公開日
2020/10/13
更新日
2020/10/19

マイクロチップの義務化 メリットとデメリットを解説

マイクロチップの装着が販売業者に義務化され(一般の飼い主は努力義務)、今後マイクロチップの装着率が増えることが予想されています。最近では、埋め込んでいるワンちゃんも多いマイクロチップですが、マイクロチップって本当に安全なの?と思う方もいらっしゃるかと思います。
今回は、マイクロチップのメリットとデメリットについてご紹介します。

マイクロチップとは

マイクロチップとは、ワンちゃんの個体を識別するための電子標識器具で、
大きさは、直径が2mm、長さが約8~12mmの円筒形をしています。

このチップを針が太めの注射器のような器具(インジェクター)を使って、ワンちゃんの体内(首の後ろの皮膚)に埋め込みます。
画像の上がマイクロチップを埋め込むときの器具、下がワクチンなどで使われる普通の注射針です。

チップには、世界で1つだけとなる15桁の数字が記録されていて、その数字を専用の読取器(リーダー)で読み取ることで、個体の識別をすることができます。

犬にマイクロチップを装着した後、飼い主が「動物ID普及推進会議(AIPO)」や「ファミリーID管理機構(FAM)」などへマイクロチップの番号、飼い主さんの名前、住所、連絡先などを登録することで、どの飼い主さんのワンちゃんなのかが分かります。
この登録は、マイクロチップを装着した動物病院などで行うことができます。

マイクロチップの義務化について

2019年に改正された動物愛護管理法の改正によって、3年以内にペットを販売する業者への犬猫のマイクロチップ装着と、すでにマイクロチップを装着している犬猫の飼い主となった場合は、データの登録変更を行うことが義務化されました。

一般の飼い主さんについては、義務化でなく努力義務とされることが決まっています。

しかし、大きな災害時やペットが迷子になった場合に、犬が飼い主の元へ戻ってくる可能性が高くなることから、一般の飼い主も愛犬にマイクロチップを装着させることでペットの命を守ることができるメリットがあります。マイクロチップを装着させるかは飼い主さんの判断で決めましょう。

マイクロチップの装着は海外への移動の際に必須となっている

ヨーロッパを中心に海外でもマイクロチップの義務化が進んでいます。
また、日本では「犬等の輸出入検疫規則」により、日本へ動物を輸入する際、ISO規格のマイクロチップの埋め込みが義務化されています。
もし、海外にワンちゃんと一緒に出掛け、帰国しようとしたときは必ずマイクロチップを埋め込まなくてはいけないということです。

マイクロチップのメリット

迷子の犬を減らすことができる

保健所へ連れてこられる犬は捨てられてしまった犬だけではありません。何らかの理由で飼い主とはぐれてしまった迷子の犬もたくさんいるのが現状です。そして、期限までに飼い主に再会できず、殺処分されてしまう犬もたくさんいます。

日本では今まで、犬の鑑札による識別が一般的でしたが、災害時などさまざまな状況によって首輪が外れてしまうと、犬の識別を行うのは困難でした。

しかし、マイクロチップは体の中に装着されているため、犬が迷子になったり、逃げてしまって保護されたときに首輪など身元がわかるものがついていなくても、リーダーで読み取れば識別することができます。

落としたり壊れたりしない

鑑札や迷子札は首輪に付けるのが一般的なので、犬が逃げた場合や災害時などに観察を落としたり、外れたり、壊れてしまったりすることがありますが、マイクロチップの場合はそのようなことはありません。

犬が連れ去られた際の証明書になる

こんなことは想像したくはありませんが、犬の連れ去り被害(誘拐)にあった場合でも、マイクロチップが装着されていれば、犬が見つかった際に自分の犬であることをチップを読み取ることで確実に証明することができます。

ペットの飼育放棄や遺棄を減らす

日本では「飼育できなくなったから」と山などに捨ててしまったり、保健所などに置いて行ってしまったりする飼い主がいるのが現状です。

犬にマイクロチップが装着されていれば、保護された際に飼い主の情報を明らかにすることができ、無責任な行動を減らすことができます。

マイクロチップのデメリット

チップの埋め込み時に痛みを伴う

マイクロチップは犬への皮下注射で埋め込みます。
直径2mmのマイクロチップを入れた針を刺すため、通常の注射針と比べるとかなり太い針になり、犬は痛みを感じます。

痛みに我慢強い子もいますが、場合によっては局所麻酔で痛みを軽減するなど動物病院によって工夫されています。去勢手術時や避妊手術時の麻酔下で、一緒にチップを埋め込む場合もあります。

MRI撮影の画像に悪影響が出ることがある

もし、犬が病気や怪我をした際にMRIの検査が必要になったとき、マイクロチップが入っていると画像が歪むなどの悪影響が出ることがあります。ただし、体内への悪影響はなく、ほとんどのMRIはマイクロチップが入っていても問題なく撮影できます。

専用の読取器「リーダー」がないとチップを識別できない

犬の体の中に入っているマイクロチップだけではワンちゃんを識別することはできません。専用の読み取りリーダーで、個々に与えられた15桁の数字を読み取ることで初めて、どの飼い主の犬なのか情報を識別することができます。

このことから、マイクロチップのリーダーがないところで保護された犬の場合は、マイクロチップが装着されていても番号を読み取ることができず、15桁の番号の照会を行うことができないため、飼い主をすぐに特定することはできません。このリーダーは、全国の動物保護センターや保健所、動物病院などに置かれています。

最後に

日本でもマイクロチップを装着した犬は増えてきています。災害が多い日本では、万が一に備えてマイクロチップを装着している方が安心なのかもしれません。一般の飼い主については努力義務であるものの、マイクロチップの義務化によって、捨てられる犬や迷子犬、殺処分される犬が減ることも予想されています。

チップを体に埋め込むなんてかわいそうと思う方もいるかもしれません。メリットとデメリットなどマイクロチップ正しい知識を持って、装着するかしないかは、大切な家族の一員である愛犬にとってよりよい判断をしていただけたらと思います。もし、マイクロチップのことで不安なことがあったら、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。