「犬の社会化」という言葉を、よく耳にするようになりました。では、なぜ犬の社会化をするのでしょうか?犬の社会化や、犬の社会化で愛犬たちが身に着ける社会性についてご紹介します。
愛犬の社会性がない?!その原因は?
「他のワンちゃんとじょうずに遊べない」「知らない人を怖がる」など、愛犬に社会性が感じられない場合、犬の社会化不足が関係していることがあります。
【犬の社会化期について】
生後1カ月(3週目)~3カ月(12週目)を「社会化期」といいます。
この時期に積極的に犬の社会化をし、愛犬にいろいろなことを学んでほしいのですが、生後8週齢規制があり、飼い主さんが愛犬と生活を始めるタイミングは、社会化期を半分以上過ぎてからになります。
となると、「犬の社会化は無理?」と思われるかもしれません。
社会化期というのは、犬の好奇心が高い時期をさします。
それ以降は、好奇心よりも恐怖心が増してくるため、学びが緩やかになるだけなのです。
8週齢規制があったとしても、愛犬が1歳を迎える頃まで犬の社会化を積極的におこなうことで、社会性を身に着けたワンちゃんになる可能性がとても高くなります。
愛犬の社会性をつくる、犬の社会化でやっておきたいこと
犬の社会化をすると、どのようなことがおきるのでしょうか?犬の社会化でやっておきたい項目をご紹介します。
たくさん飼い主さんと遊ぶ
ぬいぐるみなどを使って引っ張りっこをしたり、ボール投げをしたり愛犬と一緒に遊ぶ時間を、できるだけ多く作りましょう。
犬の社会化期の遊びは、飼い主さんとの絆を深くします。
たくさんの人や犬に会わせる
社会化期の愛犬に「100人の人、100頭の犬に会わせた方がいい」といわれています。さまざまな年齢の方はもちろん、眼鏡をかけている方やひげを生やしている方、帽子をかぶっている方や傘をさしている方など、外見が違う方にも積極的に会わせてあげてください。
また、同じ年齢の犬や犬の社会化ができている成犬、ネコや小動物などともコミュニケーションを取らせるようにしましょう。
音に慣れさせる
車が走る音、踏切の音、電車が走る音、飛行機の音、人の話し声、子どもたちが遊ぶ声、雷の音、風の音などこれから愛犬が聞くと想定される音を聞かせます。
(リアルな音の方が効果はありますが、CDなどの音でも大丈夫です)
場所に慣れさせる
公園やスーパー、車に乗せることなど、どのような場所でも恐怖や警戒をしないように、いろいろな場所に愛犬を連れていきましょう。
ご自宅の近くに学校や病院などがあったらそのような施設にも、迷惑がかからないように配慮し、愛犬と一緒に近づいて慣れさせましょう。
社会性を身に着けて得られること
犬の社会化をした犬が、社会性を身に着けて得られることをまとめました。
音に対して過剰な反応をしなくなる
いろいろな音に慣れておくと、音に対しての恐怖心が軽減されます。
そのため、初めて聞く音でも恐怖を感じにくく、過剰な反応をしめさなくなる傾向があります。
犬同士のコミュニケーションがじょうずになる
ボディランゲージをうまく使えるようになり、犬同士の会話がスムーズにできるようになります。
また、強く噛んだらいけないことも、犬の社会化期に犬同士の遊びの中から学びます。そのため、犬同士のコミュニケーションがスムーズにでき、遊び上手なワンちゃんになります。
人に対して友好的な性格になる
人の外見は十人十色です。どのような外見の人に会っても、恐怖を感じず、友好的に接するようになります。
どのような場所でも落ち着いていられる
初めて訪れる場所でも、場所に対する恐怖心が少ないため、どのような場所でも落ち着いていられるようになります。
犬のしつけがしやすくなる
社会性を身に着けている犬は、飼い主さんがコントロールしやすく、しつけがしやすくなります。
愛犬のストレスが軽減される
物事に対して恐怖心や警戒心を感じにくいため、愛犬にかかるストレスが軽減されます。
飼い主さんとの絆が得られる
子犬の頃から、愛犬とコミュニケーションを取っていると、飼い主さんとの信頼関係ができ、愛犬との絆がとても深まります。
時期を逃した!今からでも間に合う?成犬の社会化
愛犬が1歳を過ぎていたり成犬を家族に迎えたりした場合、その時期から犬の社会化はできるのでしょうか?もちろんできます。
ただ、警戒心や恐怖心が強くなっているため、社会化期のようなすばやい学習効果は期待できません。ゆっくりと、愛犬の性格に合わせて、愛犬が恐怖を感じるものに慣れさせましょう。
少しでも恐怖反応が軽減されたら、愛犬を褒めてあげてください。
うまくいかなくても叱らないでください。
成犬の社会化は、愛犬の小さな前進を飼い主さんが見つけてあげることが、とても大切です。
最後に
犬の社会化を積極的におこなうと、社会性を身に着けたワンちゃんになる可能性がとても高くなります。
子犬が成犬になったとき、ストレスだらけの生活にならないように……。
子犬を迎えたら「犬の社会化」をして、社会性のある愛犬に育てましょう。
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