公開日
2016/09/28
更新日
2020/10/19

犬の輸血と血液型 供血(献血ドナー)について

人が交通事故や病気での手術の際に、輸血をすることがありますが、犬も同じように輸血をする場合があることをご存知ですか?犬が輸血を必要とする時とは一体どのような時で輸血はどのようにするのかなど、犬の輸血について知っておきましょう。

犬にも輸血ってあるの?

犬の身体の中にも人と同じように血液が流れています。もし、その血液が不足する状態になってしまったら、人と同じように輸血という方法を使用して足りない血液を補充してあげなくてはいけません。

但し、犬用の血液は長期保存をするような環境が整っていないだけでなく、人用の血液バンクのようなものがないので、万が一の時に血液を供給してもらう「献血ドナー登録」という制度があります。

この制度はまだあまり浸透しているものではなく、動物病院関連の従事者が自分で飼育している犬を登録している場合が多いようです。

また、動物病院では緊急時にすぐに輸血対応出来るように、供血犬として犬を飼育している場合もあります。このどちらも用意していない動物病院の場合には、自分で献血に協力をしてくれる犬を探さなくてはならない場合もあります。

犬の輸血が必要な時ってどんな時

犬が輸血を必要とする時は、例えば交通事故などで大怪我を負ってしまった時や、病気で手術をしなければならない時などがあります。

怪我や病気による手術の際に行う輸血は、大量出血を補う為のものです。散歩中に落ちていたガラスなどを踏んでしまったり、高い場所から落ちて内出血がひどかったりする際にも、治療中に大量に出血を伴うことがありますので、こういった場合でも輸血が必要になります。

それ以外では、身体に合わない物を食べてしまった結果貧血に陥り、それに伴って嘔吐や下痢が続いて血液中のタンパク質が急激に失われてしまうことがありますが、このような時にも、血液の状態を正常に戻すために輸血を行う場合があります。

犬の献血ドナー(供血犬)

犬の献血ドナーは、ドナー登録とはいっても、人のように公的な機関は存在していないので、かかりつけの動物病院を通して登録をするのが一般的です。

献血ドナー(供血犬)になるには次の検査を行う必要があります。

  • 血液検査
  • レントゲン
  • 尿検査
  • フィラリア感染検査
  • 血液型検査

これらの全てにおいて一定の基準をクリアした上で、更に年齢や体重などの条件をクリアする必要があります。

ドナー登録を済ませると、輸血が必要になった場合に連絡を受け献血を行います。献血をした報酬としては、現金ではなく次回のフィラリア検査やワクチン接種が無料になるなど、犬の健康維持の為に必要なケア料金が無料になる場合が多いようです。

ドナーとして献血を行うと、次の献血までは約1ヶ月間隔をあける必要があります。そのためドナーは多い方がよいのですが、動物愛護の考えからすると犬の意思を反映するのが難しく、この制度自体に反対の声をあげる方も少なくありません。

犬にも血液型ってあるの?

犬にも血液型があります。
人の血液型は4種類ですが、犬の血液型は10~13種類あると言われています。但し、犬の血液型はまだ研究段階で、現時点で世界的に認められている血液型は8種類となっています。

犬の血液型はDEA式

人の血液型はABO式で分類されますが、犬の場合にはDEA式で分類されます。
このDEAは英語表記「Dog Erythrocyte Antigen」の頭文字を取ったもので、「犬赤血球抗原」という意味になります。
犬の血液型は、血液中に存在する赤血球の表面に存在している抗原の種類によって分類されるのですが、その分類が大変複雑になっています。
というのも、犬の血液はいくつかの血液が混ざり合って出来ているからだと言われています。

犬の血液型の表し方

犬の血液型は次のように表します。

  • DEA1.1
  • DEA1.2
  • DEA3
  • DEA4
  • DEA5
  • DEA6
  • DEA7
  • DEA8

この血液型に「+」又は「-」を付けて、更に細かく分類していき「+・-」の表記は、抗原を持っているかいないかで変わってきます。

初めての輸血の血液型は何でも大丈夫

犬の血液は種類が多いので、輸血をする時にはその犬に合う血液を用意するのは大変だと思われがちですが、犬の血液はいくつかの血液が混ざりあって構成されているので、使用する血液を用意することはそれほど難しいことではありません。

さらに、初めて輸血をする場合に限っては、どの種類の血液でも使用することが出来ます。これは、犬の血液は「自然異系抗体」を持たないため、どんな血液型を使用したとしても拒絶反応が起きないためです。

ただし、2回目以降の場合には、その犬に合った血液を使用しないと、不適合反応が出てしまうことがあるので、輸血を行うのが2回目以降の場合には、きちんと血液検査とした上で、適合する血液を使用する必要があります。

犬の輸血のメリット・デメリット

犬に輸血を行うメリットとデメリットをご紹介します。

メリット

輸血のメリットは、なんといっても命の危機が生じるような時に助けてもらえるところです。

輸血を必要とする怪我や病気の場合には、おそらく犬の状態も一刻を争うようなことが多いです。このような症状の時に、輸血という方法がなければ、犬は死んでしまうかもしれません。

大切な愛犬の命が、輸血が速やかに行えたことによって助かったという話も実際にあるため、大きなメリットはそれ以外にはないでしょう。

デメリット

大きなデメリットは、人の場合と同じで輸血による拒絶反応です。輸血を行う際には、必要な検査を行った上で行いはしますが、それでもなかには輸血された血液が身体の中で拒絶反応を起こしてしまう場合があります。

この場合、心臓発作などを起こす可能性もあるため、輸血を行う場合には獣医師からしっかりと説明を聞いた上でリスクを承知しておく必要があります。動物病院によっては、リスクがあることを確認したという同意書を作成するところもあります。

まとめ

犬が輸血を行う時には当然リスクも発生しますが、その時には輸血を行うことが命を救う為には最善の方法であるケースもあるでしょう。