愛犬の正しい食事管理をするために知っておきたい人と犬の違い【体編】

特集

以前ご紹介した「人と犬の違い【顔編】」に引き続き、今回は体編です。
人と犬は、見た目から全く違いますし、機能や役割も少しずつ異なってきます。
例えば、汗のかき方だったり、脚の着き方だったり・・・
人と犬とでは体の構造から異なっているため、飼い主としてまずは人と犬との違いを知っておかないと、食事管理に注意が必要です。
そこで、今回は脚、内臓と皮膚・体毛についてみていきましょう。

人と犬の脚の違い

人の脚と犬の脚って、見た目から全然違いますよね。 形も違えば、足の着き方、歩き方なども異なります。

脚について人と犬の違いを見ていきましょう。

人と犬の歩き方・指の数や形の違い

人は2足歩行、犬は4足歩行です。 また指の数は、人は手も足も5本ずつですが、犬は前足が5本ずつ、後足が4本ずつになります。 しかし、稀に後足にも狼爪がついていて、指が5本ある犬もいます。

人と犬の脚の着き方の違い

人は足の裏全体を地面につけて立ちますが、犬の足は、親指は浮かせて残りの4本の指で体 重を支えています。 ですので、常につま先立ちで立っているような感じになります。

犬の肉球の役割

犬の肉球は非常に厚い角質層でできています。 人でいうと“まめ”やかかとのかたくなったところといった感じです。 また、角質層の他にもコラーゲンやエラスチンと言った弾性繊維や脂肪が含まれていま す。 肉球(パッド)には、着地したときの衝撃を吸収するクッションの役割や滑り止めの役割などがあり、衝撃から足の骨や関節などを守っています。

人と犬の爪の違い

人の爪はまっすぐ伸びる平爪で、犬の爪はカーブを描くように伸びるかぎ爪です。 人と同じように、犬の爪にも根元の赤い部分と先端の白い部分があります。 赤い部分には血管や神経が通っていて、白い部分は角質層でできています。

爪切りをするときは、人と同じように角質層の白い部分だけ切ってあげてください。 ※黒い爪の場合は、赤い部分が見えないので、切り口を見ながら十分注意して切りましょう。 赤い部分を切ってしまうと、人でいう深爪のようになってしまい、神経も通っているため、犬は痛みを感じてしまいます。 また、爪を伸ばしすぎてしまうと、巻き爪になりやすく、血管も伸びてきてしまい爪切りが難しくなったり、怪我に繋がってしまったりするため、定期的にケアしてあげましょう。

犬は長距離走が得意

犬は狩りをするとき、獲物を長距離追いかけ、疲れたところを捕獲することがあります。 そのため、骨格も長距離走に向くようにできています。犬には鎖骨がなく、前足は前後にしか動かせませんが、その分エネルギーを無駄なく使って長距離を走ることができます。

人と犬、内臓と皮膚・体毛の違い

人は完全な雑食動物ですが、犬は肉食寄りの雑食動物です。なので、内臓での消化・吸収では人と犬とでは違いが出てきます。 また、人は体毛が少ないですが、犬は身体のほとんどが毛でおおわれているため、人と犬ではいろいろな違いが出てきます。 そこで、今回は内臓と皮膚・体毛について人と犬の違いを見ていきましょう。

人と犬の内臓の違い

犬は人よりも消化・吸収が早い

犬は肉食寄りの雑食のため、完全な雑食の人間に比べ、消化・吸収に時間がかかる食物繊維の摂取量が少ないです。 植物質の消化をあまり必要としてこなかったので、食事の消化・吸収が人よりも早いため、消化管の重さの比率も人より少なく、栄養の吸収をする小腸も短めです。

人と犬の皮膚・体毛の違い

犬は暑さに弱い動物です。 なぜ、暑さに弱いのか、その理由を見ていきましょう。

犬の体は熱がこもりやすい

犬は常に全身が体毛で覆われています。そのため、体内に熱が籠りやすくなっています。 短毛犬よりも長毛犬の方が籠りやすいし、短毛でも、北方系のイヌ(ハスキーやサモエドなど)は毛が密集して生えているため、より注意が必要です。

犬は汗のかき方が人と違う

汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類あります。

エクリン腺

体温調節をする汗腺で、人では皮膚の表面にある“汗孔”という毛穴とは別の穴から排出されます。 いわゆる、人がよくかく汗はこのエクリン腺からでます。 99%の水分と1%の塩分やカリウムなどでできています。

アポクリン腺

毛穴から分泌物が排出されます。 人では、緊張したときなどに出る汗です。

犬では、体温調節というよりも個体識別の要素として排出されます。 70~80%の水分と20~30%のタンパク質・脂質・アンモニアなどからできています。

この2つの汗腺の分布が人と犬では異なります。 人ではエクリン腺がほぼ全身に分布しているのに対し、犬は鼻と肉球のみに分布しています。 逆に、アポクリン腺は犬のほぼ全身に分布していますが、人は脇や耳など限られた場所しか分布されていません。 皮膚の構造を見ても、犬にはエクリン腺を出すための汗孔という穴がないのが分かります。 また、犬のエクリン腺には、体温調節というよりも滑り止めや鼻の湿度を保つ役割があります。

犬は呼吸によって体温調節を行う

犬は、口を開けて舌を出して、浅く速い呼吸(パンティング)をします。 唾液や呼気中の水分を蒸発させて体温調節をしているのです。 鼻の低い犬や気道が狭い犬、太った犬では効率がより悪くなりやすく、熱中症の危険性が高くなります。

犬の体毛は季節によって衣替えをする(換毛期がある)

私たちは、季節によって過ごしやすい服装に衣替えをします。 犬達も、毛の量や質を変えることによって過ごしやすいように衣替えをしているんです。 この衣替えを“換毛期”と呼びます。換毛期は、春と秋の2回あります。 犬は犬種によって毛の長さや性質は様々なので、換毛期がある犬とない犬がいます。 犬種によって、人の髪の毛と同じように毛が伸び続けるため換毛期がない犬もいます。 例えば、ヨークシャテリア(上毛のみ)、プードル(下毛のみ)です。

犬のシングルコートとダブルコート

犬には「シングルコート」の子と「タブルコート」の子がいます。

シングルコート

オーバーコート(上毛)あるいは、アンダーコート(下毛)のどちらか1層のみが生えている犬。 例)プードル、マルチーズ、パピヨン、ミニチュアピンシャーなど

ダブルコート

オーバーコートとアンダーコート(下毛)の2層構造になっている犬。 例)ポメラニアン、チワワ、柴犬、ダックスフント、ボーダー・コリーなど

まとめ

人と犬の違いを知って、新しい発見があった方もいるのではないでしょうか。 ワンちゃんのことをもっとよく知って、愛犬との生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。 次回は、犬の栄養素について【三大栄養素編】についてご紹介します。

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ちゃちゃ

ボーダー・コリーと暮らしています。動物看護士とペット栄養管理士の資格を保有しています。趣味は、愛犬と遊べる編みぐるみを作ることです。

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