突然ですが、愛する老犬が散歩に行きたがらない…『どうして?』と悩んでいませんか?
「最近、うちのワンちゃんが散歩に行きたがらなくて…」「無理をさせてしまっているのかな」「もしかして、どこか悪いところがあるのかしら…」
そんなふうに、大切なワンちゃんのことで心を痛めている飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんね。若い頃はあんなに散歩を楽しみにしていたのに、シニアになって急に足が止まってしまったり、玄関で動かなくなってしまったりすると、心配で胸が締め付けられるような気持ちになりますよね。
僕もこれまでたくさんのワンちゃんたちと飼い主さんに出会ってきましたから、皆さんのそういった不安なお気持ちは本当によく分かります。
決して飼い主さんの愛情が足りないわけではありませんし、ワンちゃんがわがままになっているわけでもないのですよ。
大丈夫です、ワンちゃんが散歩に行きたがらないのには、きっと理由があります。
そのサインを一緒に読み解き、この子が「もう大丈夫だよ」と感じられるような、優しい散歩のカタチを見つけていきましょうね。
『今日は歩きたくないんだ…』ワンちゃんの心と体のサインかもしれません

ワンちゃんが散歩に行きたがらない時、もしかしたらこの子自身が何らかの不調や不安を抱えているのかもしれません。僕たち人間と同じように、老犬には老犬なりの理由があるのですよ。ワンちゃんの目線で、そのサインを一緒に見ていきましょうね。
「体が痛いよ、しんどいよ」:身体的な痛みや不調
若い頃は軽快に駆け回っていたワンちゃんも、年を重ねると関節や骨、内臓に不調を抱えることがあります。特に、関節炎やヘルニア、心臓病、呼吸器系の疾患などは、見た目には分かりにくくても、ワンちゃんにとっては一歩踏み出すことさえ辛い、大きな負担になっているかもしれません。
「散歩に行こう」と誘っても、お座りしたまま動かなかったり、体を触られるのを嫌がったりする時は、どこかに痛みを感じている可能性が高いのです。無理をして歩くと、さらに痛みが悪化してしまうこともありますから、注意してあげてくださいね。
「外の世界がちょっと怖いんだ」:視力・聴力の低下、認知機能不全症候群(CDS)
視力や聴力が衰えてくると、見慣れたはずの景色も、ワンちゃんにとっては不安な場所に感じられることがあります。急に現れるものに驚いたり、遠くの音に怯えたりすることで、「外は怖いところだ」と感じてしまうのかもしれませんね。
また、認知症のような症状を示す「認知機能不全症候群(CDS)」の可能性もあります。散歩の目的が分からなくなってしまったり、見慣れない場所で混乱して立ち止まってしまったりすることもあるのですよ。不安な気持ちから、散歩を嫌がるようになるワンちゃんも少なくありません。
「すぐに疲れちゃうんだ」:疲労感と体力低下
老犬は若い頃よりも、ずっと疲れやすいものです。少し歩いただけでも息が上がったり、足がもつれてしまったりすることもあります。体力が低下していると、散歩の途中で休憩を挟んでも、翌日に疲れが残ってしまうこともあるのですよ。
「無理して歩くよりも、家でゆっくり休みたい」というサインかもしれません。ワンちゃんの表情や呼吸、歩き方などをよく観察して、疲れていないか確認してあげてくださいね。
「もう、外に興味がないわけじゃないんだけど…」:外への興味の低下
嗅覚や視覚が衰えたり、体温調節が難しくなったりすると、外の刺激が以前ほど魅力的でなくなることがあります。地面の匂いを嗅いだり、他のワンちゃんと交流したりすることが難しくなると、「外に出ても面白くないな」と感じてしまうこともあるかもしれません。
また、暑すぎたり寒すぎたりする季節には、快適な室内にいることを好むワンちゃんも多いです。外への興味が薄れたように見えても、それは快適な環境を求めているサインなのかもしれませんね。
「もし失敗したらどうしよう…」:排泄の失敗への不安
年を重ねると、排泄のコントロールが難しくなるワンちゃんもいます。外での排泄に時間がかかったり、間に合わずに失敗してしまったりすることが増えると、ワンちゃん自身も「また失敗してしまうかも…」と不安を感じるようになります。
飼い主さんに叱られることを恐れたり、失敗した時の恥ずかしさから、散歩をためらう理由の一つになっている可能性もありますよ。この子の気持ちに寄り添って、優しく見守ってあげることが大切です。
『良かれと思って…』が逆効果に?ワンちゃんをさらに苦しめてしまうNG行動

飼い主さんは、ワンちゃんのために良かれと思って行動されていることと思います。でも、時にはそれが、かえってワンちゃんを苦しめてしまうことにもつながるかもしれません。ワンちゃんの気持ちを代弁する形で、避けてほしいNG行動についてお話ししますね。
「無理に引っ張らないで…」:無理に散歩に連れ出そうとすること
「運動させなきゃ」「外に出さなきゃ」という思いから、ワンちゃんが嫌がっているのに無理にリードを引っ張ったり、叱って散歩に連れ出そうとしたりしていませんか?痛みや不安があるのに無理強いされると、ワンちゃんは散歩自体が「嫌なこと」「怖いこと」だと学習してしまいます。
そうなると、さらに散歩に行きたがらなくなり、飼い主さんとの信頼関係にもひびが入ってしまうかもしれません。痛みや不調がある場合は、無理強いすることで症状を悪化させてしまう可能性もありますから、絶対にやめてあげてくださいね。
「『散歩はこうあるべき!』って決めつけないで」:固定観念に囚われること
「散歩は1日2回、30分ずつ歩くもの」「毎日同じコースを歩くもの」…そんな固定観念に囚われていませんか?
老犬にとっての散歩の目的は、若い頃のように運動量を確保することだけではありません。
大切なのは、外の空気を感じたり、日光を浴びたり、気分転換をすること。ワンちゃんの体力や体調に合わせて、散歩の「量」よりも「質」や「快適さ」を優先してあげることが、この子のQOL(生活の質)を高めることにつながるのですよ。柔軟な考え方で、ワンちゃんにとっての「最適」を見つけてあげてくださいね。
「ワガママじゃないんだよ」:単なるワガママだと決めつけること
「最近、散歩に行きたがらないのはワガママになったからだ」と、ワンちゃんの行動を決めつけてしまうのは、少し悲しいことかもしれません。
老犬の行動の変化には、必ず何らかの理由が隠されています。
痛みや不安、体調不良など、この子が言葉で伝えられないサインを、飼い主さんが「ワガママ」と決めつけてしまうと、ワンちゃんはさらに心を閉ざしてしまうかもしれません。
どうか、そのサインを見逃さず、ワンちゃんの声に耳を傾けてあげましょう。
「僕の声を聞いてほしいな」:獣医さんに相談せず自己判断すること
散歩拒否の最も大きな原因は、身体的な不調であることが非常に多いです。飼い主さんが自己判断で「年のせいだから仕方ない」と様子を見ていると、関節炎や心臓病などの病気の発見が遅れてしまうこともあります。
早期発見、早期治療がワンちゃんの苦痛を和らげ、再び散歩を楽しめるようになるための大切な一歩です。
まずは専門家である獣医さんに相談し、この子の体の状態をしっかりと確認してもらうことが大切ですよ。
老犬との毎日をもっと幸せに!今日からできる『優しい散歩』のヒント

ここからは、飼い主さんが今日からすぐに実践できる、老犬との「優しい散歩」のヒントをいくつかご紹介しますね。焦らず、ワンちゃんのペースに合わせて、一つずつ試してみてください。
STEP1: まずはワンちゃんの声を「お医者さん」に聞いてもらいましょう
繰り返しになりますが、散歩に行きたがらない理由が病気でないか、獣医さんに相談することが最優先です。
目には見えないけれどワンちゃんを苦しめている病気があるかもしれません。
獣医さんは、この子の体の専門家です。適切な診断と治療を受けることで、ワンちゃんは体調が楽になり、再び外の空気を楽しむ意欲が湧いてくることもあります。痛み止めやサプリメントの活用も検討してみましょうね。
もし攻撃性が高い場合や、身体的な不調が疑われる場合は、無理せず専門家や獣医師に相談してください。
ワンちゃんの苦痛を取り除くことが、何よりも大切なのですよ。
STEP2: 「散歩のカタチ」をワンちゃんに合わせて変えてみませんか?
老犬にとっての散歩は、必ずしも長い距離を歩くことだけではありません。
大切なのは、外の空気を感じ、日光を浴び、気分転換をすることです。無理なく外の刺激を感じることが、ワンちゃんの心身の健康につながります。
- 短時間・短距離でOK: 玄関先で数分、庭やベランダで日光浴をするだけでも十分です。
この子の体調が良い日には、お気に入りの公園まで抱っこして行き、芝生の上で少しだけ歩かせてあげるのも良いでしょう。 - 抱っこやカートの活用: 全く歩かない日でも、抱っこして外に出たり、ペットカートに乗せて公園を一周するだけでも、ワンちゃんにとっては良い刺激になります。
外の匂いを嗅がせてあげたり、風を感じさせてあげたりするだけでも、心のリフレッシュにつながりますよ。 - 時間帯の調整: 暑すぎず、寒すぎない、ワンちゃんが最も快適に過ごせる時間帯を選んであげましょう。
特に夏場は早朝や夜、冬場は日中の暖かい時間帯がおすすめです。
老犬は若い頃に比べてすぐに疲れてしまいますし、体温調節も苦手です。
無理なく外の刺激を感じることが、心身の負担を減らし、QOLの向上につながります。
STEP3: 「もっと快適に歩けるかな?」環境を整えてあげましょう
ワンちゃんの体に負担がかからないように、使用する道具や散歩コースを見直すことも大切です。
- ハーネスやリードの見直し: 首に負担がかからないハーネスタイプを選び、リードも短すぎず長すぎない、飼い主さんが扱いやすいものを選びましょう。体に合ったものを使うことで、ワンちゃんもより快適に歩けるようになります。
- 路面状況の良い場所を選ぶ: アスファルトよりも土や芝生の上の方が、足腰への負担が少ないです。
急な坂道や階段は避けて、平坦で歩きやすいコースを選んであげてくださいね。 - 滑り止めマットの活用: 玄関や家の中の滑りやすい場所にマットを敷くことで、外に出るまでの移動が楽になることがあります。室内の環境を整えることも、散歩への意欲につながりますよ。
体の痛みを抱える老犬にとって、道具や環境は非常に重要です。負担を減らすことで、安心して外に出る意欲が湧いてくることもありますよ。
STEP4: 「できたね!すごいね!」小さな喜びを分かち合いましょう
少しでも歩いたり、外で楽しんでいる様子が見られたら、大げさに褒めてあげたり、小さなおやつをあげたりして、良い経験として記憶させてあげましょう。ワンちゃんは、飼い主さんに褒められることが何よりのご褒美です。
無理強いは絶対にせず、嫌がったらすぐに切り上げる勇気も大切です。
ワンちゃんのペースに合わせて、小さな成功体験を積み重ねていくことが、散歩への意欲を取り戻す鍵になります。ポジティブな経験を繰り返すことで、「外に出ると良いことがある」と学習し、散歩への意欲が高まります。
STEP5: お家の中でも「楽しい」を見つけてあげましょう
散歩に行けない日や、外に出たがらない時は、室内でのケアや遊びで心身を刺激してあげましょう。
- ジェントルストレッチ&マッサージ: 筋肉の凝りをほぐし、血行を良くしてあげましょう。優しく撫でてあげるだけでも、スキンシップになり安心感を与えられます。
- ノーズワーク: 嗅覚を使う遊びは、老犬にとって良い脳の活性化になります。
おやつを隠して探させるなど、頭を使う軽い遊びを取り入れてみましょう。 - 排泄のケア: 室内での排泄場所を確保し、失敗しても叱らず、優しく対応してあげましょう。
必要であれば、マナーベルトやおむつも検討してみてください。この子の尊厳を守りながら、快適な生活を送れるようにサポートしてあげましょうね。
散歩だけがワンちゃんの刺激になるわけではありません。室内での活動も、心身の健康維持や脳の活性化に繋がり、ワンちゃんの満足度を高めることができます。
まとめ
飼い主の皆さん、ここまで読んでくださってありがとうございます。
老犬との暮らしは、若い頃とは違う喜びや、時には戸惑いもたくさんありますよね。
ワンちゃんが散歩に行きたがらない時、焦る気持ちや罪悪感を抱いてしまうこともあるかもしれません。
でも、どうか自分を責めないでくださいね。大切なのは、「完璧な散歩」をすることではなく、目の前のワンちゃんが「今、どうしたいのか」という気持ちに寄り添い、この子が毎日を幸せに過ごせるようにサポートしてあげることなのですよ。
ワンちゃんのペースに合わせて、できることから少しずつ、優しく寄り添ってあげましょう。
それが、この子が「もう大丈夫だよ」と心から安心できる、一番のメッセージになるはずです。
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