犬と室内で暮らしている飼い主さんは、愛犬をハウスに入れてお留守番させていますか?それともお部屋の中を自由に動けるフリーの状態でお留守番させていますか?お留守番がかわいそうだからと、愛犬と片時も離れない暮らしが、余計にお部屋の中をフリーの状態でお留守番できなくなってしまう原因かもしれません。
今回は、お留守番をハウスで行うか、フリーで行うかについての調査結果と、それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
多いのはハウス派?フリー派?
犬と暮らす中で、お留守番は「ハウス」をさせるのか、「フリー」にさせるのかというのは、各家庭のしつけの方法や考え方によって異なります。実際のところはどうなっているのか、飼い主さんの声からデータを集計してみました。
お留守番の方法についてのアンケート結果
DOGPADでは、143名の愛犬家の皆様にご協力いただき、愛犬にお留守番をさせる際にハウスをさせているか?それともフリーにさせているか?についてのアンケート調査を行いました。その結果は…
お留守番の方法についてのアンケート調査
愛犬をフリーの状態でお留守番させている・・・64%
愛犬をハウスの状態でお留守番させている・・・36%
(総投票数143票・facebookアンケート DOGPAD調べ)
アンケート結果から、およそ半数以上の飼い主さんが、愛犬をお部屋の中を自由な状態でお留守番させている「フリー派」が多いことがわかりました。しかし、「ハウス派」の飼い主さんが決して少ないわけではなく、各家庭の事情や、お留守番の時間によっても時にはハウスさせることが必要なケースも考えられるでしょう。
ハウスでお留守番のメリット・デメリット
愛犬をケージやサークルの中に入れてお留守番させる「ハウス」は、ワンちゃんの行動を制限できるので、事故やいたずら防止には最適です。
ハウスのお留守番のメリット
ハウスでのお留守番は犬の行動を制限できるなどのメリットがありますが、トレーニング方法や飼い主さんの行動によってはハウスに入らなくなる、愛犬が分離不安症になってしまうというデメリットもあります。
部屋の中を荒らしたり、いたずらの予防となる
お留守番中の思わぬ事故を防ぐことができます。
誤飲の防止
破壊行動だけであれば良いですが、家に帰ったら愛犬が何を食べたかわからないという事態を避けることができます。
ハウスやサークルに慣れれば精神的に安定した状態でお留守番ができる
ハウスやサークルが安全な場所である、飼い主さんがそのうち帰ってくると犬が認識することで、精神的に落ち着いた状態でお留守番をさせることができます。
急にハウスが必要になった時に、犬がパニックを起こさない
急に入院が必要になった場合や、どうしてもハウスやケージに入ってもらわなければならない状況になった時に、普段からハウスやケージに入ることに慣れていれば、犬がパニックを起こさずに狭い場所にとどまることができます。
災害時も安心
災害時は、ペットケージに入ることが避難の条件となる場合もあります。その時に一度もケージに入ったことがない犬は、極度の不安やストレスを感じてしまうでしょう。ケージに慣れていれば緊急事態が起こっても安心です。
ハウスのお留守番のデメリット
寂しくて吠える可能性がある
寂しさから犬がお留守番中に吠え続けて、近所迷惑となっている可能性があります。
犬にストレスがかかり、精神的に不安定になる可能性がある(分離不安になる可能性がある)
お留守番が退屈で犬にストレスがかかり、ハウスやケージ中で手足をずっと舐める、からだを噛む、尻尾を追いかけるといった行動や、日常でもトイレを失敗したり、精神的に不安定になる可能性があります。
また、適切な「ハウス」のしつけを行わないと、分離不安症の症状が強く現れることもあります。飼い主さんが毅然な態度をとり、甘えと対処方法の見極めに加えて、適切なトレーニングを行うことが必要です。
長時間のお留守番は、排泄ができないと犬のからだに負担がかかる
犬はきれい好きな動物です。長時間のお留守番では、居住スペースとトイレを分けて、寝る場所とトイレの場所を作ってあげることで安心して排泄をすることができます。ハウスの中でトイレを長時間我慢させると、犬のからだに負担がかかってしまうので、病気を防ぐためにもトイレスペースの確保は必要です。
お水をきちんと飲めるようにしないと脱水や泌尿器の病気を起こす可能性がある
排泄の問題と同じく、犬の健康にはお水の摂取が必要です。犬は1日に体重の5〜7%の水分が必要と言われています。お水を飲まないお留守番が日常となると、脱水気味になるだけでなく、泌尿器系の病気にかかることもあるので、長時間のお留守番では、ワンちゃんが自由にお水を飲めるようにしましょう。
部屋のスペースを使ってしまう
飼い主さんの都合になりますが、ハウスやケージを設置すると、お部屋の中のスペースを使うことになるので、ハウスやケージが室内の見た目を悪く感じたり、邪魔に感じてしまうこともあるでしょう。
犬がお留守番を察してハウスに入らなくなる
お留守番から帰ってきた際には、犬のテンションをあげたり興奮させないようにして、しばらく無視をして、落ち着いてからフリーにすることをおすすめします。犬の興奮度が高まってお留守番への反応が強くなると、帰ってくると狂ったように喜んだり、お留守番を察してハウスに絶対入らないと頑固になる、吠えれば出してもらえると勘違いする可能性があります。
フリーでお留守番のメリット・デメリット
フリーでのお留守番は犬が自由に行動できるメリットと問題行動を起こすデメリットがあります。
フリーのお留守番のメリット
犬が好きな時に場所を移動できる
犬が好きなように室内を移動できるフリーでのお留守番は、犬にお留守番のストレスや飼い主さんと離れることのストレスが最小限で済むメリットがあります。特に高齢犬では、同じ体勢で長時間寝ていると床ずれができやすくなるので、自由に場所を変えて好きな場所にいられることは床ずれの予防にもなります。
いつもと同じ環境で犬が過ごすことができる
ハウスに入らずフリーでお留守番ができるようになると、愛犬がいつも同じ環境で飼い主さんが帰ってくるまで時間を過ごすことができます。排泄もいつも通りに自分のタイミングで行うことができます。
暑くても寒くても1ヶ所にとどまらず、場所を変えることができる
室温の変化に対応できるのもフリーのお留守番のメリットです。暑い夏は少しでも涼しいところを探し、寒い冬は少しでも暖かい日の当たる場所に移動するなど、1ヶ所にとどまらず移動できます。
フリーのお留守番のデメリット
破壊行動や部屋を荒らす可能性がある
飼い主さんがいなくなったと同時に室内を徘徊し始め、室内の家具や物を噛んだり、急に部屋の中を走り回ったり、ペットシーツをボロボロになるまで噛んだりする問題行動を起こす可能性があります。破壊されたら困るもの、誤飲されたら困るものは室内から移動させるようにしましょう。
思いもよらない事故や誤飲をする可能性がある
問題行動によって、ゴミをあさったり、室内の危険なものを誤飲する可能性があるので注意しましょう。
警戒心が強くなる
室内を自由に動き回るだけでなく、自分の身を守るために音に敏感に反応するようになったり、窓を見ていて人影が見えると吠えるというような、警戒吠えをするようになる可能性があります。
まとめ
犬のお留守番のさせ方やしつけの方針は、各家庭によってさまざまです。特に子犬は好奇心旺盛で、退屈になったらいろんなものを噛んでしまうかもしれません。もし子犬の頃からお留守番が多い環境で犬と暮らすのであれば、早期にケージやクレートトレーニングを行って、お留守番はハウスをするということを徹底し、ハウスが安全な場所であると学習させ、ハウスがストレスにならないようにしつけを行いましょう。
フリーのお留守番に犬が慣れると安心してお留守番をさせることができますが、最初から長時間のお留守番をさせると問題行動の原因となるので、必ず短い時間から練習をたくさん積んで、徐々にフリーでも長時間お留守番ができるように学習させていきましょう。
ハウス派でもフリー派でもどちらにでも言えることは、犬を分離不安にさせないこと、お留守番から帰ってきたら犬のテンションをあげないように飼い主さんが行動することが上手にお留守番をさせるポイントです。
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