年末年始に向けて愛犬との旅行や帰省、とっても楽しみですよね!
でも、長時間の車移動や初めての場所で、うちの子は大丈夫かな…と心配になる飼い主さんも多いのではないでしょうか?
僕も愛犬とのキャンプが大好きなので、そのお気持ち、本当によく分かります。
新しい場所でのワクワクと、愛犬への心配が入り混じる、そんな複雑な気持ちになりますよね。
そんな飼い主さんのために!この記事では、僕がドッグトレーナーとして培ってきた知識と経験をもとに、愛犬が心からリラックスして、飼い主さんと一緒に旅を楽しめるようになるためのヒントを、一つ一つ丁寧にお伝えしていきますね。きっと「これなら私にもできそう!」と思っていただけるはずです。
「あれ?いつもと違うぞ…」愛犬が旅で不安になる理由

愛犬が旅先でいつもと違う様子を見せるのは、決してわがままからではありません。彼らなりに、慣れない環境に一生懸命適応しようとしている証拠なのですよ。愛犬の目線で、なぜ旅で不安を感じるのか、一緒に考えてみましょうね。
車の中は「なんでここにいるの?」って思ってるかも?
愛犬にとって、車はいつもと違う環境ですよね。揺れ、閉鎖された空間、気圧の変化、そして窓から流れる見慣れない景色…。
これらは愛犬にとって、予測できない刺激の連続なんです。まるで、僕たちが初めて宇宙船に乗るような感覚かもしれませんね。
過去に車に乗って病院に行った経験があると、「また嫌な場所に連れて行かれるのかな…」と不安を感じることもあります。
知らない場所は「ここ、安全かな?」と警戒心がいっぱい
自分のテリトリーではない場所では、愛犬は本能的に強い警戒心や不安を抱きます。新しい匂い、音、初めて会う人や動物…。
一度にたくさんの情報が押し寄せると、情報過多で興奮してしまったり、逆に不安で隅っこに隠れてしまったりすることもあります。安全な場所が確保されていないと感じると、落ち着いて過ごすことができません。
飼い主さんがいつもと違う雰囲気でいることも、愛犬にとっては「何かあったのかな?」と不安材料になるのです。
「助けて!」愛犬からのSOSサインを見逃さないで
愛犬は言葉を話せませんが、体全体で「助けて!」のサインを出しています。
例えば、舌を出してハアハアするパンティング、体が震える、よだれがたくさん出る、下痢や嘔吐、食欲がない、普段はしない粗相、過剰に吠える、唸る、または逆に過剰に甘えたり、隠れたりする…これらは全て、ストレスや不安を感じているサインかもしれません。
これらのサインを早めに察知してあげることで、愛犬を安心させてあげられます。
良かれと思って…実は「逆効果」だったかも?飼い主さんのNG行動

飼い主さんは、愛犬のために良かれと思って行動しているはずです。
でも、もしかしたら、その行動が愛犬の不安をかえって大きくしてしまっているかもしれませんね。
僕たちが陥りがちなNG行動と、その理由についてお話しします。
いきなりの長旅は「心の準備ができてないよ!」ってサイン
「せっかくだから、いきなり遠出を!」と計画したくなりますが、愛犬にとっては予期せぬ大きな変化。
心の準備ができていないまま長距離移動に連れて行かれると、不安が大きく膨らんでしまいます。
僕たち人間も、急な出張で知らない場所に放り込まれたら戸惑いますよね。愛犬も同じなのです。
車で怒られると「車は嫌い!」になっちゃうかも…
車内で愛犬が落ち着かないからといって、叱りつけてしまうのは逆効果です。「車に乗ると嫌なことが起こる」と愛犬が関連付けてしまい、車嫌いを助長してしまいます。それに、運転中に愛犬を叱ることに集中してしまっては、交通事故の原因にもなりかねません。危険な状況は避けたいですよね。
「大丈夫?」の声が、かえって不安を大きくする理由
愛犬が不安そうにしていると、つい「大丈夫だよ」「怖くないよ」と優しく声をかけたり、抱きしめたりしたくなりますよね。でも、実は飼い主さんが心配していることを感じ取り、「やっぱり何か不安なことがあるんだ!」と愛犬自身の不安を助長させてしまう場合があるのです。飼い主さんは落ち着いて、毅然とした態度で接してあげることが大切なのです。
「今日は特別!」とルールを緩めるのは混乱のもと
旅行先では「今日は特別だから」と、いつものルールを無視して甘やかしてしまうことがあるかもしれません。
でも、愛犬は「あれ?いつもと違うぞ?」と混乱してしまいます。一貫した対応は、愛犬に安心感と安定感を与えます。ルールをしっかり守ることで、愛犬は「ここは安全な場所だ」と理解しやすくなるのです。
「これなら私にもできそう!」安心できる旅のための準備とトレーニング

ここからは、愛犬が安心して旅を楽しめるようになるための具体的な準備とトレーニングについてお話ししますね。焦らず、愛犬のペースに合わせて、一つずつ進めていきましょう。
ステップ1:『車って楽しい場所なんだ!』愛犬が喜ぶ移動トレーニング
車移動に慣れることは、旅の成功の第一歩です。焦らず、愛犬のペースで、少しずつステップアップしていきましょうね。
・車は楽しい場所と教える
まずはエンジンをかけずに車内で過ごし、おやつを与えたり、遊んだりして車を良い場所と関連付けます。
例えば、お気に入りのおもちゃで遊んだり、特別なおやつをあげたり。「車の中は楽しいことが起こる場所」というポジティブなイメージを、愛犬に持たせてあげましょう。愛犬は、経験と感情を結びつけるのが得意です。
車内で楽しい経験を積み重ねることで、車に対する抵抗感を減らしていくことができますよ。
・短い距離から徐々に慣らす
車に慣れてきたら、エンジンをかけた状態で短時間移動を試してみましょう。
まずは近所の公園や、愛犬が喜ぶ場所(ドッグランなど)へ。最初は数分でも大丈夫です。移動中は優しく声をかけたり、落ち着いて座っていることを褒めてあげたり。徐々に距離と時間を伸ばしていきます。
予期せぬ長時間の移動は愛犬にとって大きなストレスです。少しずつ経験を積むことで、「車に乗ると良いことがある」というポジティブな経験を積み重ねていくことが大切なのです。
・安心できるクレート・キャリーを活用する
車酔い軽減と安全確保のため、体に合ったクレートやキャリーを用意し、普段からその中で落ち着いて過ごす練習をしておきましょう。愛犬の匂いのついた毛布などを入れてあげると、より安心できます。
車内では、クレートをしっかり固定してあげてくださいね。クレートは愛犬にとって「自分の巣穴」のような安心できる場所です。車内という不安定な環境でも、慣れたクレートがあることで落ち着きやすくなります。
また、急ブレーキなどの万が一の際にも安全を確保できます。
・休憩は頻繁に!
長距離移動時は、1〜2時間おきに休憩を取りましょう。車から降りて、排泄や水分補給、軽く体を動かす時間を作ってあげてください。愛犬の気分転換にもなりますし、車酔いの予防にも繋がります。長時間同じ姿勢でいることや、揺れは愛犬にとって大きな負担です。休憩を挟むことで、心身のリフレッシュになり、ストレスを軽減できます。
・車酔い対策も忘れずに
移動の数時間前までに食事を済ませることで、車酔いを軽減できることがあります。もし心配な場合は、かかりつけの獣医さんに相談して、酔い止め薬を検討してみるのも良いでしょう。
事前に準備しておくことで、飼い主さんも安心できますよね。空腹でも満腹でも車酔いは起こりやすいですが、移動直前の食事は吐き気を誘発しやすいです。酔い止め薬は、獣医さんの判断のもと、愛犬の体質に合わせて使うことで、不快感を和らげることができます。
ステップ2:『ここなら安心だね』新しい場所で落ち着くための工夫
旅先でも愛犬がリラックスして過ごせるように、いくつかの工夫をしてあげましょう。愛犬のペースを大切にしてくださいね。
・安心できる「お部屋」を作ってあげる
普段使っているクレート、ベッド、毛布など、愛犬の匂いがついたものを持参しましょう。滞在先に、愛犬専用の安心できる場所を作ってあげてください。そこにいる間は誰も邪魔しない、特別な場所にしてあげることがポイントです。慣れない場所でも、自分の匂いのついたものや慣れた空間があることで、愛犬は強い安心感を得られます。これは「自分のテリトリー」という感覚に近いものなのです。
・いつものルーティンをできるだけ維持する
食事や散歩の時間を可能な限り普段と同じにすることで、愛犬は安心感を覚えます。いつもと違う場所でも、いつものリズムがあることで、「いつもの生活と変わらないんだ」と理解し、落ち着きやすくなります。愛犬はルーティンを大切にする動物です。予測可能な日常があることで、精神的な安定を得られます。旅先でもそのルーティンを保つことで、不安を軽減してあげられます。
・環境への慣らし方は「ゆっくり、じっくり」
新しい場所に到着したら、まずはクレートやリードに繋いで落ち着かせ、周囲の環境にゆっくり慣れさせる時間を与えます。すぐに色々な場所へ連れて行ったり、無理に他の人や犬と交流させたりせず、愛犬のペースに合わせてあげましょう。急な環境の変化は、愛犬を興奮させたり、逆に委縮させたりします。段階的に慣らすことで、新しい情報に順応する時間を与え、ストレスを最小限に抑えることができます。
・飼い主さん自身がリラックス!
愛犬は飼い主さんの気持ちにとても敏感です。飼い主さんがリラックスして落ち着いていることが、愛犬の安心に繋がります。僕たちが「大丈夫!」という気持ちでいると、愛犬も「大丈夫なんだ!」と感じてくれるものです。
愛犬は飼い主さんの表情や声のトーン、体の動きから多くの情報を読み取ります。飼い主さんの不安は愛犬の不安を増幅させ、飼い主さんの落ち着きは愛犬に安心感を与えます。
ステップ3:旅の準備は『宝物』探しから!愛犬が喜ぶ持ち物リスト
旅を快適に過ごすためには、事前の準備がとても大切です。忘れ物がないように、チェックリストとして活用してくださいね。
・クレート/キャリーバッグ(普段から慣らしておく)
・リード、ハーネス(慣れたもの)
・高嗜好性のおやつ、長く楽しめるおもちゃ(コングなど)
・水、水飲み容器、普段使っている食器
・普段使っているベッド、毛布(匂いのついたもの)
・排泄シート、ビニール袋、消臭スプレー
・常備薬(酔い止め、整腸剤など、獣医と相談して準備)
・鑑札、狂犬病予防接種済票、迷子札(連絡先記載)
(必要であれば)ペット同伴宿泊施設での規定確認書やワクチン接種証明書
まとめ
愛犬との旅は、準備がとても大切ですが、何よりも『愛犬と一緒に楽しむ』という気持ちが一番大切です。
もし新しい場所で粗相をしてしまっても、決して叱らないでくださいね。愛犬も困っているサインかもしれません。淡々と片付け、正しい場所へ誘導することを繰り返しましょう。きっと理解してくれますよ。
小さな成功をたくさん褒めてあげることが、愛犬の自信に繋がります。車に乗れた、クレートで落ち着けた、新しい場所で排泄できた…どんな小さなことでも「よくできたね!」と褒めてあげることが何よりのご褒美です。
もし不安なことや困ったことがあれば、出発前にかかりつけの獣医さんや僕のようなトレーナーに相談してくださいね。
特に、攻撃性が高い場合や、身体的な不調が疑われる場合は、無理せず専門家や獣医師に相談してください。
早めの準備が成功の鍵です!
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