【獣医師監修】愛犬の歯磨きを始める前に知っておくこと 日本ペット歯みがき普及協会コラムVol.2

健康

「愛犬の歯みがきは慣れてしまえば簡単」「うちのコは歯みがきが大好き」という飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、歯ブラシを使ってシャカシャカと磨けるようになるまでに苦労される飼い主さんも多いのではないでしょうか?

犬の歯磨きの大切さをたくさんの飼い主さんに知ってほしい!という想いで始まった一般社団法人 日本ペット歯みがき普及協会さんとドッグパッドのコラボ企画!連載コラム第2回目の今回は、愛犬の歯磨きをこれからはじめてみようと思われている飼い主さんに、愛犬の歯みがきを始める前に知っておくことや歯みがきができるようになるための体の触り方について、日本ペット歯みがき普及協会の赤津さんにお話しいただきました。

歯みがきは楽しいことを愛犬に教えてあげることが大切

歯みがきは楽しいことを愛犬に教えてあげることが大切

――愛犬の歯みがきは、歯ブラシを使って磨くことができるようになるのが理想的とは思うのですが、飼い主さんが初めてチャレンジする場合、簡単にはじめることができるものなのでしょうか?

赤津さん:「そうですね。いきなり愛犬の口の中に歯ブラシなどを入れるとおそらく嫌がると思います。歯みがきを嫌がらないためにも正面からではなく、おすわりをさせた状態で後ろからマズル(犬のお口周り)や歯を触るなどをして徐々に歯みがきに慣らしていくことが大切です。

歯みがきをしないことで、健康被害を受けるのはペット達ですので、諦めずに根気よく出来ることからはじめてください。最初は少ししかできなくても、徐々に時間を伸ばせるようにしましょう。 愛犬に、歯みがきをする=楽しい(飼い主さんが喜んでいる)ということを教えてあげてください。」

歯磨きを始める前に愛犬のマズルに触れるようになろう!

――愛犬のマズルや歯に触れるようになることは、歯磨きをするために大切なステップなのですね。

赤津さん:「指を使って愛犬の歯やマズルに触れることができない状態で、歯ブラシをお口に入れることは非常にハードルが高く、愛犬が歯みがきを嫌がるようになりやすいです。指でマズル周辺や歯に触れたり、指がお口に入るようになったら歯みがきシートや歯ブラシが使えるようになります。」

――犬のマズルを触れるようになるコツなどはありますか?

赤津さん:「愛犬と向き合った状態で正面からマズルを触るのではなく、愛犬をおすわりさせた状態で、飼い主さんが犬の後ろ側からマズルや歯、歯肉を触るなどをして少しずつ徐々に慣れさせていくことがポイントです。

また、いきなりマズルを掴んだりせずに、愛犬とのふれあいの時間の一環としてマズルを触るようにしてください。飼い主さんも愛犬もお互いがリラックスしている時に行うことがおすすめです。

注意点としては、愛犬が嫌がらずに触らせてくれるからと、長時間しつこく触るのだけはやめましょう。また、飼い主さんが噛まれないように注意してください。」

市販のデンタルガムやデンタルおもちゃを使う場合の注意点

市販のデンタルガムやデンタルおもちゃを使う場合の犬の遊ばせ方

――犬のデンタルケアには、飼い主さんが歯をみがく他にも、デンタルガム(歯みがきガム)やデンタルおもちゃなどもありますよね。こういった製品を使う場合の注意点などはありますか?

赤津さん:「デンタルガムなどは、愛犬があっという間に食べてしまわないように、飼い主さんが手で持ちながら、汚れている歯で噛ませてあげてください。この時、同じ側の歯ばかりを噛まないように、左右の歯を噛ませてあげるとよいですね。また、犬のおもちゃは、最低1週間に1回は洗って清潔を保ちましょう。」

最も効果的な犬の歯のお手入れ方法とは?

犬の最も効果的な歯のお手入れ方法とは?

――犬のデンタルケアの方法として、歯ブラシや歯みがきシートを使って歯を磨いたり、デンタルガムやデンタルトイを使う方法などがあるかと思いますが、これまでたくさんのワンちゃんの歯みがき指導をされてきた赤津さんが考える、最も効果的な犬の歯のお手入れ方法はありますか?

赤津さん:「人と同じように犬にも年齢や歯の状態など個体差があります。このため、効果的なデンテルケアの方法はそのコによって異なりますが、効果的な方法としては、歯ブラシ+デンタルガム(磨き残しケア)+洗口液(隙間ケア)です。

もし、愛犬が歯ブラシを使った歯みがきを嫌がるようであれば、歯みがきシートで行っても構いません。まず磨くことが重要です。」

――愛犬の歯の健康を守るために飼い主さんに知っておいて欲しいことはありますか?

赤津さん:「愛犬のデンタルケアを何もしないということはやめてほしいです。後になって病気になり苦しむのはペット達だからです。最低でもデンタルガム+洗口液(隙間ケア)はやっていただきたいですね。

そして、動物病院での定期検診を欠かさずに、獣医師の先生のアドバイスを受けながら愛犬の健康な歯を維持していただければと思います。」

――愛犬の歯みがきは楽しい時間になるように徐々に慣らしていくことが重要ですね。赤津さんありがとうございました!次回もお楽しみに。

お問い合わせ先

日本ペット歯磨き普及協会

一般社団法人 日本ペット歯みがき普及協会ホームページ

各地で行われている愛犬の歯の磨き方教室のイベント開催については公式サイトからご確認ください。

日本ペット歯みがき普及協会イベント情報

Instagram:@hamigakikdog_cat

facebook:@一社)日本ペット歯みがき普及協会

一般社団法人 日本ペット歯みがき普及協会 代表理事 赤津徳彦さん

日本ペット歯みがき普及協会 代表理事 赤津徳彦さん

トーラス株式会社代表取締役社長。これまでに数千頭の以上のペットに歯みがき教室を実施。『歯ミガキマン』として日本全国で歯みがき教室やセミナーなどの勉強会も開催し、飼い主さん向けにペットの歯みがきの普及活動を行っている。

監修獣医師

日本ペット歯磨き普及協会 獣医師 石野孝(いしの たかし)先生

《獣医師》石野 孝(いしの たかし)先生

出身地 :鎌倉市

麻布大学大学院修士課程修了。

中国内モンゴル農業大学にて中国伝統獣医学(鍼灸、漢方)を学び、かまくらげんき動物病院を開業。最新の西洋医療と伝統的な東洋医療を融合させた動物に優しい治療を実践している。

国際中獣医学院日本校理事長、中国南京農業大学教授、中国聊城大学教授、内モンゴル農業大学動物医学院特聘専家、四川農業大学特別教師、 中国伝統獣医学国際培訓研究センター名誉顧問、一般社団法人日本ペットマッサージ協会理事長、日本メディカルアロマテラピー動物臨床獣医部会理事長等歴任。その他、日本アニマルウェルネス協会理事、アジア伝統獣医学会(アジア中獣医学会)理事長、ペットエステティック国際協会、台湾ペット発展協会理事、一般社団法人日本ペット歯みがき普及協会理事。

取材協力/提供画像:日本ペット歯みがき普及協会

日本ペット歯みがき普及協会公式webページ

【獣医師監修】愛犬の歯磨きはなぜ必要? 日本ペット歯みがき普及協会コラムVol.1

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ドッグパッド編集部

ドッグパッド編集部

ワンちゃんとの楽しい生活に役立つ独自の情報を取材し、配信するエディター集団です。皆さまが普段「あるといいな」と感じていること「こんな工夫は楽しいよ」と知らせたいこと、疑問、質問、困りごとなど、どしどしお寄せください。

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