【ディスクドッグへの道vol.10】 自チームの特徴・癖を理解する

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前回から、中級者向けとしてディスクドッグチームのレベルアップを図るための内容に進みました。
今回は、自分のスローイングの癖・特徴を踏まえて実戦に向けての対策を考えていきましょう。これによって、その時々のスキルに見合った戦術をとることが可能になるので、より上位を目指すことが可能になるはずです。

自分のスローイングの癖を正しく理解する

ディスクドッグを始めてから、スローイングの練習を重ねて行くに従って、自分のディスクの軌道がある程度の規則性があることに気づく人は多いと思います。同じトレーニングを積んでも、それぞれの方が投げたディスクの質に違いが出ることは自然とも言えることで、それは各自の体の使い方であったり、ディスクを押し出すスピード、ディスクが手を離れるときに掛かる回転数、腕を振り出す微妙な角度など、違う要素が重なることで起こります。

私は大会などでクリニックを請け負う際に、受講される方には基本的な技術についてお話した上で、それぞれの方が違ったディスクの軌道を描くことは普通であることを説明するように努めています。

練習によってスキルを高めていくことはとても大切なことなのですが、大会に参加する場合にもっと大切なことは、現時点での自分のスローイングにどのような癖や特徴が有るのかを正しく理解して臨むということなのです。それは、その特徴にあった戦術を組んで戦うことが少しでも上位に食い込んでいくために必要となってくるからなのです。

では、よくありがちな特徴を挙げながら、考えてみることにしましょう。

以前、このディスクドッグへの道vol.4“ディスクの投げ方”でも触れたかも知れませんが、ディスクのアングル(角度)と飛び方の関係を思い出してみましょう。

ディスクは、そのアングルによって飛行する方向をある程度決定します。それと、投げ出す初速によってその飛距離を調整します。

その特性を踏まえた上で、普段のあなたのディスクの軌道を思い浮かべてください。(あなたが、理想とするディスクの軌道で投げられるとしたら、この項は読む必要はありません。次の章へ進んでください。)

  • 目標に向かって投げると右に曲がるのか、左に曲がるのか。
  • 平均的な飛距離はどの程度なのか。
  • 高さは低いことが多いのか、高いことが多いのか。

これらの特徴を理解できていれば、ある程度の戦術を組むことができます。

曲がる方向に対する対策

上の図を見てみましょう。

これは、飛行するディスクの軌道が、投げ出された後に徐々に右に流れていくパターンを示しています。右利きの初中級者に良くある軌道です。力めば力むほど右に切れる角度や描く弧が大きくなる傾向にあります。

では、どうするのか。図の「A」で示すのは、スローイングエルあのセンターから、真っ直ぐに投げ出した場合を示しています。ディスクは6Pゾーンにさしかかるまでは直進していますが、推進力が失われる頃から急激に右に切れていきます。

こういったパターンで多いのは、ワンちゃんがディスクを追いかけてジャンピングキャッチをするので、右エッジアウトになってしまうことです。これを修正するためには、同じセンターポジションから投げるのであれば、「B」のようにディスクを狙う方向を左に定めます。

これによって、初めは左エッジに沿うようにディスクは飛びますが、終盤は右に切れながらセンターに落ちて来るので、キャッチをする場所はポイントエリア内のセンター付近になるのです。初めは左側を狙うには少々戸惑いもあるでしょう。

左を狙ったら、少しでも左に切れたらアウトになってしまう、そんな心配をするものです。しかし、自分のスローイングの癖が有る限りは、こういった戦術を練ることはとても大事になってくるものなのです。

飛距離に対する対策

ここでは、飛距離が長いほど高ポイントを得られるといった話しではありません。自分が投げるディスクをどのポイントエリア中心に組み立てるかという戦術の中心になる大切な軸になります。

上の図は、「A」「B」どちらも6Pゾーンに投げ込んだ図です。同じポイントですが、「A」は6P奥まで飛んでいる場合、「B」は手前に飛んでいる場合で、その距離の差は8~9mもあります。この差を5投続けるとすると、「B」であれば6投めが入る可能性も高くなってきます。

この飛距離のコントロールは、ラウンド内でポイントを作って行く上ではとても大切な要素になります。自分のスローイングでどの程度の距離が見込めるかを把握するのはとても大事なのです。

高さに対する対策

ここは、犬の視野が大きく拘わってきます。「A」「B」それぞれの高さでは、同じ距離でも高さによって犬の視野に入るか入らないかが異なってきます。Bの高さでは「B1」では愛犬に見えていないため、より遠くの「B2」に到達させる必要があります。となると、より早いタイミングでディスクを投げ出さないと愛犬の視野に入るディスクが投げられていないことになる訳です。

よく、ディスクを投げた後に愛犬がクルクルと回ってしまうのを目にしますが、これは愛犬の癖もありますが、多くは視野にディスクがないためにディスクを探す行動の一つです。愛犬をアラウンドさせて投げ出す時間稼ぎをするのか等、自分のスローイングの時間的な要素を分析しておくと良いでしょう。高さを活かすのであれば早い投げ出しを、投げ出しのタイミングを変えたくないのであれば、高さを抑えるといった、愛犬の視野と自分のディスク軌道のマッチングをここでは考える必要があるのです。

最後に

今回は、スローイングの癖・特徴を自覚した上で大会での戦術と結びつけた考え方に触れてみました。人それぞれにスローイングの癖はありますし、その時時のコンディションによっても多少は変わってきます。それをしっかりと自覚することが成績に必ず繋がってくるものなので、自己分析を確実に行ないましょう。あなたのランキングアップに必ずや役立つと思いますよ。

大塚 裕

大塚 裕

1961年東京生まれ。現NDAコミッショナー。愛犬JACKEYと2001年にディスクドッグ世界大会に日本代表第1号として参戦。その後も2度日本代表となる。ディスクドッグの楽しさを広く知ってもらうことに喜びを感じている。

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