お:そうですね、シベリアンハスキーはSNSなどでもよくみかけます。人気がでた原因はそこなのかなぁ。よく見かけませんか?SNSでシベリアンハスキー。
た:サモエドやグレート・ピレニーズは見かけますね。
m:ですね、バーニーズ・マウンテン・ドッグとかね。
お:あーなるほど。あれ?見ているチャンネルが違うのかな?
m:昔だったら、シベリアンハスキーは、漫画の「動物のお医者さん」で人気が出たイメージがありますよね。それが今っていうのは衝撃ですね。
コロナ禍で家族に迎えられた犬たち
m:例えばゴールデンレトリーバーもジャック・ラッセル・テリアも秋田犬も7年から15年生きるじゃないですか。コロナ禍で犬を迎える人が増えて、あと何年か後に捨てられるなど、かわいそうな運命にあわないでほしいと本当に思いますね。
た:そうですね。特にいまはおうち時間が長いから、お散歩を飼い主さんの運動ととらえている方も多いと思うんです。例えば犬と一緒にランニングがしたいとなるとチワワじゃだめだと思うんですね。それを考えると柴やゴールデンレトリーバーなどの活動量が高い犬種を選ぶようになると思うんです。
ですが、コロナが終息して普段の生活に戻ったとき、コロナ禍のときと同じように散歩ができるのか?ランニングしたりスポーツをしたりできるのか?そこがこれからの課題になるのではないでしょうか。
DOGPAD編集部の願い

おーきさんがおかゆ君に気づかされたことや、DOGPAD編集部が犬たちの幸せについて、話し合ってみました。
自分のこと、アクティブな人間だと思っていたんですよ
お:僕がおかゆを迎えたときに、ブリーダーさんが話してくれたことは「自分のライフスタイルをしっかり知ること」「自分の生活スタイルを自分自身がどれだけ知っているか」と、言われました。トレッキングとかドッグスポーツとかしたいなら活動量が多いワンちゃん。
他にも自分の収入を考えて、その収入に見合ったワンちゃんを選ぶように言われました。犬が病気になったときに助けられなければ困りますよね。
そういう意味でも収入面は大切だといわれました。それらを含めて、犬を迎える前にやることは「自分を知ること」だよって言われました。
言われたときは、正直よくわからなかったんです。ですが、おかゆを迎えてみて、自分の生活がわかってきました。自分のことアクティブだと思っていたんですよ。でもおかゆを迎えてみたら、そこまで家を出ないんじゃないかな?と、思いましたね。
m:それって、おかゆくんを可愛がっているからだと思いますよ。外に出たい気持ちを、側にいるおかゆくんが制御しているのかな。
お:そうかもしれないですね。そうかもしれないな…。
m・た:おかゆくんかわいいですからね笑。
犬たちの幸せを考えて……
お:おかゆの行動や食事面を見ていても、自分のライフスタイルはこういうものだって、気づかされることは多いですね。僕のライフスタイルはこういう感じなんだって、おかゆに教えられました。
た:シニアになってからのことをお話しすると。私の場合は、ドッグトレーナーを愛犬の病気をきっかけに休止したんですね。僧帽弁閉鎖不全症がわかったとき、余命半年って言われ、愛犬の側にいようと思い外に出る仕事から、愛犬の側にずっといられる自宅でできる仕事に転身したんです。愛犬がシニアになると、こういうことが起きる可能性があるんですよね。
お:気づけば自分より年上ってことですもんね。
m・た:そうそう。
m:犬との暮らしは大変なこともあるけれど、それ以上に楽しいことが多いですからね。
お:逆を言えば楽しい事だけではない、そういう面も知ったうえでワンちゃんを迎えてほしいなとDOGPAD編集部は考えていますってことですね。
m・た:そうですね。
m:犬たちに不幸になって欲しくありませんからね。
た:ですね。
最後に
第一回「DOGPAD編集部ディスカッション~シニア犬について語る~」はいかがでしたでしょうか。
YouTuberおーきさんは、おかゆくんを迎えて間もないため、シニア犬についてわからないことが多かったようです。
シニア犬との暮らしは、大変なこともありますが、それ以上に長い時間を一緒に暮らしてきた愛犬との絆や、心の繋がりにより、愛おしさや優しさに包まれています。
シニア犬について、DOGPAD編集部・議論の会が皆さまの知識を深めるためのお手伝いになれば幸いです。