犬には食べてはいけない食べ物や食材があります。人が食べても無害なものでも犬が食べてしまうと有害な食べ物の場合、最悪のケースでは命を落とすこともあり危険です。犬と人とでは祖先や食性が異なるため、手作り食やおやつとして食べ物を与える際は、必ず犬に与えてはいけない食材と与え方に注意が必要な食材をしっかり確認してから与えてください。今回は、犬が食べてはいけない食べ物
について紹介します。
絶対に犬に与えてはいけない12の食材
まず最初に犬に絶対に与えてはいけない食材からみていきましょう。
ネギ類
ネギ類には、犬の赤血球に毒性のある物質が含まれています。
ネギ類やそのエキスを犬が食べると中毒を起こし、貧血や血尿、喘息、皮膚炎などを起こす危険があります。
最悪の場合、命を落としてしまう危険性があるため、絶対に与えてはいけない食材です。
ぶどう・レーズン
犬にとって危険な食材の一つに「ブドウやレーズン」があります。犬がぶどうを食べてブドウ中毒(ぶどう・レーズン症候群)を起こすと急性腎不全になる可能性があります。
この原因は特定されていませんが、カビ毒や農薬、重金属などが原因として考えられています。
チョコレート・カカオ・カフェイン類
チョコレートやコーヒーに含まれるカカオやカフェインには心臓血管や中枢神経に作用する物質が含まれています。
犬はこの物質への感受性が高いため、大量に食べてしまうとチョコレート中毒を起こし、嘔吐や下痢、興奮、動悸、痙攣などを起こし、最悪の場合命を落とす危険があります。
アボカド
アボカドは、高脂肪、高カロリーの食材であるため、下痢や膵炎を起こす危険性があります。
また、アボカドに含まれているぺルシンという物質によって中毒(嘔吐や下痢)を起こす場合もあります。
ナッツ類
ナッツ類は犬が消化不良を起こすことがありますが、大きな粒のまま丸呑みしてしまうと、腸閉塞を起こす可能性があり危険です。特にマカダミアナッツは、無気力、嘔吐、発熱などの中毒を起こす危険性が高いため、注意が必要な食べ物です。
はちみつ
はちみつにはボツリヌス菌という細菌が入り込んでいることがあります。
人でも1歳未満の子供に与えてしまうと胃腸の機能が十分に発達していないため中毒を起こす危険性があります。
子犬や免疫力の落ちている犬に与えるのは控えるようにしましょう。
生肉
人と同様に生肉を犬に与えると冷凍や冷蔵しているもの、常温のものいずれも食中毒や消化器障害を起こしてしまう危険性があります。生肉には病原性細菌が潜んでいる可能性があります。
鶏の骨
大きな骨や加熱した骨は、縦に裂けて消化管を傷つける可能性があります。特にフライドチキンなどの骨は、飲み込むととても危険です。
香辛料
人間にとって風味を楽しむ香辛料は、苦みや辛みを持つものが多く刺激性の食品です。犬では香辛料を誤飲して肝障害を引き起こす可能性があります。
人用サプリメント
人間用のサプリメントの成分によっては、犬について安全性が確認されていないものもあります。
また、成分が濃縮されて含まれているので、サプリメントによる中毒を起こす危険性も高くなります。
キシリトール
キシリトールが入ったガムを食べた犬が急激な低血糖を起こしたという事例があります。これは、キシリトールによって血漿インスリン濃度が急激に上昇したために起きたと考えられています。車の車内や飼い主さんのデスク周りにガムを置いている場合は、犬が食べないようにしっかり管理をする必要があります。
人間のベビーフードや介護食
人用のベビーフードや介護食には、玉ねぎが含まれているものがあるので、もし愛犬の介護などで与えようと検討されている場合は、しっかり成分表示を確認してください。
犬に与える際に注意が必要な12の食材
次に犬に与える際に注意が必要な食材についてみていきましょう。
これらは、与える分には問題ありませんが、与え方に注意が必要な食材です。
貝類・甲殻類・淡水魚
貝類や甲殻類、淡水魚などは、犬が消化不良を起こしてしまう可能性やのどに詰まらせてしまう危険性があります。
与えるときは細かく刻んであげましょう。
また、生ものではビタミンB1を分解するチアミナーゼという酵素が含まれているため、必ず火を通してから与えましょう。
パイナップル
パイナップルは食物繊維が豊富なので下痢を起こすことがあります。
また、タンパク質を分解する酵素が含まれているため、犬の口の中に口内炎がある場合は注意が必要です。
干しエビ・煮干し・のり
干し海老や煮干し、海苔といった食品にはマグネシウムが多く含まれているので、犬の尿路結石症の原因となる可能性があるため与えすぎに注意が必要です。
レバー
レバーには、脂溶性ビタミン(A、D)が豊富に含まれているので、犬に与えすぎると過剰症の危険性があります。
たけのこ
たけのこは食物繊維が多く含まれているので、消化不良を起こすことがあります。
もし、与えるときは茹でたものを少量細かく刻んであげましょう。
乳製品
哺乳期を過ぎた犬は、成長するにつれて牛乳の中に含まれている”乳糖”という成分を分解する酵素が減少します。
このため、消化不良を起こしやすくなり、下痢をしてしまう場合があります。
発酵乳製品の場合は、乳糖が分解されているので消化不良を起こしづらくなりますが、個体差があるので十分注意して与えてください。成分的には犬にとって牛乳よりもヤギミルクの方がお腹を壊しにくいです。
たまご
生の卵白には“アビジン”という物質が含まれていて、このアビジンはビオチンと呼ばれるビタミンの吸収を阻害するといわれています。卵黄には、ビオチンが豊富に含まれているため、犬に与える場合は全卵で与えるか、熱に弱い性質があるため加熱してから与えてください。
ほうれん草・ベリー類
ほうれん草やベリー類にはシュウ酸が多く含まれているので、シュウ酸カルシウム尿結石症になりやすいため、愛犬に与える場合は少量にしましょう。またほうれん草は茹でてあく抜きしてから与えてください。
果物
果物には糖分が多く含まれているので与えすぎに注意してください。種のある果物は丸呑みすると腸閉塞の危険性があるので桃、スモモ、アンズ、サクランボといった果物の種には注意が必要です。
他には梅干しも種があるため注意が必要ですし、塩分も多く種類によっては酸度が高く刺激があるので与えない方がよいでしょう。
まとめ
人が日常の生活で食べている食材の中には、人にとって健康に良いものでも犬にとっては健康被害を生じてしまうものがあります。
愛犬に健康に長生きしてもらうためにも、犬にとって食べてはいけない食材の知識を持つことは大切なことです。
愛犬に手作りのご飯やトッピング、旬の食べ物を与えたい場合は是非チェックしてくださいね!
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