畳はワンちゃんの関節にとって優れた床材ですが、臭いや傷みのデメリットもあります。さらには、愛犬が畳の上で走れば、畳に爪の跡がついて、ボロボロになってしまうかもしれません。最近では犬用の抗菌、防水畳もあり、ペットを畳で飼育できると注目されているアイテムです。9月24日は「畳の日」ということで、今回は犬と暮らす環境に畳は適しているの?という疑問について考えます。
床材を畳にするメリットとデメリット
ワンちゃんと暮らす家庭では、床材選びは重要です。賃貸暮らしの場合犬がつけた床材の傷は、引っ越す際に補修が必要となることもあります。さまざまな素材や材質の床材の中でも、今までペットに最も適さないといわれていた素材の「畳」ですが、最近はペット用の畳も販売されるようになり、非常に注目されています。
犬とともに畳で暮らすメリット
ワンちゃんと過ごす部屋を畳にするメリットをご紹介します。
滑らない
フローリングやフローリングの上に薄いラグを敷いた場合は、非常に滑りやすいので、ワンちゃんの肘や膝、股関節といった関節に負担が大きく、関節を痛めてしまう犬もいますが、「畳」はフローリングに比べると滑りにくく、しっかりとした作りで衝撃を吸収します。さらに、ワンちゃんは人間の子供が靴下を履いたまま畳の上を畳の目に沿って、滑って遊ぶような動作をしないので、フローリングに比べると滑りにくいというメリットがあります。
クッション性がある
畳にはクッション性があるので、ワンちゃんの歩く足音を軽減する静音効果もあります。シニア犬など転びやすい犬も、フローリングの上に倒れてしまうよりかは、弾力があり、倒れた際に怪我をしにくいです。
防水や撥水性のあるペット用畳なら臭いも気にならない
近年注目されているのが、防水性のあるペット用の畳です。今までペットの飼育には適していないとされていた「畳」に、水分を吸い込まないレザー生地を採用しているので、拭き掃除も簡単でおしっこの臭いも気になりません。
さらに抗菌仕様にすることで、柔らかい素材で滑りにくく、ペットのからだに優しい安全な素材の畳で、引っかき傷がつきにくく、人間とペットが同じ畳の上でくつろげる画期的な畳を開発した畳があります。足が滑らず、拭き掃除もできる新しい畳はペットとの暮らしにおすすめの床材です。
おすすめの畳床材
■山中産業株式会社 わんにゃんスマイル畳(ペット用畳)
公式HP
犬とともに畳で暮らすデメリット
ペット用でない通常の畳でペットと暮らすとデメリットが多いです
畳が傷つきやすくなる
ワンちゃんの中でも特に大型犬の場合、畳の上で遊ぶ、走るといった動作は、畳に傷をつけ、爪の跡がしっかり残ってしまったり、傷んで見た目が悪くなります。長期間張り替えることなく、そのまま過ごした畳の場合は、ボロボロになって畳からくずが出てくることもあります。
畳の破片をワンちゃんが誤飲してしまう危険性がある
畳のお部屋でワンちゃんと暮らす場合は、傷んだ畳から出たくずを誤飲したり、お留守番中に、畳を噛んで破壊してしまうことや、畳を舐めてしまう危険があります。古い畳や、締め切りの部屋の畳はカビやすいので、犬がカビを舐めないように注意することも必要です。
臭いがつきやすい
ワンちゃんを畳の上で飼育することで、問題となるおそらく1番のお悩みは「畳の臭い」でしょう。ワンちゃんのからだの臭い、おしっこやうんちの失敗で染み込んだ畳の臭いは強烈です。ペット臭がついた畳は消臭剤を使ってもなかなか臭いを落とすことができません。
掃除やお手入れが大変
畳は、イグサが水分を吸い込むので、おしっこやうんちをした際のお掃除が大変です。日常のお掃除では掃除機と乾拭きをして、1年に2回程度季節の変わり目に天日干しを行いダニやカビの発生を予防します。
犬と暮らす環境に畳は適しているの?
アレルギーを持たないワンちゃんであれば、畳自体は優れた床材です。フローリングに比べると滑りにくく、クッション性があり、ワンちゃんの足腰に適している素材といえるでしょう。
しかし、畳はペットと暮らすと傷んでボロボロになりやすいことに加えて、アンモニアなどのペットの臭いを吸いやすいので、粗相の際にはすぐにお掃除を行い消臭する対策が必要です。こういった面を考えても、ペット用に開発された畳はこれらの悩みをクリアできるのでおすすめのアイテムです。
畳がすぐに傷まないようにする方法
家に畳の部屋があってワンちゃんと暮らしている場合、畳が痛まないようにする方法をいくつかご提案します。
- ワンちゃんを和室に入れない
- 犬が畳を掘ったり、噛んだりしないようにしつけを行う
- 水拭きを頻繁に行わない、濡れ雑巾を使う場合は固く絞りゴシゴシ拭かない
- 畳の上で粗相をさせないようにする
- 畳の上で引っ張り遊びやボール遊びを行わない
- 掃除機や乾拭きは目に沿って優しく行う
- ペット用の畳に張り替える
トイレのしつけをしっかりしておく
畳の上の排泄の失敗は、畳が傷んだり悪臭を放つ原因となります。畳におしっこのアンモニアや、ウンチの雑菌を吸い込ませないためには、愛犬のトイレのしつけをしっかりと行っておくことが大切です。
万が一畳の上でトイレをしてしまった時の対策方法
いつもはちゃんと決まったトイレの場所で排泄ができるのに、万が一失敗をしてしまった場合は、素早くペットシーツをおしっこの上に優しくかけて水分をペットシーツに吸収させます。この時ペットシーツを踏みつけたり、上から押し付けると、畳のイグサの方に水分を押し付けることになるので優しく吸収できる分だけを吸い取ります。
残った水分は、塩や小麦粉、ベビーパウダーなどをふりかけて水分を吸い取らせてから掃除機で吸い取って処理をします。その後、お湯で濡らして固く絞った雑巾で目に沿って優しく拭き取り、最後に乾拭きを行います。
犬が畳を掘る・かじるときの対策方法
ワンちゃんが畳を掘ってしまう、かじってしまうという場合は、ワンちゃんに掘る隙や噛む隙を与えないように、飼い主さんと一緒に違う遊びをして畳から興味をそらすべきでしょう。お留守番の間にいたずらしてしまう場合は、ケージやサークルに入れてお留守番させるしつけも必要です。
畳の上にカーペットを敷く方法もありますが、敷いたままにしておくと、畳が湿りやすくなってダニやカビが発生するので、敷きっぱなしということがないようにしてください。ワンちゃんと遊ぶ時にだけプレイマットを敷くのであれば問題ありません。ただし、畳の上に敷く素材は犬が滑らないもので、かつ、裏に滑り止めがついているなど、犬の関節に配慮したものでないとワンちゃんが大怪我をする可能性があります。
まとめ
畳はペットのからだには適している床材ですが、多くのデメリットがあります。特に畳はペットの臭いやトイレの臭いを吸いやすく、お掃除を行なっても臭いが消えにくいです。しかし、ペット用の畳であれば、ワンちゃんの関節の問題もクリアでき、滑りにくく、お掃除も楽に行え、抗菌作用でペットの臭いも軽減することができます。
和室でペットと暮らしている方で、フローリングにリフォームできない場合はペット用畳への交換がおすすめです。ワンちゃんにも人間にも優しい、お手入れ簡単のペット用畳は、注目の床材です。
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