終活の最終ステップ、最期の医療の選択、供養の決め方、そして現実的な経済的備えを、感情論ではなく具体的な方法論として分かりやすく解説します。
「最期の選択」に迷子にならないために。家族で話すべき3つの究極の問
前回の記事で、あなたは『うちの子ノート』を作成し、緊急時の情報整理を完了させましたね。その行動力こそが、愛するワンちゃん・ネコちゃんへの最高の愛情表現だと、わたしは思います。しかし、終活の柱の中でも、多くの方が最も目を背けてしまうテーマ、それが「最期の医療と看取り」です。わたし自身、過去にこの決断を先送りにし、深い後悔を経験しました。だからこそ、今、安心のために向き合うことが大切なのです。
このテーマは、「延命治療の意向」「看取りの場所」「安楽死の選択肢」の3つの究極の問いに集約されます。
まず、ご家族やパートナーと、「もし治る見込みがない病気になったら、どこまで延命治療を望むか?」を具体的に話し合ってください。この話し合いをノートに記録することで、急な事態に際しても、飼い主さん自身がパニックにならず、ペットにとって最良の選択ができる「愛の羅針盤」となります。獣医師さんとの対話も、この話し合いを基に進めることで、迷う時間を減らせるにちがいありません。
感情を支える「供養の選択」。迷いを生まないための3つの決定事項
「お別れ」の後、ペットが安らかに眠る場所を決めることは、残された飼い主さん自身の悲しみを乗り越え、心の平穏を取り戻すために欠かせない「愛のバトン」です。この供養の選択も、「何から手をつけていいか分からない」と戸惑うことのないよう、3つの決定事項に絞ってご紹介します。
1. 火葬方法の決定(個別 or 合同)
- 個別火葬:うちの子だけを火葬し、遺骨を自宅に持ち帰ることができます。手元供養を望む方に最適です。
- 合同火葬:他のペットと一緒に火葬するため、費用は抑えられますが、遺骨は返却されません。
2. 供養場所の決定(手元 or 霊園)
- 手元供養:自宅に遺骨を置いて供養する方法。いつまでもそばにいたい方におすすめです。
- 霊園・納骨堂:他のペットと一緒に供養されるため、日々の管理が不要です。
3. 事前相談の実施
後悔のないように過ごすためには、自宅近くのペット霊園や供養業者に、ペットが元気なうちに料金や対応について事前に相談しておくことが重要です。実際に足を運び、業者の対応や施設を見ることで、「これで大丈夫」という確かな安心感を得られるにちがいありません。
安心を生む「経済的な備え」。シニア期の医療費への具体的な積立
終活の最終ステップであり、最も現実的な課題が「経済的な備え」です。シニア期のワンちゃん・ネコちゃんは、医療費が急増します。環境改善のための費用も含め、「お金の不安」を解消することが、最期まで心のこもったケアを続けるための大前提です。
1. 医療費の積立貯蓄
シニア期(7歳以降)に入ったら、毎月一定額(目安として月5千円~1万円)を「うちの子専用の医療費口座」に積立貯蓄することをおすすめします。ペット保険に入っていても、高齢になると保険料が上がる、全額カバーされないなどの問題があります。この積立は、大切なうちの子への最高の予防医療にも繋がります。
2. 「ペット信託」と「遺言書」の活用(もしもの時の法的備え)
もし、飼い主さんご自身に万が一のことがあった場合、「ペット信託(家族以外の第三者に愛猫の面倒を見てもらう費用と権利を託す契約)」や「遺言書(飼育費用の相続)」を検討することで、うちの子の生涯の安心を法的に担保できます。複雑な手続きは後回しにして構いませんが、信頼できる親族や友人との間で、「誰に託すか」という意思確認だけは済ませておきましょう。。
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まとめ
ペットの終活は、愛するワンちゃん・ネコちゃんへの最高の愛情表現。まずは「心構え」を持ち、今日の健康状態を知るための「健康記録」を始め、最期の瞬間までを輝かせる「やりたいことリスト」から実行してみてください。



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