公開日
2022/01/12

犬の風邪「ケンネルコフ/犬伝染性気管気管支炎」の症状と予防方法

犬の風邪と呼ばれる「ケンネルコフ/犬伝染性気管気管支炎」は寒さや乾燥によってかかりやすくなるといわれています。この記事では、ケンネルコフの症状や予防方法、注意点についてお話しします。

ケンネルコフは犬の呼吸器の感染症で、感染力が強い特徴があります。不特定多数の犬が集まる場所に行く場合や多頭飼いの場合ではより注意が必要です。ケンネルコフにかかる原因はさまざまですが、犬パラインフルエンザや犬アデノウイルス2型を含んでいる混合ワクチンの接種で感染する可能性を低くすることが可能です。ケンネルコフ自体の単体のワクチンはありません。

人も犬も冬はなぜ風邪が流行る?

冬はなぜ風邪が流行る?

冬はインフルエンザをはじめ、風邪をひきやすいというイメージがありますよね?新型コロナウイルスの流行以降では、冬はより感染対策を意識するなど注意が必要だといわれています。そもそも、なぜ冬に風邪などをひきやすいのかというと、原因は2つあります。

  • 冬の乾燥した空気をウイルスが好む
  • 寒さや乾燥で体の防衛機能が低下する

寒さ乾燥、この2つが重なる冬は、風邪などのウイルスに感染しやすくなってしまうのです。

これは人も犬も同じで、愛犬も私たちと同じように風邪をひきます。犬の場合は風邪ではなく「ケンネルコフ」や「犬伝染性気管気管支炎」と呼ばれます。

ケンネルコフは、ケンネルが犬舎、コフが咳を意味する言葉で、伝染性のある犬の呼吸器疾患の総称のことです。このため、呼び方は違っていても、犬の風邪とケンネルコフ、犬伝染性気管気管支炎は同じものと考えてください。ケンネルコフは、ウイルスや細菌などさまざま原因で感染します。

犬の風邪「ケンネルコフ」の症状

犬の風邪、ケンネルコフの症状

ではここからは、犬の風邪といわれるケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)の主な症状についてみていきましょう。

【一般的なケンネルコフの症状】

  • 乾いた咳が長く続く。のどに何かつまったような咳をするため嘔吐と間違えることがある

【細菌による二次感染を起こすと現れる症状】

  • 乾いた咳から、湿り気のある咳に変わる
  • 鼻水や目やにが多く出るようになる
  • 発熱
  • 食欲不振

ケンネルコフは呼吸器系の症状が強く、特有の咳がしつこく続く特徴があります。

また、ケンネルコフが重症化すると、肺炎になるケースもあるため、抵抗力の少ない子犬やシニア犬、呼吸器系の持病がある犬は注意が必要です。

愛犬の呼吸の様子がおかしい場合や咳が続いている場合は自己判断せずに、動物病院に相談をしましょう。

ケンネルコフが疑われる場合、動物病院を受診する際の注意点

ケンネルコフは感染力の強い病気です。動物病院には体調の悪いコや闘病中のコも健康診断やワクチン接種にやってきた元気なコもいます。もし愛犬に咳などのケンネルコフと思われる症状があって受診を検討している場合は、事前に動物病院に電話をしておいたり、診察時間まで車内で待つようにするなどの配慮を心がけることも、お互い様の思いやりです。

ケンネルコフの予防方法

ケンネルコフの予防方法

次に、愛犬をケンネルコフから守るために、私たちができる予防方法についてみていきましょう。

犬が多く集まる場所にお出かけする際には注意が必要

不特定多数の犬が多く集まる場所に、ケンネルコフに感染しているワンちゃんがいた場合、咳から飛ぶ唾液の飛沫感染や痰、鼻水、唾液の接触感染が起こる可能性があります。

もし、ドッグランやドッグカフェなどで、咳をしているワンちゃんがいたら、できるだけ愛犬を近づけないようにしましょう。

また、飼い主さんは帰宅後に必ず手を洗い、愛犬をキャリーバッグやカートに入れていた場合はバッグの消毒などを行って感染予防をしましょう。

定期的な混合ワクチン接種で感染する可能性を低くする

ケンネルコフの単体のワクチンは存在しません。しかし、ケンネルコフの原因となるウイルスの中には、「ジステンパーウイルス」や「犬パラインフルエンザウイルス」「犬アデノウィルス2型」があります。

上記以外のウイルスや細菌などが原因で感染することもありますが、混合ワクチンに含まれているウイルスについてはワクチン接種によって予防ができ、感染する可能性を低くすることができます。

飼育環境を清潔に保つ

ケンネルコフは、感染をしたワンちゃんの唾液などに含まれるウイルスで感染をします。また、不衛生な環境など、飼育環境が悪い場合は感染・発症がしやすいため、多頭飼いをしている場合は特に注意が必要です。

家庭内でケンネルコフの症状がみられる犬がいる場合は、クレートやサークルで管理して(隔離して)他のワンちゃんと別の生活環境へ移すことをおすすめします。愛犬のベッドなどいつも愛犬が生活をしている場所は常に清潔に保ちましょう。

最後に

最後に

新型コロナウィルスの流行によって、これまで以上に感染症対策を行うようになったという方や知らぬ間にウイルスに感染してしまうという感染症の怖さを知ったという方もいるかもしれません。

ケンネルコフは愛犬にとってつらい呼吸器の症状が現れる感染症です。

近くにケンネルコフに感染をしている可能性があるワンちゃんがいたら、密になることを避け、飼育環境を清潔に保ち、ケンネルコフに愛犬がかからない予防をしっかりと行いましょう。

参考資料:くわしい犬学 (発行 誠文堂新光社)