いざ犬を飼おう!と決めると、どんな犬種にしようかなど考えることはたくさんありますね。でもまず考えないといけないのは、犬をどこで飼育するかという点です。
それぞれのご家庭の生活環境にもよって違ってくると思いますが、飼育場所によって犬種も考慮しなくてはならない場合が出てきます。今回は、室内飼いと室外飼いの違いについて詳しく紹介していきます。
室外飼いのメリットとデメリット
犬を室外飼いする際の、メリットとデメリットをいくつか紹介していきます。
メリット
本来の環境に近いところで生活が送れる
本来犬は洞窟のような場所で、群れを作って生活をしてきた動物です。産まれた時から室内で生活している犬も、その頃の本能はDNAの中に刻み込まれていますので、フローリングの床よりも草むらや土の上を好む場合が多いです。
室外での飼育は犬本来の生活環境に近い為、気候の良い日には日光浴をしながら伸び伸びと外の空気を満喫しながら過ごすことが出来ます。
番犬として活躍してくれる
犬は元々縄張り意識が強いのですが、室外で飼育している犬はそれが更に強くなり、自分と飼い主さんのテリトリーである家を守ろうとする意識が強く働きます。
その為、見知らぬ人が家に近付こうとすると、「勝手に縄張りに近寄るな!」という気持ちでその人に向かって吠えてくれますので、家を守る立派な番犬として大活躍してくれます。
デメリット
コミュニケーションが不足しがち
毎日の散歩を欠かさず行っていても、室外での飼育では生活空間が違うため、どうしてもコミュニケーション不足にはなってしまいます。
夜間には雨戸やシャッターを閉める習慣があると、外に居る犬の様子は全く分からなくなり、何か細かい変化があったとしても気が付きにくくなってしまいます。
衛生面(きれいに保つの)が大変
雨風をしのげる犬小屋があったとしても、室外飼いの犬は24時間外で過ごすのですから、被毛などは自然と汚れてしまいます。
定期的にシャンプーを行ってあげても、その後直接地面に座ったり寝転がったりしてしまうので、キレイにしてあげてもあっという間に汚れてしまいます。
1頭での室外飼いは本来の姿とは違う
室外での飼育は環境的には犬本来の生活環境に近いのですが、1頭飼いの場合にはそれは大きく違うことになります。
犬は基本的に群れで生活をしながら、家族を守り守られながらお互いを労わって生活してきた動物です。それが1頭のみでの室外での生活では、自分だけで室内にいる家族を敵(怪しい人など)から守らなければならず、常に神経を張り詰めることになってしまいますのでなかなか気持ちが休まりません。
そのストレスから、無駄吠えをするようなこともあります。
室外飼いで気を付けること
予防接種を欠かさず行うこと
室外には、野良猫やそれ以外の野生動物がたくさん生息しています。これらの動物たちは、犬にも感染してしまう病原菌を持っている場合があります。
犬が食べ残した餌を狙って近付き、その時に感染してしまう可能性もありますので、病気予防の為にも必ず予防接種を受けておく必要があります。
脱走・迷子など
犬を繋いでいるリードが知らないうちに緩くなっていたり、散歩後にきちんと繋いでいなかったりなど、室外飼いの場合には犬が脱走して迷子になってしまうことはよくあります。
しっかりと繋いでおくことは大前提なのですが、万が一脱走をしてしまっても迷子札を首輪につけておけば、保護してくれた方や警察から連絡が入り、無事に帰ってくることが出来ます。
庭の植物に注意
人間が触れても全く害にならない植物でも、犬にとっては毒になる植物がなかにはあります。
特に球根系のものは犬にとってはあまりよくありませんので、土を掘る癖のある犬の場合には、犬が届く範囲には絶対に植えないようにしてください。
それ以外にも犬の身体によくない植物は多々ありますので、何か植える時には犬に害はないのかを必ず調べてからにしてください。
室外飼いで準備しておくもの
犬小屋、フェンスや柵など
室外で犬を飼う場合には、雨風から身を守り夜にはゆっくりと休むことの出来る犬小屋が必要です。
その他には、フェンス越しでも外を歩く人に触れてしまいそうな場所に犬が居るのだとしたら、思わぬトラブルに発展しないように柵や目隠しでガードをする必要があるかもしれません。
また、玄関やポストなどにも犬が届いてしまう恐れがあれば、来客に飛び掛かったりしないように柵を置く必要も出てくる可能性もあります。
虫よけグッズ
夏場には犬の吐く二酸化炭素に反応して蚊がよってきてしまいます。蚊を媒介とする病気もありますので、犬小屋の近くに蚊や他の虫がこないように、犬用の虫よけグッズを使用してあげてください。
室内飼いのメリットとデメリット
犬を室内飼いする際の、メリットとデメリットをいくつか紹介していきます。
メリット
コミュニケーションが濃厚
犬が人間と同じ室内に居るということは、室外で飼育するのと比較したら当然コミュニケーションは濃厚になります。
常に目の届く範囲に犬が居るのですから、飼い主さんもついかまいたくなってしまいますので、犬と遊ぶ時間や話しかけてあげる回数も多くなっていきます。
衛生面が良い
室内飼いということは人と同じ空間で生活をすることになりますので、飼い主さんも自然と足の汚れや被毛の汚れを気にするようになります。泥汚れや砂埃なども散歩の時以外には付着することはありませんので、衛生面では室外飼いとは大きく違いが出てきます。
しつけがしやすい
犬のしつけは、タイミングと繰り返し行うことが大切です。同じ室内に居れば、犬の行動もすぐに目に付きますのでしつけを行いたいタイミングを逃さずにトレーニングをすることが出来ます。
犬がしてほしくない行動を取った時にも、その場ですぐに叱ることが出来ますので、犬も覚えが早くなります。
デメリット
掃除が大変
犬の身体は被毛に覆われていますので、短毛種であっても被毛はどうしても抜け落ちてしまいます。換毛期を持つ犬種にいたっては、換毛の時期には驚く程の被毛が抜けますので、1日に何度も掃除機をかけなければならない時も出てきます。
抜けた被毛は洋服などにも付着しますし、掃除の手間が増えるのは確実です。
犬から飼い主さんへの感染症のリスク
人から犬に感染する病気というものがいくつかあります。口移しで食べ物をあげたり、自分の箸から直接食べ物を与えたりするなどの過剰な接触をしなければそうそう感染するものではありませんが、同じ室内で生活をしている以上、絶対に感染しないとは限りません。
室内飼いで気を付けること
予防接種を欠かさず行うこと
室内飼いだから予防接種は必要ないと思われる方が多いようですが、散歩やその他の用事で外出をすることはありますし、飼い主さんが外で他の動物と接触をすることもあります。
その時に何かしらの菌を持ち帰ってしまうこともあるかもしれませんので、室内飼いであっても病気予防の為の予防接種は欠かさず行うようにしてください。
人間の食べ物などの誤飲・誤食
人の食べる物の中には、犬が食べてしまうと身体に悪影響を及ぼし、最悪の場合は死んでしまうものもあります。
よく起こる誤食事故としては、お子さんがおやつの食べ残しを放置してしまい、それを犬が食べてしまったという事例です。
美味しそうな匂いがすれば犬は興味を持って食べてしまいますので、犬が同じ室内に居ることを忘れずに食べ物は常にきちんと管理をしておく必要があります。
室内飼いで準備しておくもの
ハウス
犬をお留守番させる時や、夜間の就寝時に過ごす場所として用意します。
ハウスの中に犬を閉じ込めるというのではなく、安心して過ごすことの出来るテリトリーとして決まった場所を与えるほうが、犬は落ち着いて過ごすことが出来ます。
サークル
室内で放し飼いにする場合には、サークルなどを利用すると入って欲しくない場所にはいかず、その中だけで遊ぶことが出来ます。
サークルは柵の部分を取り外せるタイプの物を用意すると、つい立てのようにして利用することも出来ますし、ハウスに入れる程ではないけれどチョコチョコして欲しくない時に、一時的に犬をそこに入れておけますので急な来客の時などは便利に活用出来ます。
トイレシート
雨や雪など天候次第では、排泄のために散歩に行くのは大変なこともあります。老犬になれば外にいくことも難しくなってしまう場合もありますので、トイレトレーニングは子犬のうちにしておくのがおすすめです。
室内でトイレをする場合には、トイレシートは消耗品として必須アイテムになります。
消臭剤
定期的にシャンプーなどを行っても、どうしても犬の匂いはこもってしまいます。一緒に生活していると分かりにくいのですが、お客様などは匂いを敏感に感じとってしまうかもしれません。
あまりきつい消臭剤を使用すると逆効果になってしまいますので、無臭や微香程度の消臭剤をおいておくようにすると、室内の匂いもだいぶ違います。
まとめ
犬を室外で飼う場合と、室内で飼う場合の違いについて紹介してきました。
最近は、犬は番犬というよりも家族の一員としての考え方が強く、大型犬でも室内で飼育する人が増えてきています。ただし、室外での飼育がよくないという訳ではなく、環境をきちんと整えてあげれば室外での飼育も問題はありません。それぞれの生活環境に合わせて最適な方法を考えてみてください。
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