「団地はペットNG」こんな概念が変わるかも?公社賃貸住宅SMALIO(スマリオ)を提供する大阪府住宅供給公社は、ペットと暮らせる「ペット共生住宅」の実現に向けて、新しい取り組みをスタートしました。今回、ドッグパッドでは「大阪府住宅供給公社」が進めている、団地の建て替えに伴うペット共生住宅の建設計画について取材を行いました。
大阪府住宅供給公社とは
大阪府住宅供給公社は、地方住宅供給公社法に基づき、大阪府が全額出資して設立した法人で、賃貸住宅や店舗、駐車場、賃貸土地の管理や運営を行っている法人です。
(引用参考:大阪府ホームページ「大阪府住宅供給公社について」)
ちなみに、大阪府住宅供給公社が提供する公社賃貸住宅SMALIO(スマリオ)は、府営住宅やUR賃貸住宅と間違われやすいですが、府営住宅(市営住宅)は、大阪府や各市町村が供給する公営住宅で、UR賃貸住宅はUR都市機構が供給する賃貸住宅になります。
大阪府住宅供給公社がペットと暮らせる共生住宅の団地づくりに取り組んでいる
大阪府住宅供給公社では、大阪府内の一部の団地でペットの飼育が可能(諸条件あり)となっていますが、現在、大阪府堺市北区新金岡町にある古くなった団地の建て替えに伴い(仮称OPHしんかな)「ペット共生住棟」の導入を目指しているそうです。
「ペットと共生できる団地」への取り組みとは?
今回、ドッグパッドでは、大阪府住宅供給公社に取材を行い「ペットと共生できる団地」についてお話を伺いました。
団地の建替事業をきっかけに「ペット共生住宅」の供給を目指すことに
――ペットと暮らせる団地「ペット共生住宅」の構想が生まれるきっかけは?
大阪府住宅供給公社:”ペット共生住宅”を供給するきっかけは、建替事業です。大阪府堺市内の金岡東団地、金岡東B 団地の建設から55年が経過し、老朽化や耐震性など現代の居住ニーズや住宅設備に対応できない状況となっていることから建替事業を実施することになりました。
本事業では「しんかなの住まいまちづくり」(堺市域地域居住機能再生調整会議)の基本方針を踏まえて、団地南側の教育施設や隣接の公園、緑道など緑豊かな住環境を活かして「ゆとりある環境で健やかに暮らす」ことをテーマとしています。
さらに、コロナ禍において働き方の多様化などにより在宅の時間が増えて、ペットを飼う世帯が増加したことで、賃貸住宅においてもペット飼育を認めるニーズが高まっていることから、一般住棟に加えてペット共生住棟を導入することで、ペットを介して入居者同士にも新たなコミュニケーションが生まれるような住宅の提供を目指しています。
ペット共生住宅の供給には多くの課題もある。
――ペットと暮らしたいという方の需要が増えてきているとのことですが、ペット共生住宅を供給するうえでの課題などはありますか?
大阪府住宅供給公社:課題としては、入居者はもちろんのこと、ペットも快適に暮らせる共生住宅であることを前提に、長く住んでいただくためにペットがいても傷みにくい室内設備やペットがのびのびと暮らせる共用部の設備といった住環境の整備が重要だと認識しています。
現在、大阪府住宅供給公社では企業向けに事業提案の公募を行っている
大阪府住宅供給公社では、現在、金岡東・B団地建替事業における、地区の良好な住環境を活かした若年の子育て世帯が住みたくなるような住宅やペットと共に快適に暮らせるような住宅の提供の実現に向けて、事業に参加する企業の公募(事業提案の募集)を行っています。
古くなった団地から、新しい団地へと生まれ変わる中で、ペットと一緒に暮らしたい方とそうでない方が同じ団地の敷地内でどのように共生することができるのか、こういったアイデアは、今回の団地の建替工事の大きなポイントになるようです。
大阪府住宅供給公社ホームページ 公募詳細:金岡東・B団地建替事業提案競技の実施について
大阪府住宅供給公社が求める事業提案
ペットと暮らす団地づくりではどんなことを考えて計画が進められていくのか、大阪府住宅供給公社が行っている公募の内容についてもお話を伺ってみました。
ペット共生住宅を供給するうえでの事業提案に求めていること
ペットと暮らせる団地(ペット共生住宅)の実現にあたって、ペットとともに安心して過ごせる間取りや設備、仕様などの工夫を求めているそうです。
例えば、
・ペットと飼い主が快適に生活できる間取りの提案
・鳴き声などの騒音対策として住戸内の遮音性能を向上させる提案
・尿や吐き戻しによる悪臭がしみこまない工法や仕様の提案
・ペットによる共用部の衛生環境の悪化を防ぐ仕様や設備、配置の提案など。
ペットを飼育する入居者と飼育しない入居者が屋外でも安心して過ごせる計画の工夫
団地の敷地内では、動物が好きな方もいれば嫌いな方もいます。ペット共生住宅が実現したら、ペットと暮らしている方もそうでない方も同じ敷地内を利用することになるはずです。こういったことも踏まえて犬と暮らす方向けにドッグランの設置も検討されているようで、ドッグランの計画も今回の公募で求められている部分だそうです。
例えば、
・衛生的な環境でペットに負担にならない仕様と魅力ある遊び場となるドッグランの提案
・ドッグラン内において飼い主同士が交流しながらペットを見守る設備とスペースの提案
・ペットが同行する際の通路は専用動線を確保するなど、安心してサブエントランスに出入りできる提案など。
犬たちの遊び場となるドッグランが併設された団地、犬と暮らす方やペット可物件を探している方、今後ペットを迎えたい方などにとって、とても魅力的な物件ですよね!
編集後記
ペットと暮らしたい方をターゲットにした団地づくりの計画によって人が集まり、新しいコミュニティを形成していくことは、団地づくりからまちづくりにもつながっていくのではないでしょうか。
「人とペットの共生」がテーマの団地づくりでは、動物が好きな人、苦手な人など、ペットを通じてそれぞれの多様性を互いに尊重し合うことも大切なこと。人にも動物にも優しい団地が完成する日が楽しみですね。
今回は、ペットと暮らせる「ペット共生住宅」の建設、団地づくりについてご紹介しました。
大阪府住宅供給公社 法人概要
住所:〒541-0042 大阪市中央区今橋2丁目3番21号
電話:06-6203-5450(企画課 企画・広報グループ)
取材協力:大阪府住宅供給公社経営戦略室 企画課 企画・広報グループ
ホームページ:https://www.osaka-kousha.or.jp/
インスタグラム:https://www.instagram.com/smalio.danchi/
facebook:https://www.facebook.com/osakakousha/
Youtube(公社賃貸住宅スマリオ):https://www.youtube.com/channel/UCACTvAzQD2XBytDob3vULAw
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