【ドッグトレーナーのしつけ教室】「待て」ができない子への教え方伝授!

しつけ

犬の基礎トレーニングシリーズ第3弾は「犬に待てを教える」です。「待て」ができるようになると写真を撮るときや、動物病院やドッグカフェなどで、愛犬に落ち着いて欲しいときにとても役立ちます。また、突発的な危険から愛犬を守ることもできます。愛犬にマスターさせたい指示のひとつ「待て」の教え方をご紹介します。

犬に「待て」を教えるタイミングはいつ?

愛犬に「待て」はいつ教えたらいいのでしょうか?「待て」を愛犬に教えるタイミングは、「お座り」や「伏せ」ができるようになってからが理想です。なぜなら、愛犬が歩いているときなどに「待て」と指示を出してもできないことが多く、とても難しく難易度が高いからです。

まず、「お座り」や「伏せ」をさせて愛犬の動きを止め、犬が飼い主さんに注目している状態で「待て」を教えましょう。「お座り待て」「伏せ待て」などとセットで考えてもいいと思います。

「お座り待て」や「伏せ待て」ができるようになると、愛犬は「待て」は何をしたらいいのかを理解します。そこまで「待て」が愛犬に定着していれば、愛犬が歩いているときなどに「待て」の指示を出しても止まるようになります。

子犬はもちろん、少し根気はいりますが、成犬にも「待て」は教えておきたい大切な指示のひとつです。今まで練習をして、できないと思われていた飼い主さまも、ぜひ挑戦してみてください。

それでは、愛犬と楽しみながら「待て」の練習をしていきましょう。

犬に「待て」を理解してもらう方法と理由

「お座り」や「伏せ」ができるようになったら、次に教えたい指示語「待て」。

ドッグトレーナーがなぜ犬に「待て」を教えるのか、その理由や「待て」の教え方をご紹介します。

1.犬に「待て」を教える手順

「お座り待て」の教え方 ステップ1~時間編~

まず犬にお座りをして、待つことを覚えてもらいましょう。

1.犬に「お座り」をさせます。「待て」と言い、2~3秒待ちます。犬が動かなかったら「よし」「good」などの正しいことをした合図を出し、ご褒美をあげます。
もし動いてしまったら、おやつを手に持ち匂いを犬に嗅がせ、与えずにおやつをしまいます。(できたらおやつをあげたのに、動いたからあげない。という罰を使います)これを繰り返し、犬の失敗が1割程度になるまで続けましょう。

この練習の時、飼い主さんは小型犬や中型犬なら犬の前にしゃがみ、犬との距離は離さないようにしてください。

2.1の練習と同じことをします。ですが、時間を少し延ばします。まず5秒待てるように練習をし、それができるようになったら8秒。
このような感じでゆっくりと待つ時間を延ばしていきます。最終目標は1分です。

ここで注意したいことは、いきなり時間を延ばしてしまうと、犬の失敗率が上がります。長くても5秒刻みくらいにして、ゆっくりと成功経験を重ねながら時間を延ばすことが教え方のポイントです。

3.1分間待てるようになったら、繰り返し待つ練習をします。

ここでの注意点は、1分間の「待て」ばかり続けて練習をしていると犬が飽きてしまいます。犬が飽きないように待たせる時間をランダムにしましょう。
例えば10秒、30秒、3秒、1分。このような感じで犬の集中力を維持することが大切です。

「お座り待て」の教え方 ステップ2~距離編~

ステップ1である程度の時間、「待て」ができるようになったら、今度は指示を出す飼い主さんと犬の間に距離があっても「待て」ができるように練習をしましょう。

1.犬の前に飼い主さんが立ち、犬に「お座り」をさせ、「待て」と指示を出します。そして飼い主さんは立っている場所から1歩後ろへ下がり、すぐに元の場所へ戻ります。
犬が動かないで待っていたら「よし」などの褒め言葉を言いご褒美をあげます。犬が動いてしまったら「おやつを持っていたのに、動いたからあげない」の罰を使いましょう。

どうしても犬が動いてしまうなら、1歩下がらずに、まずは犬の前に立って指示を出す練習から始めましょう。そして半歩から1歩。このような感じで犬との距離を徐々に延ばしていきます。犬の失敗が1割くらいまで下がったら次の練習に進みます。

2.先ほどは1歩だけ下がりましたが、今度は徐々に距離を延ばしていきます。手順としては「お座り」をさせ、「待て」の指示を出し、2歩下がる。2歩下がっても犬が待てるようになったら、3歩へ。そして目標は部屋の隅から隅くらいまで離れても待てるようにしましょう。

犬の失敗が1割程度になったら次のステップに進みます。

「お座り待て」の教え方 ステップ3~時間+距離編~

ステップ2ができるようになったら今度はステップ1とステップ2を組み合わせた練習をしていきましょう。

1.犬の前に立ち「お座り」、「待て」と指示を出します。そして1歩下がり2~3秒待って犬の前に戻ります。このように待つ時間と犬との距離を組み合わせて練習をします。
犬が動かなかったら「よし」などの褒め言葉を使い、ご褒美をあげます。動いてしまったら「おやつを持っていたのに、動いたからあげない」の罰を使いましょう。

2.1ができるようになったら、今度は距離と時間を延ばしていきます。この時の注意は、両方を一度に延ばさないことです。

練習方法の例は、5歩下がって2秒待ち戻る。1歩下がって10秒待ち戻る。このような感じで、どちらかを延ばしたらどちらかは短く。
そして時間と距離を少しずつ延ばしていき、最終的には1分間、飼い主さんが犬から部屋の隅まで離れても待てるようにしましょう。

「お座り待て」の教え方 ステップ4~時間+距離+刺激編~

ステップ3ができるようになったら今度はステップ3の練習に刺激をくわえていきます。

例えば、「お座り」「待て」の指示を出し、犬の前にボールなどの犬のおもちゃを置きます。置いても動かずに待てたら、今度はボールを転がす、おもちゃを動かすなどをして刺激を強くします。
他にも、離れた場所で飼い主さんが足踏みをして「ドンドン」と音を鳴らしたり手を叩いたりしてみてください。このステップの最終目標は「お座り待て」をしている犬を軸に飼い主さんが犬の周りを1周しても動かないことです。

ステップ4までできるようになれば「お座り待て」の上級者です。「伏せ待て」も教え方は同じです。ぜひ挑戦してみてください。

こちらにも「待て」を教える方法が書かれているのでぜひ参考にしていただけたらと思います。

2.「待て」を教える理由

猫を飼っている方に面白い質問をされました。犬はどうしてご飯を食べる前に「待て」をするの?と。

確かに猫に「待て」を教える飼い主さんは少なく、逆に犬には必要な基礎トレーニングのひとつとして「待て」を教えます。
なぜなら、犬が「待て」を覚えるとコントロールしやすくなるからです。

拾い食いの癖がある犬の近くに食べ物を落としてしまった時、「待て」ができれば拾い食いの抑制ができます。飼い主さんが慌てて食べ物を拾おうとすると、犬も勢いよくその食べ物に飛びついてきます。取り合いゲームを避けるためにも「待て」は活躍します。

またお散歩中に、万が一リードが外れてしまったら「お座り待て」をさせることで犬をその場に留められます。
このように「待て」ができると愛犬を危険から守ることもできるのです。

「待て」が上手くいかない理由と対処法

少しずつの積み重ねが大切

トレーニング方法を読んでいただき、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、新しいことを犬に教えるときは、簡単なことからの積み重ねが大切です。

「お座り待て」を教える手順をかなり細かくお話をしましたが、実際に私がトレーニング現場でやっていたことです。

突然難易度が高いものを犬にやらせようとしても、それをできない場合が多く失敗をします。やりすぎかな?と思うくらい慎重にゆっくりと難易度を上げることがとても大切で、トレーニングを成功させる重要なポイントになります。

失敗を繰り返さない

トレーニングをしていて犬が失敗をしたら、いちど犬ができるレベルまで下げて成功をさせ、ご褒美をあげてください。

何度も失敗を繰り返して、ご褒美をもらえなかったり、褒め言葉をかけてもらえなかったりすると犬の集中力は切れます。そしてトレーニング自体を嫌いになってしまう可能性もあります。

失敗をするということは、その前のレベルがまだできていないこともあるため、焦らずにいちどひとつ前の練習に戻り、しっかりとそのレベルを定着させることが大切です。

最後に

「待て」は飼い主さんと愛犬の間に信頼関係があってこそできるものだと思っています。今までできないとあきらめていた飼い主さまも、ぜひ挑戦してみてください。
「待て」をマスターしていただき、皆さまのドッグライフが豊かに、そして快適になることを心より願っております。

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只野 アキ

殺処分をなくしたい!という思いでドッグトレーナーになりました。犬が大好きで暇さえあれば犬のことを考えています。CPDT-KAを取得。アニマルコミュニケーション、Tタッチなどを学んできました。ワンちゃんとの生活が豊かになる楽しい情報をお届けします。

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