太ってしまったワンちゃんも、コロコロしていて可愛らしいですが、太っていることで怪我や病気など様々なリスクを伴います。適正な体型であることはワンちゃんの健康維持のためにもとても大切なことです。
今回は、そんなワンちゃんの肥満についてご紹介します。
犬の肥満の原因
犬の肥満の原因は、人間と同じで“食べ過ぎ”と“運動不足”にあります。 摂取カロリーが消費カロリーを上回り、脂肪として体内に蓄積することで太ってしまうのです。 また、避妊・去勢手術をした後は基礎代謝が落ちます。 そのため、与えるごはんの量が手術前と同じだと、消費カロリーが落ちているのに、摂取カロリーは変わらないので、手術後に太ってしまうこともあります。 避妊・去勢手術後は愛犬の体重や適正体型(BCS)をこまめにチェックし、ごはんの量を調整してあげる必要があります。
どの程度からが犬の肥満?
【BCS4】と【BCS5】に当てはまると肥満となります。 愛犬の肋骨や腰骨のあたりを触った時に骨までの間に脂肪が少したっぷり触れたらダイエットが必要です。 適正体型の詳しい触り方・見方はこちらをご覧ください。 また、他にも犬種によって体型は大きく異なるので、お散歩のときなどに愛犬と同じ犬種の犬と比べてみるのも良いでしょう。
肥満によって高まるリスクと病気
犬も人間と同じで太っていると、以下のような病気や怪我などのリスクが高まります。
- 糖尿病や心臓病、関節疾患、歯周病などの生活習慣病になる。
- 心臓への負担がかかり、高血圧症の危険性も高まる。
- 関節に負担がかかり、関節炎などの発症リスクが高まる。
- 手術が必要な場合に、麻酔がかかりにくく、さめにくい危険な状態になる。
- 暑さに弱くなり、夏バテや熱中症などの危険性が高まる。
- 免疫力が低下し、皮膚炎などの感染症にかかりやすくなる危険性が高まる。
太ってしまうと、こんなにもたくさんの病気や怪我のリスクは高まってしまいます。 このような病気や怪我にならないためにも、愛犬が太っていたらダイエットをさせ、適正な体型をキープできるようにしましょう。 適正な体型について詳しくはこちら
犬の肥満予防が大切
人間と同じで犬も痩せるのは大変なのです。まずは太らないように予防してあげることが大切です。 体重や体型をこまめにチェックしたり、適度な運動をさせてあげたりしましょう。 特に、成長期の肥満は要注意です。 通常、肥満の状態は脂肪細胞が大きくなるだけですが、成長期の肥満の場合、それに加えて脂肪細胞の数まで増えてしまうので、さらに痩せるのが大変なのです。 そうならないためにも、成長期の段階できちんと肥満予防をしてあげましょう。
もし愛犬が太ってしまったら…
愛犬が太ってしまったら、頑張ってダイエットさせましょう。飼い主さんの根気がとても大切です!
まずは、ごはんの量を見直します。
“カップ1杯”や“スプーン何杯か”などの目分量でごはんを与えている場合は、計量器できちんと量る習慣をつけてください。何回か図っていると量の感覚を掴むことができるので、完全に掴めたら目分量でも大丈夫です。
目分量にした場合は、定期的に量りで量って、量の確認をしてください。 また、ただ食事量を減らしてしまうと満腹感・満足感が得られなくなる場合もあるので、同じ量でも低カロリーの食事に切り替えてあげるのも一つの方法です。
間食を減らす、または無くすことも大切です。 おやつは、クッキーやジャーキーは高カロリーなので、野菜スティックなどの低カロリーなものにしてあげましょう。
また、頭を使いながらゆっくり食べることで満腹感が得られるので、フードボウルを凹凸のあるものに変えるのもダイエットに効果的です。
次に運動量を増やしてあげましょう。
1日に20~60分程度のお散歩をしてあげてください。
もし、忙しくてお散歩の時間が取れない場合、お家でボール遊びなどでもOKです。
運動をするときは、愛犬が関節を痛めないよう、充分に気をつけましょう。
いきなり激しい運動はせず、徐々に運動量を増やしていくのがポイント。
夏の暑い時期はプールで水遊びなどもおすすめです。陸の運動に比べて、浮力があるので関節に負担をかけず、さらに水の抵抗によって運動量が増えます。
大切な愛犬が長生きできるよう、“適量のごはん”と“適度な運動”を心がけ、健康的な体型【BCS3】をキープできるように頑張りましょう!
まとめ
丸々しているとかわいく見えたり、眼が何か訴えているようで、どうしてもおやつを与えすぎてしまうこともあるでしょう。でも、ワンちゃんの健康は、第一には飼い主さんの手に委ねられています。肥満によるリスクを十分理解して、愛するワンちゃんに、健康で長生きしてもらうためにも、太らないように気を付けてあげましょう。ただ、食事や運動に気を付けていても、太ってくる場合は病気が原因の場合もありますので、そのような場合は動物病院を受診して下さい。
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