【獣医師コラム】犬も花粉症にかかる!?辛い季節の予防と対策

健康

今年も花粉症の辛い季節がやってきましたね。日本のスギ花粉は世界3大花粉症のひとつとされているほど大規模な疾患で、日本全国での花粉症による経済損失は1日あたり2,215億円とされています!

人間の場合、春先になると鼻がムズムズしたり、流涙やくしゃみが続くときには花粉症が疑われるかと思いますが、同じ環境で暮らしている犬ではどうでしょうか?今回の獣医師コラムは、犬の花粉症についてのお話しです。

犬にも花粉症は起こるが人の症状とはちょっと違う

犬にも花粉症は起こるが人の症状とはちょっと違う

まず、犬の花粉症について説明する前の大前提ですが、犬をはじめとした動物にも当然花粉症が発生します。

国内の動物園でニホンザルに花粉症の症状がみられたというニュースをご存知の方も多いかもしれませんが、花粉症とは体の免疫が花粉を有害な物質として誤認識し、過剰な反応を起こしてしまうことが原因です。

そのため、どんな動物でもアレルギー性疾患としての花粉症を起こす可能性はあると考えられます。 (余談ですが、花粉と密に接するミツバチなどの動物にも花粉症があるのかは非常に気になるところです、ご存知の方がいたらぜひお便りフォームから教えてください笑)

さて、本題に戻りますが、犬の花粉症では、呼吸器(鼻や喉)に症状が出やすい人や猿とは異なり、皮膚のアレルギー反応で症状が出やすいとされています。

アレルギーは動物種ごとに発症しやすい器官があるといわれており、特に犬では皮膚に症状が出ることが多いので、愛犬の皮膚が荒れていたり、かゆがる仕草が多いと感じたときには、症状を放置せずに動物病院に相談をするようにしましょう。

犬の花粉症の予防と対策

犬の花粉症の予防と対策 ドッグパッド

犬の花粉症は環境中の物質に対するアレルギーなので、完全に予防をすることは難しいですが、人の花粉症と共通する予防法も多いです。今回は、犬の花粉症予防として、特に効果的な3つの方法を紹介します。

①室内に空気清浄機を設置する

室内に入ってきた花粉を除去するためには空気清浄機が一番効果的です。加湿機能などマルチな役割を果たしてくれる最近の空気清浄機は、この時期には欠かせませんね。

音の大きい空気清浄機は犬を驚かせてしまうことや夜間などの睡眠時にストレスを与えてしまうこともあります。もし、愛犬が普段過ごす場所の近くに空気清浄機を設置する場合には、音が大きすぎたり風が強すぎないものにしましょう。

②愛犬に洋服を着せる

花粉症において、犬と人間で大きく異なることとして「犬には被毛がある」という点があります。犬の長い被毛は環境中の花粉を付着させやすいため、お散歩などで出かける際には愛犬に洋服を着せることがとても効果的です。

また、風の強い日や雨が止んだ後の晴れの日などは花粉が多く飛びやすいので、散歩のタイミングを調節したり外出を控えることも予防になります。

③愛犬のシャンプーをこまめに行う

犬の花粉症において、外出後のこまめなシャンプーは予防と対策になります。大型犬などで「いちいちシャンプーするのはちょっと難しい」と感じるようであれば、散歩から帰ったタイミングで愛犬の足や口元、目元を人肌程度に温めた濡れタオルでぬぐうことを最低限のケアとして取り入れてみましょう。

シャンプーには体毛に付着した花粉を洗い落とす意味ももちろんあります。

また、花粉症でアレルギー反応として皮膚が炎症を起こすと、皮膚本来のバリア機能が低下して、他の皮膚疾患を発生しやすいという負の連鎖が起こることもありますので、皮膚や被毛に優しい素材のシャンプーや薬用シャンプーを使うことで炎症を和らげることも期待できます。

DOGPADが運営しているセレクトショップDOGPAD and LIFEでは、天然シルクを使用した犬用シャンプー「TEGSUMI」をおすすめしています。

TEGSUMI(テグスミ)は犬と人のスキンケアにこだわったシャンプー

TEGSUMIはオーガニック成分にこだわった保湿効果の高いシャンプーで、被毛のケアの効果が高い製品です。

私は愛犬家の方に「犬用のシャンプーでおすすめはないか?」を聞かれたときに、被毛のケアができる製品をおすすめしていますが、その理由として、被毛のトラブルは犬にとって大きなストレスになるということがあります。

もし、自分の髪の毛がキシキシした状態で1日を過ごすとしたら、それが大きなストレスであることは想像できるかと思います。犬にとってはこの不快感が全身に起こるので、そのストレスは人間の何倍にもなるはずです。

実際に、動物病院では皮膚を痒がるという訴えで来院した犬のうち、皮膚に問題はないけれど、被毛がごわついてできた毛玉が気になって体を掻いていたという犬は少なくありません。また、そうして繰り返し体を掻くことで皮膚が刺激され、炎症を起こしたコも多く見かけました。

皮膚のトラブルが多いのは犬の動物種としての特徴なので、仕方のないことではありますが、飼い主さんの意識次第でトラブルの原因を減らしたり改善することができます。これまであまり意識していなかったという方はこれを機に愛犬の被毛のケアについて是非考えてみてくださいね。

「うちのコは関係ない」は大間違い!発症する前にアレルギーケア

愛犬のためにできる花粉症の予防と対策を紹介しましたが、「一応気になって読んではみたけれど、うちのコは花粉症じゃないから大丈夫」と安心された方も多いのではないでしょうか?

実は、アレルギー物質に対する感受性は、100か0かの二択ではなく、個体ごと(個人ごと)に負荷への抵抗性が異なります。花粉症ではないと思っていても、今後、飛んでいる花粉の量が増えたり、家の中で暴露される花粉の量が増えることによって花粉症を発症する可能性がありますので、症状がないうちでも身の回りを清潔にしたり、ブラッシングやシャンプーを定期的に行うことは予防にもなるのです。

愛犬の花粉症を疑う場合は、まず動物病院に相談しましょう

愛犬の花粉症を疑う場合はまず動物病院に相談しましょう

今回は、犬の花粉症対策について紹介してきましたが、一見花粉症や軽いアレルギーに感じる症状でも、実は重い病気が隠れていた、というケースも考えられます。

実際に私自身も花粉症持ちですが、花粉の症状かと思っていたら風邪に気がつかずこじらせてしまった経験が何度もあります。

春先に皮膚の炎症や鼻水、くしゃみがみられ、うちのコは多分花粉症なんだろうなと思っていらっしゃる方は、まずは一度、動物病院を受診されることを強くおすすめします。

こっそりお教えしますが、動物病院は春先の予防接種シーズンの前の時期は閑散期で患者さんが少ないので、待ち時間も少ないですし、先生も診療時間に余裕があるのでいつもより細かく丁寧に説明をしてくれるかもしれませんよ。(病院にもよりけりですが参考にしてくださいね。)

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獣医師T

獣医師T

獣医師。大学在学中はウイルス学の研究をしながら犬の行動学(しつけ)に関する学生団体に参加し、卒業後は動物病院での勤務を経てペット関係の企業で勤務。ワンちゃんについて勉強したことやこれから勉強することを社会に役立てられるように邁進中。

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