【獣医師コラム】DOG PAD真夏の相談室第4回 「予防しよう!夏に悪化する愛犬の皮膚病」

獣医師コラム

前回まで3回にわたってお送りした夏にありがちな愛犬のお悩みについて解説する真夏のDOGPAD相談室。
第4回となる今回は、夏に悪化しやすいといわれる犬の皮膚病について予防や対処法を解説していきたいと思います。

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なんで夏に悪化するの?皮膚病と季節の関係性 

犬の病気の中には、夏の熱中症や春秋の胃腸炎、冬の尿路結石のように、季節に応じて発生しやすくなるものがあります。今回紹介する皮膚病もその一つで、夏に発生が多いことが獣医界隈では有名です。

皮膚病が夏に多く発生する理由には様々な要因があげられ、それらの要因を理解することが予防を考えるにあたって非常に重要です。皮膚の不調は全て皮膚病と呼ばれますが、この中には様々な疾患が含まれ、発生する原因も多岐にわたります。 
飼い主として皮膚病の正式な分類を全て覚えておく必要はないですが、夏によく起こる皮膚病の原因は覚えておいても損はないかもしれません。それは、感染によるものとアレルギーによるものです。そして、この二つはどちらも夏に皮膚病が発生、悪化します。

まず、感染が原因とされる皮膚病(感染性皮膚疾患)ですが、風邪やインフルエンザのような感染症とは少し異なり、普段から皮膚に常在する細菌が異常に増殖することで皮膚にダメージが生じ、皮膚病が発症します。
感染性皮膚疾患が夏に増える原因は、夏の高温多湿な環境が細菌の増殖に適していることと、暑い季節に犬の代謝が盛んになることで皮膚の分泌物や角質が増え、それを餌にして細菌が増殖してしまうことです。

次に、アレルギーが原因とされる皮膚病(アレルギー性皮膚炎)ですが、アレルギー反応によって皮膚に炎症が起こるというものです。本来季節には左右されないものですが、炎症によって皮膚のバリア機能が低下するため、細菌感染も引き起こしやすく二次的な皮膚疾患を招くことが多くあります。
そのため、先述した感染性皮膚疾患と同様に細菌が増殖しやすい夏には、アレルギー反応が弱くても、皮膚のバリア機能が少し低下しただけで、皮膚病を引き起こす可能性があります。

一度発生した皮膚病は最後まで治療が必要です! 

世の中には皮膚病防止に効果のあるシャンプーやフードなどさまざまな商品が充実し、中には治療効果をうたっているものもあったりします。しかし、皮膚病について絶対に知っておいてほしいこととして、ダメージを受けた皮膚は自然に治癒するが、一度増殖した細菌は自然には減らない、ということです。シャンプーやフードによるケアでは皮膚の治癒力を高めることができますが、皮膚の機能が崩壊して細菌が増殖してしまった場合には皮膚の治癒力を高めるだけでなく、増殖した細菌を減らすための治療が不可欠です。
動物病院では増殖した細菌がどんなものであるか検査を行い、それに合わせて抗菌薬という細菌を殺すお薬を処方します。それと並行して薬用のシャンプーや、症状によってはアレルギーを抑えるお薬も処方することもあります。

ここで獣医師として治療時に絶対に守ってほしいのは「良くなってきたからといってすぐに投薬をやめてはいけない」ということです。皮膚病の仕組みで説明したように、感染性皮膚疾患などでは細菌が増殖して悪さをしているので、細菌を正常な数まで減らすことが治療目的の一つになりますが、その過程である程度まで減らした時に症状が治まり、あたかも病気が治ったかのように見えることがあります。その時点で投薬をやめた場合、まだ細菌の数は正常な状態よりもずっと多いので、再び増殖してすぐに症状を再発させてしまいます。動物病院では症状が治るだけでなく、皮膚の状態が正常に戻るまでを治療として考え、処方を行っていますので、投薬がめんどくさくても途中で切り上げることは避け全て使い切ってしまいましょう。

予防は日常的にできるカンタンなことから始めよう !

一度皮膚疾患を発症してしまうと治療は1ヶ月程度と治るまで時間がかかり、毎日の投薬も大変なため(お金もかかりますし)、できることなら病気になる前から予防をして健康的に過ごしたいですよね。
そこで日々の生活でもカンタンにできる皮膚病の予防法を紹介していきたいと思います。

温度湿度管理を徹底しよう! 

前述したように、高温多湿な環境下では細菌が増殖しやすく、皮膚の状態が悪くなり、皮膚病を発症、または悪化させます。
家にいる時間はなるべくエアコンをつけてあげ温度管理し、外でのお散歩については暑い時間帯を避けたり、湿度の高いジメジメする日には散歩を短くするなどの工夫をしてあげましょう。

しっかりシャンプーとブラッシングをしよう! 

皮膚の分泌物が増えることの対策として温度湿度管理も大切ですが、いくら涼しくしていてもやはり夏は分泌が盛んになりますので、定期的にシャンプーやブラッシングをしてキレイにしましょう。 
毛の長い犬種ではシャンプーのすすぎ残しや、十分に乾燥できずに毛が湿っていること(細菌が増殖する)も皮膚へのダメージにつながりますので、シャンプー後の処理も気を抜かないように注意しましょう。

シャンプーについてはこちらも参考にどうぞ

最後に、皮膚病は夏に発症・悪化しやすい病気ですが、リスクは一年中通して存在しています。そのため、飼い主さんの負担にならない日常からできるカンタンな予防を行って、皮膚病から愛犬を守ってあげましょう。もちろんそれでも皮膚病にかかってしまう場合もありますので、そんな時はかかりつけの獣医さんに相談し、治療と今後どう対策すればいいかを一緒に考えていきましょう。

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獣医師T

獣医師T

獣医師。大学在学中はウイルス学の研究をしながら犬の行動学(しつけ)に関する学生団体に参加し、卒業後は動物病院での勤務を経てペット関係の企業で勤務。ワンちゃんについて勉強したことやこれから勉強することを社会に役立てられるように邁進中。

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