仕事にも買い物にも愛犬を連れて行きたい!そう思っても難しいのが現実です。愛犬をひとりでお留守番させるときにおこる問題行動。その問題行動を軽減させるためのしつけや対策をご紹介します。
お留守番は愛犬と飼い主さんのストレスをためやすい
自宅から外出をするとき、愛犬に吠えられて、後ろ髪をひかれ。帰宅したら、部屋の中に台風でも上陸したかのように荒れていた。なんてことはありませんか?
愛犬にひとりでお留守番をさせることは、飼い主さんにとっても愛犬にとっても大きなストレスがかかります。
ですが、愛犬と一緒に行ける場所は限られており、やむを得ない選択で、愛犬にお留守番をさせることも多いと思います。
お互いのストレスが少しでも軽減できるように、お留守番のためのしつけや対策をしましょう。
愛犬のお留守番!事前に準備しておきたいこと
愛犬をひとりでお留守番させる前に、やっておきたいことをまとめました。
知っておきたい犬の分離不安
「分離不安」という言葉を聞いたことがありますか?
愛犬が、飼い主さんや一緒に暮らしていた犬などに依存をしてしまい、その対象と離れたとき、異常な行動をするようになります。
飼い主さんと一緒にいる時間が長かった愛犬に、突然毎日のお留守番が余儀なくされた場合などに起こりやすい症状です。
【分離不安が原因で起こる行動の例】
・過剰に吠える
・不適切な排泄をする
・異常な破壊行動
・被毛をむしったり足を舐め続けたりする自傷行動
分離不安は、飼い主さんの想像を超える異常な行動を引き起こします。吠えで例えるなら、「外に向かって永遠に吠え続ける」という感じです。
愛犬が分離不安かな?と少しでも感じたら、獣医師さんや専門知識があるドッグトレーナーに必ず相談をしてください。
普段からサークルで過ごす時間をつくる
飼い主さんと愛犬が一緒にいるときに、お互いが別々の時間を過ごすことは、分離不安の予防にもなります。
また、お留守番のときだけ、愛犬をサークルへ入れると「サークル=お留守番」と学習をしてしまいます。
そのため、サークルを見るだけで逃げる、吠えるなどサークルに対して悪い印象を植え付けてしまうのです。
日ごろから、サークルの中で過ごす時間を作っていれば「サークル=リラックスできる場所、安心できる場所」という認識になります。
愛犬のストレスを軽減するためにも、お留守番のときだけ、愛犬をサークルに入れることはやめましょう。
トイレトレーニングは必須です
愛犬を室内でお留守番させるなら、トイレトレーニングは必須です。
トイレトレーニングができていない状態で、お留守番をさせることはおすすめできません。
トイレトレーニングの方法が分かりやすく書いてある記事をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
お部屋の環境を整えよう
愛犬をお留守番させる前に、愛犬にとって安全なお部屋づくりをしましょう。
愛犬をお部屋でフリーにしておくなら、些細なことですが「テーブルの上のボールペンをしまう」「愛犬が閉じ込められてしまいそうな部屋のドアは閉める」など、愛犬が安全に過ごせる工夫をしてあげてください。
お部屋の温度管理も大切です。日差しが強い場所にサークルは置かない、エアコンなどで温度管理をするなど、愛犬の健康を考えた環境をつくってあげましょう。
飼い主さんがいるときにテレビをよくつけているなら、テレビをつけっぱなしにすることや、帰宅が遅くなる場合は、電気をつけて出かけるなどの工夫も大切です。
愛犬のお留守番のしつけ
愛犬にお留守番をさせるとき、起きやすい問題行動とそのしつけについてご紹介します。(分離不安の傾向がない問題行動の行動改善です)
吠えてしまう!原因と対処法
【出かける前に吠える場合】
1.外出をしない日に、外出をする洋服、小物(カバンなど)を身につけ、愛犬に見せる
2.愛犬が吠え始めたら、飼い主さんはソファーなどに座りくつろぐ
3.吠え止んだら、静かに褒める
飼い主さんの服装などで、愛犬は外出を予想して吠えることがあります。
1~3を繰り返し、外出を予想させないようにしましょう。
1~3を繰り返して、愛犬が吠えなくなったら、少しずつ玄関へ近づいてみましょう。
まずはお部屋の中だけで練習をしてみてください。
【外の音に反応して吠える場合の対策】
・ピンポン吠えをする場合、可能ならチャイムの音が鳴らないようにして出かけましょう
・窓の外や玄関に向かって吠える場合は、その場所にアクセスできないようにしましょう
音に対する反応は、その対象別にしつけをする必要があります。
そのため、お留守番をさせるときは環境の操作を飼い主さんがおこない、できるだけ吠えない環境を作ることもひとつの方法です。
破壊行動の原因と対処法
愛犬をお留守番させて帰宅すると「ペットシーツがボロボロになっていた」などの破壊行動。
ひとりでお留守番をしているときに破壊行動する場合「退屈だったから」ということが多く「たまたま目の前にあったペットシーツをかじってみたら、びりびり破れて面白かった」というのが破壊行動の主な原因です。
【退屈からくる破壊行動の対処法】
・外出前、お散歩などをして、愛犬に適度な疲れを与えましょう
・安全性の高い、噛んで遊べるおもちゃを取り入れましょう
・クッションなどを噛んでしまう場合は、対象物が置いてある場所にアクセスできないように、フェンスなどを利用しましょう
犬は疲れると眠ります。愛犬が眠っている間に帰宅するのが理想ですが、お仕事などですと難しいのが現実です。
長時間のお留守番をさせる場合は、噛んで遊べるおもちゃなどを取り入れて、できるだけ愛犬を退屈させないようにしましょう。
帰宅後、破壊されているものを見て、愛犬を叱らないでください。
犬は時間が経過したものを叱られても、理解できないのです。
愛犬にお留守番をさせるときの注意点
愛犬にお留守番をさせる時間
成犬が排泄を我慢できる時間は、犬種や体の大きさ、年齢などにより違いがありますが、12時間前後といわれています。
排泄の時間だけを考慮すると12時間以内に帰宅することが理想です。
ですが、メンタル的な問題を考えると、一概にこのくらいならお留守番をさせても大丈夫という時間はありません。
愛犬の心の健康も考慮し、できるだけお留守番をさせる時間は短くしましょう。
出かける前と帰宅時、飼い主さんの行動
愛犬のことが大好きだからこそやってしまう「ただいま!」と「行ってくるね」の挨拶。実はこれが、愛犬のひとりの時間をより孤独にしてしまうことがあるのです。
お留守番をしている時間と、飼い主さんがいる時間のギャップをなくすために、出かけるときは、心の中でそっと愛犬に挨拶をしましょう。
そして帰宅時は、愛犬を抱きしめるなどせずに、そっと帰ってくるようにしましょう。
遠隔カメラを使ってみよう!
お仕事などで愛犬を長時間お留守番させるとき、不安を感じるのは愛犬だけではありません。
飼い主さんも自宅で待っている愛犬が何をしているか、とても気になるのではないでしょうか。
そのようなときに便利なのが「遠隔カメラ」です。
スマートフォンなどで簡単に設定できるカメラが増えています。
愛犬がお留守番をしているとき、何をしているかわかると、問題行動の早期改善ができることもあります。
飼い主さんも安心できる遠隔カメラは、忙しいご家庭におすすめのアイテムです。
最後に
どのような理由でお留守番をさせるとしても、愛犬にとってストレスがかからないお留守番はありません。
お互いのストレスが少しでも軽減できるように、問題行動を予防するしつけや対策などを取り入れていただけたらと思います。
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