公開日
2021/01/17

【愛犬を守る防災対策】犬登録や予防注射、マイクロチップの重要性

愛犬の防災対策はできていますか?犬の命を守るための4つの防災対策(犬の登録、狂犬病予防注射、混合ワクチン接種、マイクロチップ登録)の重要性と狂犬病予防注射の注射率をご紹介します。

日本は自然災害の多い国、愛犬の命を守るためにできること

日本は自然災害の多い国、愛犬の命を守るためにできること

日本は自然災害の多い国。いつどこで大きな災害が起こるかわかりません。しっかりできている!という方は安心ですが、そのうちにと考えていると、災害が起こった時に、愛犬とはぐれてしまったり、迷子になっても再会することが難しくなってしまうことも考えられます。

今回は、犬の命を守るための4つの防災対策(畜犬登録、狂犬病予防注射、混合ワクチンの接種、マイクロチップの登録)の重要性を再確認したいと思います。

飼い主の「まぁいいか」が、愛犬と再会できない可能性も

災害時にペットを守るのは飼い主しかいません。

犬の登録と狂犬病予防注射を行うことは飼い主の義務です。今後マイクロチップの登録内容変更の届け出も所有者の義務となります。飼い主として法律を守ることは当然のことです。(2020年1月現在)

災害時には犬も恐怖や不安からパニックになり、突然遠くに逃げてしまうことも考えられます。このとき「所有者明示」が確認できずに、犬の所有者が誰かわからないと、犬が迷子になってもどこで誰に保護されているのさえも分からなくなってしまったり、二度と再会できなくなってしまう可能性もあります。

まさか、と思うような災害が発生してからでは、もう遅いのです。

愛犬と暮らす「基本的な防災対策」もチェック

災害が発生したとき、家族と家族の一員である愛犬の命を守ることが最も大切なことですが、犬の防災対策は避難場所の確認や備蓄品の準備、ケージトレーニングといった犬のしつけも同じく大切なことです。

愛犬と暮らす基本的な防災対策については、ペット災害危機管理士の1級講師、防災士としてペットと災害についての啓蒙活動を行なっている防災のスペシャリストである、鈴木清隆先生のコラムを中心に、以下の記事をご覧ください。

犬の命を守る防災対策①畜犬登録

犬の命を守る防災対策①畜犬登録

犬の飼い主には3つのことが法律(狂犬病予防法)で義務付けられています。

  • 現在居住している市区町村に飼い犬の登録をすること
  • 飼い犬に年1回の狂犬病予防注射を受けさせること
  • 犬の鑑札と注射済票を飼い犬に装着すること

また、狂犬病予防法では、犬の鑑札と注射済票をつけてない犬は、捕獲や抑留の対象になります。

災害時においては、犬の登録がされていない犬は、避難所での受け入れが行われない可能性があります。

犬の登録の目的

飼い犬の登録を行う目的は、犬の所有者が誰かを明確にすることでこれを「所有者明示」といいます。

犬の登録を行うことで、市区町村のどこに犬が飼育されているかを行政が把握できることと、狂犬病が発生した際にこの登録情報を活用することで、地域での狂犬病のまん延を防ぐ役割があります。

犬の登録義務

飼い犬の登録は、犬を取得した日(生後90日以内の犬を取得した場合は、生後90日を経過した日)から30日以内にその犬1頭につき生涯に1度、居住地の市区町村へ登録手数料とともに犬の登録手続きを行う必要があります。

引越しをしたり、所有者が変わった場合、犬の死亡など変更があった場合は、市区町村への届出が必要です。

(引用参考:厚生労働省 犬の鑑札、注射済票について)

犬の登録を行うと鑑札が交付される

飼い犬の登録申請を行うと、犬鑑札が交付されます。この番号はその犬の一生涯有効で、必ず犬に装着しておかなければなりません。

鑑札番号はその犬だけの唯一の番号で、登録されて犬であることを証明するための標識であるため、迷子札の役割も持っています。

鑑札を紛失した場合は、市区町村への届け出が必要です。

犬の登録をしないと罰則も

飼い犬の登録申請を行わなかった飼い主、鑑札を装着させていない飼い主は、20万円以下の罰金が定められています。

犬の命を守る防災対策②狂犬病予防注射

犬の命を守る防災対策②狂犬病予防注射

狂犬病予防法では、飼い犬に年1回の狂犬病予防注射を受けさせることが定められています。このため災害時に狂犬病予防注射が未接種の犬は、避難所で受け入れ困難となる可能性があります。

狂犬病予防注射を行う目的と義務

狂犬病は、感染後発症すると治療をすることができない病気です。人間や動物への感染防止のために、日本では生後91日以上の犬を所有する者は、毎年1回、4月〜6月までに狂犬病予防注射を受けなければならないと規定されています。

狂犬病予防注射後に注射証明書の発行と注射済票が交付される

飼い犬の狂犬病予防注射を地域の集団注射会場や動物病院で行うと、獣医師から狂犬病予防注射証明書が発行されます。

この狂犬病予防注射証明書を市区町村の担当窓口に持っていき、狂犬病注射済票交付申請書を、交付手数料とともに提出すると、飼い主に狂犬病注射済票が交付されます。

※動物病院によっては代理の申請が可能な場合もあります。

犬の登録をしないと罰則も

交付された狂犬病注射済票は、年度毎に新しいものを飼い犬に装着させる必要があり、装着させていない飼い主は、20万円以下の罰金が定められています。

犬の命を守る防災対策③混合ワクチンの接種

犬の命を守る防災対策③混合ワクチンの接種

犬の混合ワクチンの接種は法律で定められているものではありませんが、防災の観点からも、混合ワクチン接種はとても大切なものなので、少しお話ししたいと思います。

避難所では不特定多数の犬が集まる

災害が発生した際は、ペットは同行避難が原則とされています。同行避難とは、同じ空間で避難生活をする同伴避難ではなく、ペット専用エリアに犬が集められることになります。

このとき、このペット専用エリアでは不特定多数の犬猫達が集まり、混合ワクチンを接種していることで、犬がかかる危険のある病気から愛犬の命を守ることにつながります。

混合ワクチン以外にもノミダニ予防も同じ理由で、防災対策としても必要なものです。

犬の命を守る防災対策④マイクロチップの装着と登録

犬の所有者明示の方法の1つに、マイクロチップによる個体識別があります。

マイクロチップ装着・登録の目的と義務

マイクロチップは犬の体内に埋め込み装着されるもので、マイクロチップ1つ1つに割り当てられたその犬だけの登録番号をデータベースに登録を行います。

首輪や鑑札がついていない犬でも専用のリーダーをかざすことでマイクロチップ番号が瞬時に分かるので、この番号をデータベースに照会することで、所有者が判明し、災害発生時や迷子になったとしても、飼い主のもとに早期に返される可能性が高くなります。

2022年6月から、犬猫の販売業者を対象にマイクロチップの装着が義務付けられますが、飼い主については登録の内容に変更があった際の届け出については義務となっています。

マイクロチップ装着は獣医師によって行われる

マイクロチップの装着は獣医師が行い、その後データベースへの登録が必要です。日本ではAIPO(動物ID普及推進会議)の他いくつかの団体がそれぞれにデータベースを保有していて、別々に登録を行なっています。

(参考資料)日本の狂犬病予防注射の注射率はどれくらい?

最後に、厚生労働省の資料をご紹介したいと思います。

厚生労働省では、平成25年から平成30年度までの、都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数、愛護センターで抑留された犬と返還された犬の頭数を公開しています。

平成30年のデータでは、犬の登録数に対して、全国で狂犬病予防注射の注射率は71.3%です。いくつかの都市の注射率をみてみると、

山形県90.8%、新潟県88.5%、神奈川県75.9%、愛知県75.8%、東京都73.6%、広島県72.0%、熊本県70.3%、京都府68.6%、大阪府61.2%、香川県58.3%、福岡県57.7%、沖縄県50.9%

(参考資料:都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数平成25年〜平成30年度)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/01.html

病気など特別な事情で接種できなかった犬が含まれていないとしても、こういった実際の状況を知っておくと、普段の生活から病気予防の大切さを考える必要がありそうです。

避難所へペットと同行避難するためにも犬の登録と狂犬病予防注射の徹底を

特別な理由があって、狂犬病予防注射の免除対象となると獣医師が判断を受けたケース以外は、狂犬病予防注射を毎年行うことは飼い主の義務です。

もし災害が起こった時に「犬の登録と狂犬病予防注射を行なっていない飼い主は、ペットと一緒に避難所への同行避難ができない可能性がある」ということを頭に入れておかなければなりません。

命を守る防災対策の再確認できましたか?

命を守る防災対策の再確認できましたか?

今回お話しした4つの防災対策は、愛犬家のみなさまにとっては当たり前のことかもしれません。また、防災とは関係ないと思われるかもしれません。

しかし、犬の登録や狂犬病予防注射ができていない人もお住まいの地域にいる可能性があるということを考えると、混合ワクチンの接種やノミダニ予防なども日頃からしっかり行なっておくことが、愛犬の健康を守ることにつながるといえます。

災害時はどんな状況になるかわかりません。愛犬も普段と違う状況に不安を感じてどんな行動を起こすかわかりません。

「迷子になっても、すぐに飼い主が判明して再び愛犬と会うことができる」ためにも防災対策をしっかり整えておきましょう。

犬の命を守る防災対策についてご紹介しました。

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