真夏のDOG PAD相談室5 準備しよう!夏のお出かけ&お留守番

獣医師コラム

前回まで4回にわたってお送りした夏にありがちな愛犬のお悩みについて解説する真夏のDOG PAD相談室。第5回となる今回は、夏には欠かせないお出かけ時のお悩みについてお話ししていきます。

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夏といったらお出かけ!愛犬はどうする?

夏の暑さも盛りを迎え、学生たちは待ちに待った夏休みを迎えた頃でしょう。お盆が近づき、お子さんの夏休みや会社の夏季休暇を利用して家族旅行、と考えている方も多いかもしれません。 しかし、いざ旅行となると愛犬をどうしようかと悩む方も多いのではないでしょうか。実際に旅行が好きだから犬を飼えないという方や、留守番させるのが可哀想だから旅行を控える、という方もいるようです。

愛犬家にとっての旅行というと、愛犬と一緒に行ける場所に旅行するか、もしくは愛犬をペットホテルや病院に預けて人間だけでお出かけという2択になるかと思います。そこで、今回は一緒に旅行に行く場合とペットホテルなどに預けた場合の両方で、発生する可能性のあるトラブルやそれぞれの対策について説明したいと思います。 

愛犬と一緒に旅行に行く場合

①ワクチンの接種証明書を準備しよう 

ワクチンの接種証明書というと、ペットホテルなどの施設で求められるという印象を持っている方が多いかと思いますが、観光地のドッグランや、ペットと一緒に楽しめるアクティビティ施設などでも接種証明書を求められることが多くあります。毎年の接種証明書は見つけやすい場所に収納し、お出かけの際には忘れないように携帯しましょう。また、なにかトラブルがあった時に愛犬の身分証明をするために鑑札も一緒に持っていくようにしましょう。

②愛犬の愛用アイテムを持っていこう

旅行先での宿泊は当然自宅とは違った環境になります。犬によってはいつもと違う場所で不安になったり、部屋の備品などを噛んでしまったりすることがあります。宿泊施設に迷惑をかけないために、そしてなにより愛犬に負担をかけないために、使い慣れたタオルやブランケットなどを持って行くようにしましょう。いつもと違うお部屋でも、自分の匂いが染みついた愛用のブランケットがあるだけで犬は安心して過ごすことができます。また、リードや首輪は旅先の破損に備えて予備のものを持って行くようにすると、万が一の時に安心です。

③愛犬に合わせたスケジュールを組もう

愛犬を連れて旅行に行く場合、人間だけの旅行のようにスムーズに観光地をまわることは不可能です。歩き疲れて渋ったり、途中でトイレを済ませるなどのタイムロスは必ず起こりますので、あらかじめスケジュールを組む時にはそれを加味していつもの1.5倍の時間を想定しましょう。 

また、突然の天候不良やトラブルで予定していたプランが変更になり、別の観光施設に行こうとしたら犬を連れているから入れない、ということもしばしばあります。そこであらかじめ変更が生じた場合のために、別プランも想定して準備しておくと良いでしょう。

愛犬を預ける場合

①ワクチンの接種証明書を準備しよう

ペットホテルなどの専用施設にお預かりしてもらう場合、ほとんどの施設では宿泊犬の間で病気が伝染しないように、ワクチンの接種証明書を求められます。愛犬と一緒に旅行する場合にも携帯が必要ですが、ワクチンの接種証明は様々なタイミングで求められますので、すぐに取り出せる場所に保管しておきましょう。

②アレルギー・持病の再確認をしよう

ペットホテルに預ける場合、万が一の事態に備えるために、愛犬のアレルギーや持病に関する情報を施設側と共有するようにしましょう。宿泊期間用のごはんやおやつは当然のこと、お薬やサプリメントを渡しておくのも忘れないようにしましょう。

③迷子になる可能性を意識しておこう

ペットホテルのお預かりであっても自宅でのお留守番であっても、飼い主の目が届かない場所ですので、万が一の可能性として脱走して迷子になることがあり得る、という意識を常に持つようにしましょう。

迷子犬というと外にいる時に逃げ出してしまう、という印象もありますが、実際には自宅から脱走するケースが8割近くで、自宅にいる時に花火や雷の音に驚いてパニックになったり、戸締りをちゃんとできていなくて脱走することがあります。もちろんペットホテルでは万全の対策をしていると思いますが、万が一を考えると、住所がわかるような鑑札札やマイクロチップの装着が重要になります。
関連記事:愛犬が迷子になってからでは遅い!迷子になる前に簡単にできる対策

ドッグライフでは常にトラブルに備えておこう

今回はお出かけに際に愛犬を管理する方法について解説をしましたが、犬のトラブルの多くは、人の感覚では気づきにくいリスクから生じます。

人感覚でスケジュールを立てて愛犬のトラブルで観光地を満喫できなかったり、人感覚で戸締りを甘くしていたら愛犬が脱走したり、旅行に限らずドッグライフには、人間と犬の感覚のズレによって生じるトラブルが数多く存在します。

楽しく安全なドッグライフを送るには、生じるリスクをしっかりと分析し、予想されるあらゆるトラブルに対し解決策を用意するようにしましょう。

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獣医師T

獣医師T

獣医師。大学在学中はウイルス学の研究をしながら犬の行動学(しつけ)に関する学生団体に参加し、卒業後は動物病院での勤務を経てペット関係の企業で勤務。ワンちゃんについて勉強したことやこれから勉強することを社会に役立てられるように邁進中。

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