子犬の時期に3回ワクチンを打つのは何のため?

子犬は決められた時期にワクチンを打って病気予防をする必要があります。ペットショップやブリーダーで、必ずワクチンを打つように言われると思いますが、何故3回も打つ必要があるのかをご存知ですか?
購入先で言われるがままに打つのではなく、何故必要なのかを紹介しますので、是非知っておくようにしてください。

なぜ子犬の時に数回ワクチン接種を受ける必要があるの?

産まれたばかりの子犬は、母犬から母乳をもらって育ちます。この母乳の中には、様々な感染症から抵抗力の弱い子犬を守る抗体が含まれていて、この抗体のことを「移行抗体」といいます。
但し、この移行抗体は子犬が自分の力で自由に動き回り行動範囲が広がってくる生後60日目頃から徐々に薄れていき、生後90日目頃にはほぼ消失してしまいます。
それでも感染症の危険がなくなる訳ではありませんので、移行抗体に変わる感染症予防の方法としてワクチンを接種します。

このワクチンは接種後にすぐ効果を発揮するのではなく、身体全体にワクチンが行き渡り力を発揮してくれるまでには約2週間かかるとされています。その為、母犬からの移行抗体が切れ始める60日目頃に1回目のワクチンを接種するのが一般的です。
ところが、移行抗体がまだ子犬の身体の中に残っている状態でワクチン接種を行うと、身体の中では抗体とワクチンが反発し合い、ワクチンの効果が弱まってしまうことがあります。ワクチンの効果を十分に発揮させる為に、子犬の場合には数回に分けてワクチンを接種します。

本来であれば、母犬の移行抗体がなくなった時点でワクチン接種を行えばいいのかもしれませんが、抗体がどの程度残っているのかは調べようがありませんので、抵抗力の弱い子犬に万が一のことが無いように、移行抗体が薄れ始める60日目を目安にワクチン接種を始めるようになっています。

子犬の時期に打つワクチンで予防できる病気とは?

ワクチン接種によって予防出来る病気を紹介していきます。

コロナウイルス感染症

犬コロナウイルスが含まれた排泄物などを、犬が口にしてしまうことで感染します。
症状としては、まず食欲がなくなり、その後下痢や嘔吐を繰り返して衰弱していきます。
成犬であれば数日の投薬で完治する場合もありますが、子犬は症状が悪化しやすく死に至る場合もあります。

ジステンバー

犬同士の唾液や尿の接触などから感染をする場合があります。
発熱を伴い、呼吸器・消化器・神経系など様々な箇所に不調をきたし、致死率が大変高い病気だとされています。

パルボウイルス感染症

犬パルボウイルスが含まれた排泄物や、吐しゃ物に触れたことにより感染する場合があります。
激しい下痢や嘔吐を繰り返し、脱水症・敗血症・栄養失調を引き起こし、早い時は感染から24時間以内に死に至る場合もあるほどです。

パラインフルエンザ

犬の咳やくしゃみなどから飛沫感染をします。
感染すると、咳や鼻水など風邪のような症状を発症します。このウイルスに関しては、単独で感染することはなく他の細菌などと混合感染をします。
パラインフルエンザを中心とする伝染病の呼吸器症候群を「ケンネルコフ」と呼びます。

レストスピラ感染症

スピロヘータという細菌によって引き起こされる病気で、人や他の動物にも感染することがあります。
発熱や黄疸の症状が出て、病気が進行してしまうと腎不全になる場合もあります。

伝染性咽頭気管支炎

パラインフルエンザと同様に、ケンネルコフのひとつとなります。
伝染力が大変強く、様々な呼吸器疾患を発症します。他のウイルスと混合感染してしまうと、症状がかなり重くなってしまう特徴もあります。

伝染性肝炎

ヨダレや排泄物から感染をします。
かなりの高熱から、下痢・腹痛・嘔吐を引き起こし、子犬が感染すると重症化しやすく致死率が高いとされています。

これらの病気は、ワクチン接種によって予防をすることが可能ですが、それぞれの病気に見合ったワクチンが存在します。全ての病気予防をする為にいくつもワクチンを打つのは大変ですので、複数の病気を予防出来るように混合ワクチンを打つようになります。
混合ワクチンは、混合されている数によって「5種・6種・8種」などがあり、5種を接種する人が最も多いようですが、そこは獣医師さんと相談して決めるようにしてください。

子犬のワクチンを打つ回数や時期とそれぞれの打つ目的

ワクチンを接種する回数や時期は、獣医師やブリーダーによって様々な考え方がありますが、一般的なものを紹介します。

1回目

母犬からの移行抗体が消失し始める生後60日目頃に、1回目のワクチンを打ちます。
これは消失してしまう移行抗体に代わり、子犬を感染症から守る為に行うのですが、移行抗体が身体の中に残っている場合にはワクチンによって接種された抗体の効果が減少してしまう恐れがありますので、1回の接種だけでは十分な効果を得られないことが多いです。

2回目

2回目のワクチンは、1回目の接種から約1ヶ月後の生後90日頃に打つようにします。
この頃には母犬からの移行抗体が完全に消失していますので、ワクチンの効果が充分に得られるとされています。
そのことから、2回目のワクチン接種が終了し、ワクチンが身体全体に行き渡るのに要する期間である2週間を経過すれば、散歩に連れ出しても構わないという意見もあります。これを否定する訳ではありませんが、お散歩は3回目の接種が終わるまで待つ方がいいという意見の方が多いようです。

3回目

3回目のワクチンは、2回目の接種から更に1ヶ月後に行います。
2回の接種で十分と意見もあるのですが、母犬からの移行抗体が生後90日以降まで残っている可能性が高いのではないかと意見が根強くあります。
そうなると2回目のワクチンも充分に効果が発揮出来ていない可能性が考えられます。
子犬は抵抗力が弱いので、些細な体調不良も死に繋がってしまう場合があります。その為、移行抗体が消失しきってない可能性を考慮して3回目のワクチン接種を行います。

ワクチンを2回までとするのか3回まで行うのかは、獣医師さんによっても考え方が変わってきます。2回でよいとされても、不安に感じるから3回目を打つのであればそれも構わないと思います。
あくまでも最終判断は飼い主さんにありますので、獣医師さんとよく相談をしてみるといいでしょう。
また、そのような不安についてきちんと説明をしてくれる獣医師さんを選ぶことも大切です。

まとめ

子犬が接種するワクチンについて、時期・回数・予防出来る病気などを紹介してきました。
子犬はちょっとした体調不良から、あっという間に重症化してしまうこともありますので、予防出来る物に関しては飼い主さんが管理をしてきちんと予防対策をしてあげるようにしてください。