犬の基本的なしつけ方〜伏せ編〜【子犬から成犬まで】

しつけ

犬のしつけでは「伏せ」を教えることは、飼い主への服従や絆を強める効果があります。「伏せ」は「おすわり」や「待て」とともに、人間の暮らしの中で犬が生活していくための、コミュニケーションツールでもあるのです。今回は、子犬から成犬までの「伏せ」のしつけの方法についてご紹介していきます。

犬に「伏せ」をさせる役割とは

「伏せ」は、「おすわり」や「待て」ができたら次に犬に教えたい指示(コマンド)の一つです。これらの3つの指示は、人間との暮らし方を学習させ、飼い主さんとの信頼関係を築き、犬の行動を飼い主がコントロールするために役立つ指示です。
しかし「伏せ」は「おすわり」や「待て」よりも難易度が高くなります。これは、伏せるという犬の行動に、犬にとって最も体を低くする服従を意味する姿勢を示す役割があるからです。このため、すぐに動くことのできないほど、からだを低くする「伏せ」は、犬にとって無防備な姿勢ともいえます。警戒心の強い犬や、怖がり、頑固な犬は、こういった理由から、「おすわり」や「待て」に比べると、伏せが出来るようになるまで時間がかかることがあるのです。

【実践】「伏せ」のしつけ方

ここからは「伏せ」のしつけの方法についてご紹介して行きます。「伏せ」を成功させるためには、犬が嫌がったら無理強いしないこと、体罰は絶対に使わないこと、練習中は犬が反応するような刺激を与えないようにすること、飼い主を含めて家族全員が意志を統一して同じ指示語(コマンド)で行うことがポイントとなります。

伏せができるようになるメリットは、カフェや動物病院でおとなしくしていることができる、伏せをさせることで飼い主さんとの絆を深くする、長い時間「待て」ができるようになる方法の1つとなる、緊張している犬のからだを休めさせること(リラックス)ができる、といったことが挙げられます。

犬のしつけの方法にはさまざまなアプローチ方法がありますが、今回は、褒める、おやつを使う2つのしつけの方法をご紹介します。

褒める方法を使った伏せのしつけ方

犬がたまたま伏せる仕草を利用する場合

1.犬がからだを休めようと伏せをしようとした状態であるタイミングで「伏せ」と声をかける。

2.伏せをしたら「いいこ」「グッド」と褒め、これを継続する。

飼い主さんとある程度コミュニケーションが取れている場合

1.犬に飼い主への集中を取るために向かい合わせで「おすわり」をさせます。

2.「伏せ」と優しく声をかけながら、犬の前足を軽く引っ張って、暴れて抵抗しないようであれば、伏せの体制にさせる。
(このとき、パニックを起こすほど暴れる時は違うアプローチ方法を探る)3.伏せをしたら「いいこ」「グッド」と褒め、これを継続していく。

おやつを使った伏せのしつけ方

1.まず手に複数のおやつを握り、犬に飼い主への集中をさせるために向かい合わせで「おすわり」をさせる。

2.犬に高い位置からのプレッシャーを与えないために、飼い主がそのまま真っ直ぐにスッとしゃがみ、手に持ったおやつを犬の視界に入れる。

3.おやつを手に握って、ちょうど伏せたときに犬の鼻が来る位置を予測して、握った手を地面につける。

4.伏せをするような体勢で握った手の匂いを嗅いだら、手の中のおやつを少量ずつ食べさせながら、からだを優しく撫でる。

5.犬のからだがきちんと伏せの体勢になったら「伏せ」または「ダウン」と指示を出しながら手の中のおやつを食べさせる。

しつけの方法としてしっかりとお伝えしなければいけないことは、犬はからだのボディランゲージで犬同士のコミュニケーションを行っています。
「伏せ」は犬にとってリラックスするからだの姿勢であり、服従のサインでもあるのです。
このため、伏せが出来ないからと人間がイライラして、物を投げる、叩く、蹴る、からだを引っ張る、上からのしかかって強制的に伏せをさせるといった行動は、犬に極度の恐怖を与えます。
それよりも、犬が伏せをしたくないというサイン、つまり、まだ信頼関係が構築されておらず、あなたに服従したくありませんよ、もう少し時間が必要ですよ、というサインでもあることをしっかりと理解すべきです。

犬に体罰や恐怖を与えるしつけの方法よりも、犬が楽しく嬉しく感じるしつけの方法のほうが犬の精神状態に良いことは明らかです。

「伏せ」を学習させるときには、「おすわり」や「待て」を教えるときよりも、犬が安心できる環境を整えてあげることが必要です。不安や緊張、興奮、恐怖を感じているときは、犬がリラックスした状態でいることができません。
普段と異なる慣れない床材のある場所や、湿った地面、凹凸のある地面、といった環境の変化も犬は敏感に反応し、頑なに伏せをしない場合もあります。
あまり犬に気を使うのは、変な話かもしれませんが、嫌がられ、次から察してやらなくなるよりかは、気を使ったほうがましであると考えてください。
屋外では騒がしくない場所、犬が外の刺激に反応しにくい場所を選びましょう。屋内では、テレビやオーディオを消して、集中できる環境が整っているときに、伏せを学習させるしつけの方法がおすすめです。

同じことを何度もさせられると犬の集中力は落ちてきます。伏せは成功するまでに時間がかかることがあるので、犬が飽きてきたなと思ったらその日は終わりにして、気長に練習していくことも伏せを成功させるために必要なことです。

成犬への「伏せ」のしつけの方法

成犬に伏せを教える時も同じしつけ方法で行います。ただし、今まで飼い主さんと暮らしていて、特に芸を教えてこなかった場合は特に神経質になることもありませんが、保護犬、譲渡犬といったケースで、まだ新しい家族とのコミュニケーションが取れておらず、信頼関係が築かれていない場合は、手足を引っ張って伏せをさせるしつけの方法よりも、おやつを使って伏せを導くしつけの方法のほうが、犬の緊張や不安を高めないで伏せを教えることができるでしょう。どの方法を選択するかは、飼い主さんが愛犬の様子をみて判断するべきです。

まとめ

犬が伏せを出来るようになったら、飼い主さんとの関係が一歩進んだと考えてよいでしょう。頑固な犬はなかなか伏せをしてくれないかもしれません。そんな時は、すぐに出来るようになることを目指すのではなく、飼い主に服従できるまで、「おすわり」や「待て」を繰り返し行い、たくさん同じ時間を過ごして信頼関係を築きましょう。伏せができることで、ドッグカフェでも犬がリラックスした時間を過ごすことができます。

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ドッグパッド編集部

ドッグパッド編集部

ワンちゃんとの楽しい生活に役立つ独自の情報を取材し、配信するエディター集団です。皆さまが普段「あるといいな」と感じていること「こんな工夫は楽しいよ」と知らせたいこと、疑問、質問、困りごとなど、どしどしお寄せください。

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