【犬種別かかりやすい病気】キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

健康

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは遺伝的に心臓の病気にかかりやすい犬種です。また肥満になりやすい傾向から、体重が重くなることで関節の病気になりやすく、また栄養の取りすぎで皮膚炎になることもあります。今回は、キャバリアのかかりやすい病気である、白内障、膝蓋骨脱臼、僧帽弁閉鎖不全症、臍ヘルニアについてご紹介していきます。

キャバリアの特徴

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは通称「キャバリア」と呼ばれます。キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルはイギリス原産の犬種です。からだの大きさは、体重が5〜8kg、体高が30〜33cmで、頬まで垂れる耳の飾り毛があり、柔らかい毛並みで、気品のある雰囲気を持つ小型犬です。キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルよりも小型のキング・チャールズ・スパニエルとは別の犬種となります。 キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは、柔らかい被毛を維持するために日々のブラッシングが欠かせず、皮膚病にもかかりやすい傾向があります。また肥満になりやすいため、病気を防ぐためにも、食事管理や日々の運動をしっかりと行いましょう。

キャバリアに多い病気①白内障

白内障は水晶体に変化が起こり、水晶体の一部分や全部が白濁して視力の障害を起こす病気です。水晶体はレンズの役割をしているため、進行すると視力が低下し、最終的には失明に至ります。

症状

犬の白内障は症状が出ていないと、飼い主さんが気づかないことも多いですが、犬の目を正面から見たときに、瞳孔の奥が白く濁って見えます。病気が進行するにつれて、犬がものにぶつかる、転ぶ、段差がわからなくなる、飼い主さんとおもちゃで遊ぶことができなくなる、急に驚くといった視力低下の症状がみられます。

原因

白内障の原因には、先天性、遺伝性、後天性があり、後天性のケースでは、眼科疾患、加齢、糖尿病の合併症、炎症性、中毒、栄養不良などによって発症します。白内障の主な原因は加齢とされており、8歳以上の高齢犬に多い病気です。6歳よりも若い個体にみられる若年性白内障では遺伝性のほかに、外傷、糖尿病、中毒などが原因となります。

治療方法

投薬治療によって、白内障の進行を抑える治療を行います。失明を防ぐために、手術で水晶体を取り出す方法もありますが、ピント合わせができなくなり、見えにくくなるデメリットがあります。白内障に限らず、目の病気は、早期発見、早期治療が視力の維持や改善、QOLの向上につながります。白内障などの進行性の目の病気と診断された場合は、犬が日常過ごす空間では犬が不安にならないように、家具の配置などの生活環境を整えるケアを行ってあげることが大切です。

キャバリアに多い病気②膝蓋骨脱臼

キャバリアに多い関節の病気に、膝の皿が外れる、「膝蓋骨脱臼(パテラ))が挙げられます。

症状

症状は軽度から重度までさまざまで、犬がびっこを引いたり、後ろ足を引きずって歩く(跛行)、痛がる仕草をする、関節からパキパキと音が聞こえる、お散歩を嫌がる、階段や段差を歩かなくなるといった症状が認められます。両方の関節に症状が出ると、足がO脚またはエックス脚となります。

原因

先天性の場合(先天性膝蓋骨脱臼)や、打撲などの事故や怪我といった外傷(外傷性膝蓋骨脱臼)がほとんどですが、栄養障害から発症するケース(クル病)もあります。先天性の場合は、遺伝的な理由が関わるとされており、生まれつき骨の溝や靭帯に異常がある先天的な奇形を持つ犬に起こり、胎児のときから脱臼するケースもみられます。膝蓋骨脱臼(パテラ)は小型犬に発症することが多いです。外傷の場合は、関節に強い衝撃を受けた際に、関節が外れたり、靭帯や靭帯周辺の組織が損傷することで脱臼が起こります。

治療方法

膝に負担がかからないように安静にさせ、鎮痛剤などの投薬治療を行いますが、投薬治療で効果がみられないケースや、重症の場合は手術が必要となります。膝蓋骨脱臼と診断されたら、犬を高いところからジャンプさせたり、急旋回をさせない、抱っこは床に近いところで降ろすといった生活習慣を心がけ、脱臼が起こらないような生活環境の見直しをしましょう。

キャバリアに多い病気③僧帽弁閉鎖不全症

僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の左心房と左心室にある僧帽弁に異常を抱える病気です。僧帽弁閉鎖不全症は高齢犬に多い病気ですが、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは3歳頃から聴診で心雑音がみられるケースがあり、高齢のキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルに多い傾向があります。

症状

僧帽弁閉鎖不全症は初期症状がわかりにくい病気です。暑くないのに呼吸が荒い、乾いた咳をする、息切れする、呼吸困難といった症状で気が付く飼い主さんが多く、獣医師の定期検診での聴診で判明することが多いです。進行すると肺水腫を起こし死亡するケースもあります。

原因

心臓には4つの部屋があり、それぞれ逆流しないための弁がついています。僧帽弁は左心房と左心室の間にあり、心臓が収縮したときに左心室から左心房への逆流を防いでいます。しかし、この僧帽弁に異常があり、完全に閉じることができないと、血液の逆流が起こって心臓が肥大化し、心臓に負担がかかり、血液の循環が悪くなり肺に異常をきたすため、呼吸器障害が現れます。一般的には僧帽弁閉鎖不全症は高齢犬に多い病気です。

治療方法

心臓の負担を減らして犬のQOLを維持するための内科的治療と、手術を行い症状の改善を目指す外科的治療があります。どちらの治療方法でも、激しい運動や興奮をしないようにできるだけ穏やかに生活させ、定期的に排尿を促し、塩分の少ない食事を心がけましょう。

キャバリアに多い病気④臍ヘルニア

犬の臍ヘルニアは、胎内で母犬と胎盤を通して繋がっている胎児をつなぐ組織が、先天的または後天的な理由によって損傷することで、腹壁に穴があいている状態のことをいいます。

症状

腹壁に穴が空いている、腹壁に開いた穴から脂肪や腹膜や内臓が飛び出す、へそが膨らむまたは飛び出る(出べそ)といったヘルニアの症状が認められます。ヘルニア部分に腸などの内臓や、からだの一部が入ることで、へその炎症、嘔吐や腹痛、元気消失といった症状が見られ、ショックを引き起こす可能性もあります。

原因

原因は解明されていませんが、多くが先天性といわれており、生まれつき、自然に閉じるへそが閉じなかったまたは異常に残った、出産時の圧力、出産後母犬が胎盤を強く引きちぎった場合、組織が柔らかい子犬の外傷や落下による腹圧などによって引き起こされます。キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルは臍ヘルニアの好発犬種といわれています。

治療方法

腹壁の穴が小さい場合は、子犬の大きさに対しては穴が大きいものの、成長とともにからだが大きくなると穴が小さくなって閉じ、日常の生活には支障のないケースが多いです。ヘルニアが閉じない場合は、手術を行いますが、できるだけ犬に負担をかけないために、成犬になって、避妊、去勢手術を行う際に、一緒に処置をするケースもあります。ヘルニアが悪化し腸閉塞や腸の圧迫や内臓が飛び出す場合は、緊急事態のため手術を行います。

まとめ

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルのかかりやすい病気は、このほかにも眼瞼内反症、心内膜症、皮膚疾患、免疫不全症候群などがあります。 犬種のかかりやすい病気を把握しておくことが、愛犬の病気の早期発見につながるでしょう。

mako

mako

子供の頃から犬と共に暮らしてきました。愛玩動物飼育管理士2級、JKC愛犬飼育管理士、ホリスティックケアカウンセラーの資格を保有しています。犬と一緒に暮らす生活は楽しい!ということをお伝えするために、飼い主さんとワンちゃんにとって少しでもお役に立てる情報をご紹介できればと思います。

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