【vol.6】ワンちゃんと楽しむ ディスクドッグコラム

楽しむ

ディスクドッグとは、人が投げたフライングディスクをワンちゃんが追いかけ、空中でキャッチすることにより得られるポイントを競うドッグスポーツです。
今回は、新たにディスクドッグを楽しんでいる犬種第2弾、犬種をご紹介しながら、その魅力をお伝えできればと考えています。また、2019年5月のNDAディスクドッグ大会の中から私が選ぶMVPの方もご紹介します!
また、今回は特別編として、ディスクドッグ大会を主催するNDAが年に一度行なうJAPANCUP(日本一決定戦)に焦点を当てて、ディスクドッグを極めたひとつの形をご紹介したいと思います。

ディスクドッグを楽しんでいる犬種例(中・大型犬編)

前回に引き続き、ドッグスポーツを実際に楽しんでいる犬種をご紹介したいと思います。今回は、その知識と運動能力の高さでディスクドッグを牽引する中・大型犬たちの活躍をお伝えできればと思います。

ただし、初めにお断りしておきますが、犬種図鑑などでの認識とは違っている部分があるかも知れません。それは、NDAでは体高が40cmを越えると中型犬以上として提議しているためです。

ディスクドッグは、愛犬とフライングディスクを介して行なう遊びが始まりです。小さな愛犬とお過ごしの方は、これからディスクドッグを始めるにしろ、既に始めているにしろ、ディスクドッグを楽しむ上でのヒントが転がっているかもしれませんので、参考にしてみてください。

ゴールデン・レトリーバー

モデル:マリアちゃん

大型犬種の中でも、その優雅さと愛らしさは群を抜いていると言っても良いでしょう。人にも犬にもフレンドリーなことが多く、とても人気が高い犬種です。

ディスクドッグが競技として日本に伝わった1994年当初から暫くは、訓練し率いる警察犬種の競技チームが多く、数もそれなりだったのですが、近年の住居事情なのか、参加チーム数は減少してきています。とはいえ、やはりその優雅さと可愛らしさで今でも根強い人気があります。

体は大柄ですが、その従順な性格から扱いやすく、キャッチセンスも良い傾向にあると言えます。ディスクドッグをさせるのであれば、ある程度の体重管理をしてあげると負担が軽減するので良いかもしれません。

ラブラドール・レトリバー

モデル:ぽんずちゃん

中・大型犬の中では、とても根強くファンの居る犬種です。やはり、ディスクドッグ創生期より活躍していた犬種ですが、当初はいわゆるドスコイ系の体格の良い子が多かったですが、近年は小型化が進んでいるように感じます。

一般的なイメージでは、盲導犬を思い浮かべる方も多いとても賢く、従順な性格で人気があります。かく言う私も、自分が初めて飼う犬種は“黒ラブ”と決めていたのですが、実現しませんでした。

オーストラリアン・シェパード

モデル:ジンジャー君

日本では多数派とは言えませんが、ディスクドッグの本場アメリカでは、とてもメジャーな犬種です。とても頭が良く、運動能力、特に跳躍力が飛び抜けています。

フリースタイルでは、その跳躍を活かした豪快なプレーがみる人を魅了します。冒頭で触れたジャパンカップ(日本一決定戦)を制したチームは数あれど、複数回制したチームの一つにオウッシーがいます。

モデル:カルーア・ミルクちゃん

カルーア・ミルク、この子は私がリスペクトする秀逸なワンちゃんのひとつです。

ウィペット

今のディスクドッグ界では、最もメジャーなボーダーコリーを脅かす存在と言っても過言ではない。ハウンド系の犬種なので、走ることが大の得意。その足の速さには舌を巻きます。

元々狩猟犬種のため、ディスクの追随能力は高く、スピードを活かしたゲーム展開は凄まじい爆発力があり、高ポイントをマークします。飼い主には従順で性格も温厚なことが多く、とても飼いやすいと言われています。

私が大好きなのは、その毛触りです。シングルコートはとても艶やかで気持ち良く、彼らも人に寄り添うのが好きなので、家の中では飼い主にぴったりとくっついて眠ることが大好きなようです。

シングルコートなので、冬場は苦手、ディスクドッグの大会も、冬場には防寒用のウェアを纏ったりして工夫する方が多いようです。

ボーダーコリー

モデル:J隊

現在、最もディスクドッグチームの多数派を占める犬種です。数多有る調査でも検証されているように知能がとても高いと言われています。私もこの犬種と偶然出会ったことで、このディスクドッグの世界に引き込まれました。

運動能力にも優れ、俊敏さを求められる競技としてのディスクドッグにもその能力を十分に発揮します。また、飼い主にも従順な性格から、扱いやすい犬種です。ただし、神経質な面もあり、周りの環境に過敏に反応する個体も見受けられます。私の感覚的な意見ですが、ショータイプよりもワーキングタイプの血統にその傾向が強いように感じますが、これも個体の問題なので、参考程度に読んでください。ジャパンカップ(日本一決定戦)にも常連で、実際にタイトルを取った回数は最上位を数える犬種です。

その他少数派

  • ダルメシアン
  • ドーベルマン
  • ジャーマン・シェパードドッグ
  • ベルジアン・グローネンダール
  • ベルジアン・タービュレン
  • サルーキ-

こんな犬種も数少ないとは言え、過去に遡ると活躍を見せている。

ここ2回連続で、ディスクドッグをする犬種紹介をしてみました。全てを網羅しているとは断言できませんが、どの犬種とディスクドッグに取り組むにしろ、犬種としての性質は勿論、個体の性質をもよく知り、長所を伸ばしていくように取り組むと楽しく育てていけるでしょう。

間違いないことは、犬種でディスクドッグをしているのではなく、その個体と楽しく取り組んでいるチームが長く活躍していると言うことです。

誤解がないようにお願いしたいのは、どんな犬種とディスクドッグに取り組むにしろ、「この子は素質がない。」と嘆いたり諦めたりする前に、教える方法に間違いがないのかを検証して、その子と楽しみながらトレーニングして欲しいと言うことですね。

いつかは出場してみたい!JAPANCUP(日本一決定戦)

ディスクドッグを始めると、その競技性・スポーツ性が楽しく、大会に参加する方もいるでしょう。今回ご紹介するのは、ナショナルディスクドッグアソシエーション(NDA)が主催するJAPANCUPです。

JAPANCUPは1シーズン(7月~翌年5月)の大会に参加したチームがその各大会の成績に応じて得られるポイントを集計し、クラス毎に年間のランキング上位チームのみがノミネートされるディスクドッグ日本一決定戦で、現在は山梨県・富士河口湖町のご支援によって盛大に行なわれています。

JAPANCUPには次のクラスがあります。

フリースタイル(年間ランキング12位まで)

2分間で、自分で選んだ楽曲に合わせ、愛犬と様々な技を取り入れて演技を行ない、技の難度、構成、正確さ、コンビネーション等の細かな採点項目を評価する競技です。

タイムトライアル(記録17未満かつ年間ランキング8位まで)

20m以上の距離を2回キャッチ成功させて戻るまでの時間を競う競技です。

D/Aスーパークラス(年間ランキング50位まで)

D/Aというのは、ディスタンス・アキュラシーの略で、ディスクの飛距離と定められたコートに収める正確性を図りつつ、ディスクをキャッチするポイント合計を競う競技です。

その最高峰が、このスーパークラス。投げ手にも犬種にも制約のない無差別級です。今年は空前のハイレベルな戦いが見られました。

金納ベラチーム

今回のJCで先ほどのタイムトライアルとスーパークラスに同じチームがノミネートされていたので、比較してみましょう。

タイムトライアルは20mの距離を超えるギリギリを狙うので、柔らかいフォームで少しフンワリと優しく投げています。
これに比べ、スーパークラスは大体30~45mを投げることが多く、体全体を使い、腕の振りも大きくディスクにも角度を付けて投げ出しています

。同じペアでも、このように種目によって投げ分けているのがよく分かるシーンです。

D/Aレディースクラス(年間ランキング35位まで)

犬種に限定はなく、投げ手が女性に限定されるクラスです。とは言え、今や上位チームは、男性を押しのけるほどの実力チーム揃い。強さと美しさ?を兼ね備えるクラスです。

D/Aドギーズクラス(年間ランキング25位まで)

投げ手に制限はありませんが、犬の体高40cm以下のクラスです。見た目よりも遙かに素晴らしい運動能力に目を見張ると思います。

D/Aセミファイナル40

スーパークラス(年間ランキング51から上位20チーム)とS2クラス(スーパークラスの登竜門クラス。年間ランキング1位から上位20チーム)とが競い、全体のうち上位3チームのみがJCスーパークラスへ最終ノミネートされる。

D/Aベテランズクラス

犬の年齢が8歳以上のクラス。
このクラスのみは、1シーズン終了後に会員相互の投票によって選出されます。飼い主と共に頑張る姿が印象的な高齢県が出場することも多く、特別な思いを持ってJAPANCUPに出場するチームが多いクラスです。

上の写真も、犬の年齢を考え、飛距離よりも近くて取りやすい位置に投げています。

富士河口湖町長杯

特別競技として、町長杯がありますが、JAPANCUP対象競技ではないので、どなたでもエントリーすることが出来ます。

各種目とも、1シーズンを戦い抜いてきたチームが勢揃いする訳ですが、参加するチームは皆さんお祭り騒ぎ。それぞれ、真剣勝負をしながらも仲間と記念写真を撮るなど楽しんでいます。

今回ご紹介したJAPANCUPは競技を始めた方でも本当に突き詰めた方々が参加される日本トップクラスのチームが集う場所です。ノミネートはまだまだ先でも一度は足を運んで生の競技を目にするだけでも、このドッグスポーツの素晴らしさを感じ取っていただけるものと確信します。

是非ともお時間をつくってご来場されることをお奨めします。

私が選ぶなら…ディスクドッグ2019年5月のMVP

今回のMVPは 特定のチームではありません。先ほどのJAPANCUPと関連するのですが、5月初旬の御前崎ウインドマスター、2週目の長岡スーパードッグスコンペティション、この2つの大きな大会をもって、1シーズンが終了し、ノミネートされるランキングが決します。

その圏内に入ることを目指して、多くのチームが様々な思いを秘めて愛犬と共に精一杯のプレーを見せてくれます。そのひとつひとつのチームにドラマがあり、見ている私も胸を熱くしました。最終的にノミネートを果たしたチーム、果たせなかったチーム、その全てを称えたいと思います。本当にお疲れ様でした。

最後に

今回、ディスクドッグの中核を担う中・大型犬種を紹介しました。あなたがこれらの犬種の愛犬と共にディスクドッグを楽しみたいと考えたら、素質は十分の備えているはずです。あとは、それを引き出してあげられるかどうか。

鍵を握るのはトレーニングを主導するあなたなのです。何度か申し上げていますが、できれば大会会場に足を運んで、同犬種、或いは似たようなタイプのワンちゃんを探してよく観察する事をお奨めします。大会会場には、役立つヒントがゴロゴロ転がっています。

特に今回ご紹介したJAPANCUPのようなトップレベルの競技会を見ることは、とても良い刺激になると思います。プレーするのも観戦するのも楽しいディスクドッグの世界にぜひ脚を踏み入れてくださいね。

大塚 裕

大塚 裕

1961年東京生まれ。現NDAコミッショナー。愛犬JACKEYと2001年にディスクドッグ世界大会に日本代表第1号として参戦。その後も2度日本代表となる。ディスクドッグの楽しさを広く知ってもらうことに喜びを感じている。

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