犬のシャンプーの頻度はどれくらい?シャンプーのしすぎには注意

健康

ワンちゃんが汚れてしまった時にすぐにシャンプーをしていませんか?清潔に保ちたいという優しい親心でシャンプーをしすぎると、それがトラブルに。今日はそんなワンちゃんのデリケートなお肌をベストに保つためのシャンプーの頻度、汚れてしまった時の対処方をご紹介しようと思います。

犬の皮膚について

犬の皮膚について

ワンちゃんの皮膚も人の皮膚も外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層で成り立っています。

皮膚のターンオーバー

一番外側を覆う「表皮」はさらに4層に別れていて、一定の周期でターンオーバー(皮膚が常に新しく生まれ変わること)が行われることによって細胞の入れ替わりが行われています。これを、「皮膚のターンオーバー」と呼んでいます。

天然の保護膜が角質層の水分蒸発を防ぐ

また、皮膚には「エクリン汗腺」「アポクリン汗腺」「皮脂腺」が分布しています。この「皮脂腺」から分泌される皮脂と汗が混ざりあって天然の保護膜を形成し角質層の水分蒸発を防ぐ役割をもっていて、皮膚のうるおいを保ちます。

関連記事:犬は汗をかくの?犬の汗腺のしくみを解説!

なぜ洗いすぎはダメなのか

なぜ洗いすぎはダメなのか

定期的にシャンプーを行うことによりワンちゃんの皮膚を健康に保つことができます。しかし、洗いすぎは要注意です。

みなさんはどの位の頻度でシャンプーをしてあげていますか?週に1,2回、またはお散歩などで汚れてしまった度にすぐにシャンプーをしたりしていませんか?

ワンちゃんの皮膚はとってもデリケートで皮膚の一番外側を覆っている角質層の厚さは人間の1/3程度しかなく刺激や乾燥にとても弱いのです。そのために、ワンちゃんは自分の体から出る汗と皮脂で保護膜を形成して皮膚を乾燥、刺激から守っています

シャンプーは皮膚、毛の汚れを落とすと同時にこの保護膜も一緒に落としてしまうのです。なので、週に1.2回、毎日なんてシャンプーをしてしまってはせっかく作った保護膜は次々落とされてドライスキン(乾燥肌)になってしまいデリケートなワンちゃんの皮膚を保護するものは何もなくなってしまいます。

獣医さんに薬用シャンプーを処方されて、週に数回シャンプーするようにと指示がある場合以外は一般的に月に1回、多くても3回が皮膚を健康に保つことのできるシャンプーの目安と言われています。

ドライスキンになってしまうと

角質層にある角質は外部からの細菌などの侵入を防ぐ防護壁のような役割を果たしています。この角質は角化細胞と細胞間脂質と呼ばれる脂質(油分)でできていています。レンガで例えると角化細胞がレンガで細胞間脂質がレンガを繫いでいる接着剤です。

シャンプーではこの接着剤の役割をしている脂質も一緒に落としていまいます。落としすぎると、角化細胞の間はスカスカになりバリア機能が低下した皮膚は細菌やアレギーの原因ともなるアレルゲンの侵入を許してしまいます。

これがよく言われるアレルギー性皮膚炎や細菌性皮膚炎の原因につながっていきます。これがドライスキンによるトラブルの1つです。

関連記事:愛犬をシャンプーする際の洗い方と手順 【1/26はお風呂の日】

洗わなさすぎもダメ

洗わなさすぎもダメ

かといって洗わないでいるのもよくありません。特に夏場は皮脂の分泌も増え、皮膚や被毛が蒸れやすいなどから皮膚トラブルが増える時期です。

洗わないでいると、皮膚のターンオーバーでできた古い角質や余分な皮脂が皮膚に残ったままになり、体についた細菌がそれを餌として増殖していきます。
お散歩で着いたアレルゲンも落としてあげる必要があります。

不衛生にしているとどうなってしまうのか

ワンちゃんは自分でバリア機能を持つ天然保護膜をつくり細菌の侵入を防ぐため戦いながら皮膚を守っています。しかし、先ほども説明したように洗わずに細菌がどんどん増殖していってはバリア機能が突破されてしまい細菌の皮膚への侵入を許してしまいます。

突破された壁はアレルギーの原因であるアレルゲンの侵入も容易になってしまいます。このようにしてまた皮膚トラブルの原因に繋がっていきます。

関連記事:いい風呂の日!犬とお風呂に入ってOK?湯船に犬を入れる際の注意点

汚れてしまった時の対処法

最近では室内犬が多くなり、汚れてしまったワンちゃんをそのままにしているのは抵抗があるかとも思います。そういうときの対処方をご紹介します。

体拭き

お散歩で汚れやすい足先、おなかの下の毛は濡れたタオルで拭いてあげましょう。そうすることで大抵の汚れは落ちます。この体拭きをこまめにやることである程度の臭いの軽減にもなります。

ドライシャンプー

体拭きだけでは落としきれないほど汚れてしまった、でもこの間シャンプーしたばっかりというときはドライシャンプーをお勧めします。
ドライシャンプーには泡タイプとスプレータイプ、パウダータイプがありますが使い方を間違えると毛玉になってしまったり、汚れを落とし切れなかったりするので気を付けましょう。

  • まずはブラッシングをして毛玉をほぐし、抜毛を除去して汚れを浮き上がらせる
  • ブラッシングが終わったら汚れでいる部分にドライシャンプーをつけてなじませていく
  • その後濡れたタオルで汚れをふき取る

ドライシャンプーで月のシャンプーを行うこともできます。その際は皮膚までしっかりシャンプーをつけてマッサージするように行っていきます。シャンプーをしたばっかりの時は汚れている毛の部分にだけつけて皮脂を落とさないように気を付けて汚れだけ落としていきましょう。

愛犬を正しくケア

愛犬を正しくケア

大切な家族の一員であるワンちゃん。人間は毎日お風呂に入り清潔を保っていますが、ワンちゃんは違います。きれいにしてあげたいという優しい親心で手入れをしてあげても間違った方法だとそれがワンちゃんを傷つけてしまうこともあります。

ペットショップ、動物病院で働いていたころに「とってもきれいにしているのになんで皮膚病なんかになるの?」という質問をされる飼い主さんをたくさん見てきました。

人間とワンちゃんは体のつくりが全く違います。人間にとってはいいこともワンちゃんにとっては害になることがたくさんあります。正しい知識をもってワンちゃんをケアしてあげてください。

関連記事:犬用シャンプーおすすめ10選

愛犬の【骨・関節の健康維持に】
食べやすいスティックタイプのゼリーサプリ

a.suzuki

a.suzuki

トリマーとしてペットショップで4年、トリマー・動物看護助手として動物病院に2年勤め、その後アメリカに移住し、海外でトリミングをしていました。ワンちゃんのお手入れの仕方、その時に飼い主さんからよく受けた質問や、経験、アメリカのペット事情、日本との違いなどを中心に記事を書いていこうと思います。

関連記事

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

おすすめ記事 獣医師コラム
  1. 4月無料オリジナルカレンダー

  2. 【獣医師コラム】寒い時期でも脱水に!?

  3. 「あつまれ!!わんにゃん100匹」オリジナルトートバッグをつくろう!!キャンペーン開催!

  1. 今年も1年間愛犬と健やかに過ごそう!新年から始める健康づくり

  2. 獣医師が教える、動物病院を選ぶ5つの鉄則 

  3. 真夏のDOG PAD相談室5 準備しよう!夏のお出かけ&お留守番

最近の記事

  1. 4月無料オリジナルカレンダー

  2. 今年も1年間愛犬と健やかに過ごそう!新年から始める健康づくり

  3. 愛犬の健康と食いつきに特化したプレミアムドッグフード「モグワン」

TOP