最近は猫ブームに押されているとはいえ、日本での犬の飼育数は決して低いものではありません。
大切な家族の一員として大切に飼育されている犬が多くいますが、日本以外の国ではどうなのでしょうか?
日本での人気の犬種はトイプードルなどの小型犬で、ここ数年変化はありません。では、海外ではどのような犬種が人気なのでしょう。
そこで今回は、海外のなかでもアメリカでの犬の飼育状況や、人気の犬種などを紹介していきたいと思います。
アメリカでは小型犬と大型犬どっちの飼育頭数が多い?
アメリカは世界的にみても犬の飼育数が多い国とされています。そのなかで小型犬と大型犬の飼育頭数を比較してみると、圧倒的に大型犬の飼育頭数が多いです。
実際の飼育頭数は全ての犬種を合わせて約7000万頭とされているのですが、そのなかの約7割程度が大型犬だといわれています。
実は15年程前までは大型犬飼育頭数の割合は全体の8割以上だったのですが、小型犬の飼育頭数が増加傾向にあり、ここ数年で少しずつ飼育頭数の割合に変化が出てきています。
その理由として、子どもが巣立った後に犬を飼育しようと考える家庭で、大型犬は体力的に無理でも小型犬ならと考える年配の方が増えてきているということがあるようです。
但し、日本で人気犬種のチワワやトイプードルのような超小型犬を飼育する方はまだまだ少なく、中型犬かそれよりも少し小さい犬が飼育されています。
その理由について、次の項目で紹介していきます。
アメリカ人が好む犬の傾向
アメリカでは犬はペットというよりも、家族の一員であり大切なパートナーという考え方が大変強いです。
勿論日本でも同じような考えを持っている飼い主さんは多くいますが、アメリカの飼い主さんは実際の生活環境をみてもその意識が強いと各国の愛犬家から認められています。
そのため、可愛らしく抱っこをするような小型犬ではなく、共に連れ立って歩くような大型犬を好む傾向が強いようです。
感覚的に言うと、日本人にとって犬は家族の中でも子どものような存在であることに対し、アメリカ人は友人のようなパートナーとして、また時には自分や家族を守ってくれる頼りになる存在として捉えています。
またアメリカでは、レストランで食事をする時や、公共の乗り物に乗車して出掛ける時も行動を共にする方が多くいますので、その分犬に対するしつけが大変厳しくドッグトレーニングの施設が驚く程多くあります。
日本でドッグトレーニングを利用する場合には、問題行動のある犬に困って仕方なくというパターンが多いようですが、アメリカの場合には子犬の頃から専門家によるドッグトレーニングを受けるのはごく当たり前の事となっています。
アメリカでは犬の飼育頭数が世界的にみても多いと紹介しましたが、ドッグトレーニングを行いしつけやマナーが行き届いているからこそ、社会にも犬がごく自然に受け入れられ、その結果飼育しやすい環境であることが飼育頭数増加にも繋がっているといえます。
室内飼いと屋外飼いどっちが多い?
アメリカの住宅事情を考えると、広い庭に放し飼いで大型犬を飼育しているようなイメージを持ちますが、実は犬を屋外で飼育している家庭はほとんどありません。
これは犬をパートナーとして扱っているからこそ当然室内で共に暮らすという考えと、屋外飼育をしていると犬の盗難などの恐れがありますので、治安的な事からも室内飼いが一般的とされています。
また、日本とは生活環境が違い、アメリカでは土足のまま家に中に入る生活ですので、散歩の後に犬の足を拭いたりするような習慣はなく自分が帰宅して靴のまま室内に入るのと同時に犬も一緒に入ることに違和感を抱くこともないのかもしれません。
その他には、高額な医療費も関係している可能性はあります。日本でも保険のきかない獣医療は高額な治療費を請求されます。アメリカでもこれは同様で、治療内容によっては日本とは比較にならない程の治療費がかかることも少なくありません。
この治療費の支払をカバーするべく、ペット保険への加入も年々増えてきてはいるようですが、この保険料自体も日本とは比較にならない程高額であることが多いです。
そのため、屋外ではなく室内で共に生活を送りながらこまめに健康チェックを行う飼い主さんが多いようです。
アメリカで人気の犬種TOP10
では実際にアメリカで飼育数の多い人気犬種を何かを紹介していきましょう。
1位:ラブラドールレトリバー(日本では20位)
2位:ジャーマンシェパード
3位:ゴールデンレトリバー(日本では13位)
4位:フレンチブルドッグ(日本では11位)
5位:ブルドッグ
6位:ビーグル(日本では22位)
7位:スタンダードプードル
8位:ロットワイラー
9位:ヨークシャーテリア(日本では8位)
10位:ポインター
上記はアメリカンケンネルクラブ(AKC)が調査した、2017年度版の人気犬種トップ10になります。
ちなみに1位~3位までの順位は、ここ数年変動はなく不動の順位とされていています。更に1位のラブラドールレトリバーに関しては、27年間も1位の座に輝いている大人気の犬種となります。
この結果を見ると、TOP10入りしている犬のうち半分以上は大型犬となり、小型犬の人気が上昇してきているとはいっても、やはりアメリカでは大型犬を好んで飼育していることが分かります。
参考までに日本の人気犬種TOP3は「トイプードル・チワワ・10㎏以下のMIX犬」となっていて、アメリカとは違い小型犬を好む傾向にあります。
まとめ
アメリカで好まれる犬種と、その理由や飼育状況などについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
犬を大事に思う気持ちは日本人もアメリカ人も同じだとは思いますが、飼育環境や犬に対する考え方には少し違いがあるようでした。
その違いが、飼育されている人気の犬種をみるとよく分かりました。
ただ最近では、大型犬を飼育しようとする方が日本でも増えてきていますし、アメリカでも小型犬を飼育しようと考える方が増えてきているとされていますので、数年後にはまた少し事情が変わっているかもしれません。
コメント