若くて元気なワンちゃんも、歳を重ねると介護が必要になることもあります。介護が必要な愛犬と暮らしている体験や、愛犬の介護が必要になったときの生活の変化など、ワンちゃんの介護についてお伝えします。
犬の介護とは
若くて元気な愛犬も長い時間をともに暮らしていると、いつかは歳をとり介護が必要になります。そのタイミングはさまざまで、ワンちゃんが若くても病気により介護が必要になるケースもあります。
ですが、だいたいは愛犬が歳を重ねて老犬になり介護が必要になることが多く、犬種により違いがありますが、12歳くらいから著しく愛犬の老化を感じるようなったと思われる飼い主さんが多いようです。
目が見えにくくなる、耳が聞こえにくくなる、体が動かしにくくなる、排泄を失敗するようになるなど、介護が必要になる事柄も愛犬が歳を重ねるごとに増えていきます。
また、老化により病気になる確率も高くなるため、シニア犬特有の介護と、病気による介護の両方が必要になる場合もあります。
犬の介護は簡単なことではありませんが、飼い主さんの気持ちの持ち方と考え方次第で必ず変わるものだと思っています。
【実体験】介護が必要な老犬との暮らし
今、私は16歳の愛犬と暮らしています。老化が進んだ愛犬との暮らしは、愛犬が若いころと大きく違っています。老犬との暮らしはこんな感じなのかと、参考にしていただけたらと思います。
病院代や薬代などお金がかかる
3年ほど前に心臓病を患った愛犬は、週に2回動物病院へ行っています。
動物病院では、心臓病の治療のほかに老化が原因で膝蓋骨脱臼(パテラ)が悪化したため、その治療もしています。
ひと月にかかる治療費はだいたい6万円くらいです。
泊まりでのお出かけや、外出が難しい
愛犬は宿泊や外出による興奮や不安が心臓にあまりよくないため、外出はしないように言われています。愛犬をひとりにすることも難しく、私は外で働く仕事から、在宅ワークに切り替えました。
私のように、飼い主さんが環境を変える必要に迫られることもあり、愛犬の介護のために生活の仕方を変える方もいらっしゃいます。
ものが見えにくくなる
最初に愛犬の老化を感じたのは「ものが見えにくくなること」でした。
水が入れてある水飲みの場所がわからず、近くまで行って水を飲もうとするのですが飲めません。
今は水を入れる器の色を、犬が見えやすいと言われている青と黄色のものに変えました。すると見えやすくなったのか上手に水が飲めるようになりました。
最近は、ものがあっても突進しようとすることがあるため、声をかけたり誘導をしたりして愛犬がケガをしないように注意しています。
夜中に吠えて起こされる
毎晩3時頃と5時頃にトイレに行くことと水が飲みたくて、小さな声で「ワッフワッフ」と吠え私を起こします。
以前もそのくらいの時間に水飲みやトイレに行っていたのだと思うのですが、今はひとりで立ち上がれないことが多いため「起こして!」というサインだと思っています。
立ち上がるお手伝いをするとひとりで歩きはじめ、水を飲んでトイレに行きます。そしてベッドに寝かせると、愛犬は気持ちよさそうに眠ります。
トイレの失敗が増える
眠っている間に少しだけ排泄をしてしまうことも増えました。犬用のオムツなどもあるのですが、まだ愛犬は使っていません。
防水加工がしてある介護用品のシーツの上にタオルを敷き、汚れたら洗うようにしています。愛犬のからだもきれいに拭きます。
まだそこまで排泄の失敗はひどくないため、シーツやタオルが汚れたら洗えばいいと気楽に考えるようにしています。
愛犬の介護に対して今からできる心構え
愛犬が歳をとることは、すべてが悪いことばかりではありません。介護は大変というイメージがありますが、老犬になった愛犬はとてもかわいらしく、介護の大変さなど忘れるくらい愛おしく感じます。
ただ、私のように飼い主さんが環境を変える必要に迫られる場合もあります。
そのときのために、愛犬に介護が必要になったら、家族のだれが何をするかなど、役割分担を今から決めておくことをおすすめします。
そして、ひとりで悩まず困ったら専門知識のある人や獣医師さんなどに相談をしましょう。愛犬の介護を誰かに手伝ってもらうことは悪いことだとは思いません。むしろ、愛犬の介護で飼い主さんが疲れ切ってしまう方がネガティブな思考をつくり悪い結果になると思っています。
今はとても優れた犬用の介護服や介護用ベッド、介護食などいろいろな介護用品があります。それらをうまく使うことで愛犬の介護がスムーズになり、飼い主さんも愛犬も、より快適な生活ができます。
最後に
前章でもお話をしたように、愛犬の老化は悪いことばかりではなく、シニアな愛犬はかわいくて愛おしくて仕方がありません。
介護は、愛犬が飼い主さんを信頼して頼ってくれていると思ってあげてください。
それは、一緒にいた時間が長いからこそできることだと胸をはってください。
そして、愛犬が失敗をしても「まあいっか」と思ってあげてください。
愛犬と一緒にいられる時間は限られています。愛犬と過ごす時間を大切にし、穏やかな気持ちで介護に向き合っていただけたらと思います。
コメント