うちの子、セラピードッグになれるかな?
一般家庭で暮らす愛犬もセラピードッグトレーニングに参加しています。
セラピードッグの状況
セラピードッグは動物介在療法という「治療」を目的に、末期がん患者の延命や認知症の緩和などの病気の治療、引きこもりの方々の身心のケアなどを行う犬たちです。 専門のセラピードッグになるための教育課程は45教科以上にもおよび、試験に合格するまでには2年以上もかかります。
※詳しくお知りになりたい方は一般財団法人国際セラピードッグ協会(ITDA)ホームページ(http://therapydog-a.org/)まで。
ITDAに所属する専門のセラピードッグとは別に、一般家庭の愛犬たちもセラピードックの訓練を受けています。 「うちのワンちゃんにも何かできるはず」 「家族のため、社会のために何か役に立ちたい」 「おじいちゃん、おばあちゃんの話し相手になって欲しい」 みなさんそんな思いで参加されています。 今回は30人近いみなさんが集まりました。参加は初めての方ばかりです。 まず協会の活動を紹介するビデオを見ます。 その後、国際セラピードッグ協会代表の大木トオルさんからお話しをうかがいました。
トレーニングの様子
毎年、全国の12.000名の高齢者や障がい者のみなさんがセラピー活動を受けているそうです。 一般の方向けの訓練会は10年ほど前からスタートし、これまで延べ350頭の愛犬たちが参加しています。そして協会のスタッフのみなさんの訓練を拝見した後、訓練に参加しました。 大木代表のお話の後、協会のスタッフの方による模範訓練をじっくり見学。
ポイント
今回の訓練は、コール(指示)、歩行マナー、リーシ(リードと言っているもの)コントロールなど、初歩的なトレーニングの一部を行いました。
ポイント1.指示はわかりやすく、はっきりと、落ち着いて
どんなコールも落ち着いたはっきりした口調で出しましょう。 何度も同じコールを連呼すると、愛犬たちにとっても指示の内容がわからずに混乱してしまいます。 できるだけコールは短く、はっきりとしましょう。
ポイント2. ほめて育てる
トレーニングで大切なのはコールに従うことができて初めてほめることです。できたことをほめ、愛犬たちの良いところを伸ばしていきます。できていないのにほめてしまうと、トレーニングもうまくいきません。 また「なぜほめられたか」がわかるように行動の直後にすぐほめてあげましょう。愛犬の名前を呼びながらほめるとより効果的です。
ポイント3.失敗で終わらせず必ず成功させて終える
トレーニングが進むにつれ、内容が難しくなり、失敗することもあります。 その場合は、失敗したところで終わりにせず、必ず成功できるトレーニングをさせ、ほめて終らせるようにしましょう。 ほめられることでトレーニングが楽しいものと感じるようになります。
さらに訓練が進むと、車いすマナー、ケイン(杖)を使った歩行の補助、階段の上り下りのお供、ケージに入るマナー、ベッドでのふるまいなどのトレーニングに進みます。 関心のある方は問い合わせてみてはいかがでしょう。
一般財団法人国際セラピードッグ協会(Tel.03-5537-2815 Fax.03-5537-2817)
車いすを使ったトレーニングも体験しました。 ほめて育てることで、愛犬もトレーニングが楽しいものだと思うようになります。
どんなワンちゃんになってほしいですか?
「マナーを身につけて立派な犬に育てたい」 「トレーニングを受け、家族の一員としてみんなを元気にしてもらいたい」 「セラピードッグに育て、社会貢献したい」 愛犬にトレーニングを受けさせる目的を参加者の皆さんに質問してみると、さまざまな思いを聞くことができました。 なかでも高齢者がいる家庭では、リハビリのお供や話し相手になることを期待しているようです。 人の役に立つ喜びをぜひ愛犬といっしょに体験してみてください。 トレーニングを通じて愛犬とのきずなをさらに強めることができます。
ご協力いただいた団体
一般財団法人国際セラピードッグ協会
東京都中央区銀座8-11-13 エリザベスビル4F TEL:03-5537-2815