私たちは日々の生活のなかで多くのストレスを感じています。それと同じように、犬もストレスを感じていることをご存知ですか?
犬がどのような時にストレス感じるのかは、犬の性格やその時の状況などによって変わってきます。
そこで、犬がストレスを感じた時にする行動や、その原因となり得ることについていくつか紹介をしていきますので、自分の愛犬の行動と比較をして参考にしてみてください。
犬がストレスを感じた時にどんな行動をとるの?
犬はストレスを感じると次のような行動をとることがあります。愛犬がいつこのような行動に出るかは分かりませんが、覚えておくようにするとストレスを感じていることに早く気が付いてあげられるようになります。
硬直する
体調が悪くて硬直することもありますが、ストレスで硬直する時には端から見ると固まっているという表現をされることがあります。部屋の隅やケージの奥の方で、なるべく体を小さくするようにして身動きひとつしない状態でじっとしています。
震える
恐怖などのストレスを強く感じた時には、体全体をブルブルと小刻みに震わせます。 寒い時にも体を震わせることはありますが、気温が余程低い時や体が濡れて冷えきってしまった時以外には寒さで震えることはあまりありません。
尻尾を下げる・脚の間に巻き込む
目の前のものや人に対して恐怖心や嫌な気持ちを抱いている時には、尻尾を下げたり脚の間に巻き込んだりします。その場から逃げ出したいけれどそれが出来ない時などに、自然とそのような仕草が出てしまうようです。
体を舐める
強いストレスを感じている時には、自分の体の一箇所を執拗に舐め続ける行動に出ることがあります。 運動不足や自分の要求が思うように通らない時などに行うことが多いです。
体を掻く
落ち着きが無く体を掻きむしる時には、抱えているストレスをどうにかしたい思いでついそのような行動に出てしまうようです。特徴としては、左右の後足を使って落ち着きが無く体のあちこちを掻きます。 一箇所だけを掻き続ける時は、ストレスよりも皮膚疾患の可能性が高いです。
耳を後ろに倒す
強いストレス状態になった時には、耳の向きも普段と違ってきます。 垂れ耳の犬は少し分かりにくいですが、立ち耳の犬はペタンと耳を伏せたりいつも正面を向いている耳が少し横向き加減になったりと分かりやすい変化が見られます。
あくびをする
眠い訳ではないはずなのに、やたらにあくびをします。 犬は強いストレスを感じた時に自分の気持ちを落ち着かせようとするのですが、その時に体の緊張を解くために自然とあくびが出るようになります。
犬が感じるストレスの原因とは?
犬が感じるストレスの原因は、それぞれの生活環境や犬の性格によって大きく変わってきます。 その為、全ての犬に当てはまるとは言えませんが、例としていくつかその原因をあげていきます。
心理的ストレス
犬が感じる心理的な部分でのストレスについて紹介します。
家族が増えた
飼い主さんが結婚してお嫁さんや旦那さんがきた、赤ちゃんが産まれた、親と同居することになったなど、家族が増えた時には犬も生活環境の変化に少なからずストレスを感じます。 何度か会ったことのある人だとしても、一緒に生活をするとなるとどのように対応をするべきなのか犬は犬なりに考えるからです。
家族の仲が悪い
犬は人の気持ちを敏感に感じ取る動物です。家族間の仲があまりよくないと、その険悪な空気を敏感に察知し自分も嫌な気持ちや不安な気持ちを抱くようになってしまいます。 その状況が長く続いてしまうと、不安な気持ちがストレスとなって溜まっていくようになります。
引っ越し
引っ越しをする場合、人はその日に向けて徐々に心の準備をしていきますが、犬はある日突然、別な環境に連れていかれることになります。環境の変化に弱い犬にとっては、引っ越しは大きなストレスを抱えるきっかけになります。
身体的ストレス
次に身体的な部分でのストレスについて紹介します。
運動のさせすぎ
犬が運動不足や肥満にならないようにと、毎日一生懸命運動をさせる飼い主さんがいますが、実は運動があまり好きではない犬もなかにはいます。 最近の犬は、昔のように野山を駆け回るような生活を送っていませんので、それほど運動神経が発達しておらず、運動があまり好きではない犬もいます。適度な運動はもちろん必要ですが、飼い主さんがよかれと思ってやらせている運動が、実は犬にとっては負担でしかない場合があります。
無理やりなお散歩
犬にとって毎日のお散歩は、適度な運動を行い日光に当たる意味でも大切なものです。 但し、運動と同じく全ての犬が散歩好きという訳ではありません。短時間のお散歩で満足する犬も当然いますので、そんな犬が毎日数十分も無理やりにお散歩に連れ出されて歩かされるのは苦痛でしかないかもしれません。
過度なしつけ
犬へのしつけは、人と一緒に生活をしていくには必須のものです。 但し、犬の学習能力には個体差がありますので、全ての犬に対して同じレベルのものを要求するのは難しい場合があります。 お座り・待て・伏せなどの最低限のしつけが出来ていれば問題はないはずなのに、芸を教えるかのようにあれやこれやと教えたがる飼い主さんは実に多いです。 学習能力の高い子は平気でも、そうでない子は飼い主さんからの様々な要求にストレスを感じてしまうことがあります。 また、厳しいだけのしつけの仕方も、犬はストレスを感じてしまいます。時には褒めて伸ばすこともしていかないと、上から抑え付けるだけのしつけでは犬は学習するどころかストレスを抱えていくだけになってしまいます。
犬のストレスを減らす方法とは?
では最後に、犬が感じているストレスをどのように減らしていけばいいのか紹介します。
心理的ストレスの場合
心理的なストレスを減らす方法の基本は、その原因となるものを取り除くか徐々に慣らしていくということです。 家族が増えることや引っ越しをすることを中止する訳にはいきませんので、新しく家族になる人になるべくたくさん会わせるようにしたり、引っ越し先を事前に見せておいたりします。 人がストレスを感じる原因になるようなものは、犬にとっても同じようにストレスを感じる原因となります。犬だから平気だろうなどとは思わずに、時には自分に置き換えて犬の気持ちを考えてみてあげてください。
身体的ストレスの場合
同じ年齢・同じ犬種・同じ性別であったとしても、犬にとって適切な運動量は違ってきます。 でも犬はそれを飼い主さんに伝える術を持っていません。本当はもう歩きたくない気分の時でも、立ち止まって抵抗すればワガママだと思われてリードを引っ張られてしまいます。 散歩から帰った後にすぐに横になってしまうようであれば、それは運動のさせすぎかもしれません。たまにであれば構いませんが、毎日そうなると犬は運動や散歩自体が嫌になり、ストレスを溜めるようになってしまいます。 運動の量や散歩の距離は、帰宅後の犬の様子を見て適切な量を調整してあげるようにしてください。 その逆に運動が足りない時にもストレスを溜めてしまいますので、運動や散歩をさせて帰宅した後でも家で元気に走り回っているようであれば、次からはもう少し運動と散歩の量を増やしてあげてください。
まとめ
犬が感じるストレスについて紹介をしてきました。 犬は賢い動物ですので、その分、人と同じようにストレスを溜めてしまいがちだと言われています。 犬がストレスを感じずに、心理的にも身体的にも健康で生活をしていけるように、出来る範囲で犬の気持ちを汲み取ってあげるようにしてください。]]>
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