急に肌寒くなってきた…ワンちゃんのためにも寒さに備えて準備できていますか?いっしょに秋冬をどう過ごすかのポイントや、寒さが原因でどのような病気になるのかまとめてみました。
犬ってそもそも寒さに強いの?弱いの?
本来、犬は平均体温が人より高い生き物。【小型犬で38.6~39.2度、大型犬では37.5~38.6度】だそう。ヨーロッパなど寒さの厳しい地方が原産の犬種がほとんどで、日本よりもっと厳しい寒さに耐えられるからだになっています。
なるほど。では、対策は必要ないですね!!と言いたいところなのですが…
各個体にはよりますがやはり犬種や小型か大型か、お住いの地域がどこなのか、によって違いがあるそうで、おたくのワンちゃんと照らし合わせて知ることが大事です!
では犬種での違いを見ていきましょう。
覆われる被毛(毛質)の種類により寒さへの対応力に違いがあり、被毛は2種類つまりダブルコートとシングルコートがあります。
【ダブルコート】
寒さに強い。長い毛で覆われダブルコートと呼ばれる上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)の2層構造です。ダブルコートの犬種は、レトリーバー系、シュナウザー、柴犬、秋田犬、コーギー、シェルティー、ポメラニアン、キャバリア、ハスキー、コリーなど。
冬毛にかわると、長くて太い上毛の下にやわらかくて細かな下毛がいっばい生えてきて、とても暖かそうです。
【シングルコート】
寒さに弱い。上毛(オーバーコート)が少なく、下毛(アンダーコート)が全体を占めるのがシングルコートです。シングルコートの犬種はチワワ、プードル、パピヨン、マルチーズ、シーズー、ヨークシャーテリア、ボクサー、グレーハウンド、ミニチュアピンシャー、グレートデーンなど。
温かい地域が原産の犬が多く、もともと毛が少ないほうが生活しやすかったのですね。
※ダックスフントは毛質が3種類あり、スムースならシングルコートですが、ロングヘアーとワイヤーヘアーはダブルコートです。
そしてシングルコートの犬種を見ると、小型の犬種が多く目につきます。小型犬のほうが大型犬より寒さを感じやすいのですね。私の飼っているココア君はキャバリアでロングコートですが、10月にダニ対策でサマーカットをしたばかりで寒そうにしています…ゴメンネ(-_-;)
そして、住む地域について。雪が降るような地域で寒さに苦手な犬を飼う時は特に注意すべきです。
犬が寒がっているかどうかの見分け方
最初にもお伝えした通り体温が人より高いため、実は冬はワンちゃんが元気になる季節です。夏より冬のほうが免疫力も高まり、元気いっぱい、食欲旺盛!
特に若いワンちゃんにとってはまだまだからだも元気いっぱいで、免疫力・抵抗力ともに高いので寒さで風邪をひくなどということはありません。しかし、犬は言葉を話せませんから飼い主がしっかり見てあげて気づけるかが重要になってきます。以下の様子に注意して観察してあげてみてください♪
① 犬が小屋やケージのすみっこでうずくまりからだを丸めている
② 呼んでもなかなかベッドから出てこない
③ 飼い主さんのそばに執拗に寄ってくる
④ リードを見せても外出したがらない
⑤ おもちゃを見せても遊びたがらない
⑥ コタツの中、暖房機器から離れようとしない
⑦ うんちの状態が下痢気味になっている
⑧ 小刻みに震えている
※⑥のようにコタツの中や暖房機器の近くで寝てしまうことで、「低温ヤケド」になることがあります。低温ヤケドをすると皮膚が真っ赤になり、数日後に水ぶくれになることがありますのでご注意を!!
冬に注意すべき病気と乾燥
次に、寒さが原因で起こる犬の病気5つと乾燥について見ていきましょう。
【病気】
①泌尿器の疾患
寒くなると犬も水分を摂取する量が減っていきます。
水分を摂る量が少ないことで、おしっこの濃度が濃くなります。人間も水分が少ないとおしっこの色がいつもより濃い黄色になると思いますが、犬にも同じ現象が起こります。そうするとおしっこの中でミネラルが固まって結晶化してしまい、尿道に詰まってしまったり(尿路結石)、膀胱炎になってしまう恐れがあります。尿道の長いオス犬は特に気をつける必要があります。メス犬は膀胱炎などに注意してください。
②関節などの疾患
ペットも冬になると、人間と同じように関節などの痛みが起こることがあります。6才以上の高齢犬(特に10才以上)は、腰骨が痛くなることがあります。坂道や階段などの段差が上り下りしにくくなります。フローリングは滑りやすく、腰痛や股関節、膝の病気になりやすいので気をつけてください。
③心臓・循環器系の疾患
初期の徴候は「咳」です。元気がなくなったり休んでいることが多くなりますので、よく観察してください。ハァハァと息をしている時の舌がいつもより青白いことで発見できます。
④伝染性の疾患
予防接種(ワクチン)をすることで症状は軽くなります。冬は呼吸器疾患のケンネルコフ(犬の咳、次の5位で説明します)にかかりやすくなる季節です。また、ジステンパー(神経症状)やパルボウイルス感染(消化器症状)も流行します。ちなみに、人間の風邪は犬にうつるのかどうか心配になるところですが、答えは”NO”です。同じように、犬がウイルス感染により咳やくしゃみをしていてもそれが人間にうつることはないそうです。
⑤呼吸器疾患
冷たく乾いた外気を吸い込むことで咳がでます。免疫力が下がっているとケンネルコフや肺炎を併発し、発熱、鼻水、目やに、くしゃみなど風邪のような症状も表れます。なお、高齢の動物は心臓疾患が原因で咳をすることがあるので、その見極めも必要になります。
【乾燥】
人と同じように、犬も冬は皮膚が乾燥するためにさまざまな健康トラブルが起こります。
①細菌性膿皮症
たくさんのフケとともに脱毛し、強いかゆみを伴います。
②アトピー性皮膚炎
強いかゆみとともに、皮膚は腫れたように赤くなります。
フケやかゆみで判断しつつ、犬の鼻もこまめにチェックしてみると良いですよ。鼻が乾燥していると健康状態があまり良くないというサインになります。オリーブオイルや人が使うリップクリームを肉球や鼻に塗ってあげると良いそうです。
寒さ対策法
最後に室内犬、室外犬に分けて寒さ対策をご紹介したいと思います。人は寒さを首や手足から感じ取りますが、犬は体の上部は毛で覆われているためお腹側が冷えやすいのです。その点にも注意しつつご自宅の環境に合わせて対策してあげてください♪
【室内犬の寒さ対策】
①犬に服を着せる
服を着せてあげるだけでグっと体温を保てるようになります。適切なサイズの洋服を着せてあげてみてください♪
②ケージとサークルに毛布をかける
とくにお留守番の際、ワンちゃんをケージに入れている方におススメです。
電気代の節約にもなりますし、服を着せてあげればより快適な環境づくりができます。
③湯たんぽを置く(おススメ!)
最近は犬用の湯たんぽ(保温パッド)が売られているそうで、電子レンジでチンするだけで長時間保温されます。お留守番、就寝中、外出先でも使えるのでとても便利です!
ココア君にも買ってあげようかな…
④暖房器具を使う(エアコンや電気ストーブ、ホットカーペット、床暖房)
こちらはあまりおススメしませんが、いっしょに過ごしている間は人に合わせて暖房器具を利用したりする家庭も多いのではないでしょうか? 犬にとっては暑すぎる場合もあったりコードをかじってしまう危険性もあるので、お留守番の際には電源は必ず切っておきましょう。
【室外犬の寒さ対策】
①小屋にフリースや毛布を入れてあげる
雨などで湿ったり濡れたりした場合はそのままにせず、交換するようにしてくださいね。
②小屋の周りを段ボールやナイロンシートなどで囲ってあげる
外からの冷たい風が小屋の中に入りづらくなります。また、断熱材を小屋の周りに貼ってあげるのも効果が大きいです。
③小屋の位置を移動する
小屋を同じ外でも風通りの少ない、陽のあたる場所に移動するだけで寒さ対策の効果はあります。日中はポカポカ快適に過ごせるでしょう。
④湯たんぽを入れる
室内犬同様、湯たんぽはとても万能で室外犬にも利用できます。ただし、体が温まりすぎても逃げ場がなくなってしまうのでこまめに様子をみてあげてください。
犬は寒さには基本的に強いとされていますので過度に対策をしすぎるのもストレスになったり、火傷などのトラブルになったりも。厳しくなる寒さに備えておたくのワンちゃんと健康に気をつけながら寒い季節を楽しく過ごしてしてくださいね♪