公開日
2021/11/26

犬が掃除機を怖がる・逃げる・吠える行動への対処法【動画付き】

掃除機が苦手な犬は多く、怖がる、吠える、パニックを起こして逃げるといった行動をするケースがあります。中には、掃除機のスイッチを入れるために吠えて威嚇をしたり、部屋の中を逃げまくるというワンちゃんもいることでしょう。この記事では、犬が掃除機を嫌がる理由と掃除機嫌いを克服するための対処方法をご紹介します。

犬は掃除機を怖がる理由とは?

犬が掃除機を怖がる理由はさまざまですが、多くの犬にあてはまる理由をいくつかあげていきます。

理由1:犬の聴力は人の約6倍あるため

犬の聴力が人よりもはるかに優れていることはよく知られていますが、では実際には人よりもどれくらいよく聴こえているのでしょうか?

犬の聴力は、平均的にいうと人の約6倍優れていて、個体差によっては10倍以上という犬もいるといわれています。
また、一般的に人が同時に音を聞きとることができるのは16方向なのに比べて、犬は32方向からの音を同時に聞きとることが可能です。その分、犬の耳に聞こえてくる情報量は多いということになります。
私たちでも掃除機の稼働音はうるさいと感じることがありますが、犬はその何倍もそれを感じているのです。

理由2:犬にとって掃除機の大きい音が怖いから

聴力が優れている分、大きな音が苦手な犬は多くいて、例えば、雷や花火など突然の大きな音に驚き、尻尾を丸めてガタガタと震えて怖がっていたり、隠れようとする犬もいることでしょう。

これは、音は空気の振動で伝わってきますが、大きな音は小さな音と比較すると当然その振動も強くなります。犬は、この振動も人より6倍程度強く感じるといわれており、大きな音がすると共に感じる振動の強さに恐怖を抱いてしまい、大きな音そのものを怖がるようになってしまうのです。

理由3:掃除機から高い音が出ているから

犬の耳は、低い音よりも高い音の方がよく聞き取れるようにできています。聞き取ることのできる周波数も、高音に関しては人の3倍以上も聞き取ることが可能です。
人はなかなか気が付くことはないのですが、掃除機からは高音域に入る音が発せられていますので、犬はよく分からない物体である掃除機から聞こえてくる高音に反応をしているのだと思われます。
特に最近の掃除機は吸引力が強いものが多く、吸引力が強いとそれに比例して発する音も高音になります。自然界で高音を出すものは、犬の獲物対象となる小動物である場合が多いです。ところが、自分の獲物でもない物体が自分のテリトリー内で高音を出しているので、犬は意味が分からずに警戒をしてしまうのでしょう。

理由4:掃除機の予測できない動きが大嫌い

大きな音とともに予測が付かない動きをする掃除機に対して、苦手意識を持つ犬も多くいます。
掃除機をかけている側の飼い主さんはなかなか意識しないものですが、動いたり止まったりと掃除機は不規則な動きを繰り返します。おまけに大きな音も出していますので、犬からしてみるとあまりよいイメージは持ちにくい物として学習されてしまいます。

愛犬の掃除機嫌いを克服する方法

犬が掃除機を怖がる・逃げる・吠える行動への対処法【動画付き】ドッグパッドしつけ

愛犬のいる室内で掃除機を使っても怖がらないようにするためにはどのようにすればよいのか、掃除機嫌いを克服する対処方法を子犬と成犬に分けて紹介していきます。

①初めて掃除機を見る子犬の場合

掃除機という物自体に慣れていない子犬が、掃除機を怖がってしまう場合は、ゆっくりと次の方法を試してみてください。

注意点としては、子犬が掃除機を見て怖がったり吠えたりしているのを見て、面白がってわざと掃除機を近づけるのはNGです。掃除機に向かって必死に吠えている子犬は可愛らしい面もありますが、子犬からしてみるとそれは楽しいことは一つもなく、恐怖でしかありません。

子犬の頃の嫌な思いがトラウマになって、掃除機だけでなくその他の大きな音や高い音を聞くとパニックになってしまう犬もいます。また、嫌がることをし続ける飼い主さんに対して、不信感を抱き信頼関係を築きにくくなってしまうこともあるので、軽い遊びのつもりでも犬が嫌がることはしないようにしてください。

Step1.見た目に慣れさせる

掃除機を初めて見る子犬では、まずは「掃除機という物」に慣れさせていきます。
普段は室内になく、掃除の時にだけ出してくるような場合には、子犬が生活をしているスペースに掃除機を常に出しておくようにします。

最初のうちは警戒して掃除機に近付かない子犬も、毎日そこに置いてあれば徐々に興味を示すようになります。自分から近寄ってニオイを確認したり、前足などで触れるような仕草を見せたりするようになったら、掃除機に慣れてきたサインです。

怖がってなかなか自分から掃除機に近付いていかない場合は、飼い主さんが子犬を抱っこして掃除機の近くに連れいくようにしてみてください。嫌がらないようであれば、前足を優しく持ってそっと触らせてあげてもいいでしょう。
掃除機は危害を加えてくるような物でないということを、認識させてあげるとよいです。

Step2.動きに慣れさせる

掃除機は突然止まったり急に動き出したりと、次にどんな動きをするのか予測がつきません。
その動きを面白いと感じる子犬もいますが、逆に恐怖を感じる子犬もいるため、見た目に慣れてきたら、次は動きに慣れさせていきましょう。

まず、掃除機のスイッチは入れずに子犬の前で掃除機を動かしてみます。最初は小さく前後に動かす程度で子犬の様子を見ましょう。
もし、小さな動きでも怖がっている様子であれば、飼い主さんが抱っこをして動かしても構いません。掃除機が動く様子を確認させてあげてください。

小さな動きに慣れてきたら、次は掃除機をかけている時の動きを想定して動かしてみます。この時最初から大きく動かさず、前後左右に小さく動かし始め、徐々に動きの幅を大きくしていくようにしてください。

子犬によってはこの動きが楽しくて、喜んで追いかけるようになるかもしれません。掃除機はおもちゃではないので、子犬が掃除機の動きを見てじゃれてくるようになったらそこで動きに慣れるステップは終了します。
掃除機にじゃれる姿が可愛いからといって続けてしまうと、掃除機をかける時にまとわりついてくるようになってしまう場合があるので気を付けましょう。

Step3.音に慣れさせる

掃除機の見た目と動きに慣れてきたら、いよいよ音に慣れさせるステップです。
音の強弱が調整できるタイプの掃除機であれば、一番弱いモードからスタートします。この時掃除機は動かさず音だけを出すようにしてください。
子犬が怖がる様子でしたら、抱っこをしてあげてもよいですし、「怖くないよ、大丈夫よ」などと優しく声を掛けながら撫でてあげるか背中などに手をあててあげてもいいでしょう。子犬の様子を確認しながら、徐々に音が大きくなるように調整をしていってください。

一番大きな音を出しても問題がないようであれば、次は音を出しながら掃除機を動かします。
掃除機の動かし方は、動きに慣れるためのステップで行ったように、小さな動きから初めて徐々に動きを大きくしていきます。
ここまでクリアできたら最終段階として、実際に掃除機をかけているときのように「動いたら止め・止めたら動く」というのを繰り返すようにしていきましょう。

ここまでの3つのステップは、1日に全て行うのではなくゆっくりと時間をかけて進めていくようにしてください。
早く慣れて欲しいからと飼い主さんが焦ってしまうと逆効果になって、掃除機嫌いが定着してしまう場合もあります。子犬の様子をよく確認しながら根気よく取り組むことが成功へのポイントです。

子犬の掃除機慣れの動画をご紹介

掃除機慣れの練習をしている様子のしつけ動画ですので参考にしてみてください。

②成犬の場合

成犬の場合には、既に掃除機に対して恐怖や苦手意識を持ってしまっている状態であるため、子犬へ行うトレーニングよりも時間がかかることも多いです。

掃除機に吠える場合のトレーニング方法

掃除機に吠える犬は多いといわれていますが、吠えるタイミングは犬によってさまざまです。
掃除機を出してきた時点で吠えるのか、動きだしたら吠えるのかなど犬の様子をまず確認しましょう。

掃除機を室内に出してきた時点で吠えるようであれば、掃除機そのものに恐怖心を持っているため、犬が普段生活をしているスペースに掃除機を常に出しておくようにしてください。
この時、少し抵抗があるかもしれませんが、犬に掃除機の存在に慣れてもらうために、掃除機は部屋の隅などではなく目に付きやすい場所に置くようにします。

掃除機が動き出したら吠えるようであれば、掃除機の出す音やその動きに対して反応しているので、子犬に対して行うような方法で音と動きに徐々に慣らしていくようにします。

犬を抱っこさせるのが難しいようであれば、犬を横に座らせて背中や身体の一部に触れた状態で、掃除機を動かすようにします。飼い主さんが触れていることで安心感を与えながら、掃除機は動いても音が出ても怖くないということを教えてあげましょう。

あまり激しく吠えるようであれば、リードを付けて横に座らせ、犬が吠えたら「大丈夫よ」とリードを軽く引きます。犬が気付いて吠えるのをやめたら、そこですかさず褒めてあげてください。
掃除機は動いても怖いことは起こらない事実と、掃除機に対して吠えるのをやめたら飼い主さんに褒められた経験を結び付けて学習させていきます。

掃除機に咬みつく場合のトレーニング方法

掃除機に咬みついてしまうようであれば、掃除機に対して恐怖心や警戒心を通り越して、攻撃対象という認識を持っている場合があります。
咬みつくという行為は、掃除機にだけ向けられている時はまだいいのですが、それがいつ他へ向かうかも分からないので、早めに矯正をしておくことをおすすめします。

掃除機を敵とみなしてしまっている場合にも、掃除機は犬が常に目に付く場所に置きその存在に慣れさせます。そして、ことある事にさりげなく掃除機の近くに連れて行き、飼い主さんが掃除機に触れる姿を見せるようにしてください。
飼い主さんが掃除機に対して、友好的な態度を取っているということを犬に思わせるようにします。
動き出した途端に咬みつくようであれば、掃除機の発する音や動きを嫌がっているので、子犬に対して行うトレーニングと同様に動きから徐々に慣らしていくようにします。
このトレーニングを行っている最中は、掃除機をかける時には犬を他の部屋へ移動しておくなど、咬みつく行為自体が出来ない環境を作るようにもしてください。

逃げ回る場合のトレーニング方法

掃除機を見て逃げてしまうようであれば、かなり大きな恐怖心を抱いている証拠です。何か嫌な経験があるのかもしれません。この状況を克服するには、掃除機に対して良いイメージを上書きしてあげる必要があるため、子犬へのトレーニングと同じ方法で対応します。

子犬に行う対応と違う点は、トレーニングをすすめていく段階でご褒美を使用することです。
小さな音から始めて、それがクリアできたらよく褒めてご褒美を与えるようにしていくと、掃除機に対してよいイメージを段々と持つようになっていきます。

但し、恐怖心がすっかり根付いてしまっている場合には、それを完全に無くすまでにはかなりの時間かかることがあります。無理にトレーニングを進めようとすると逆効果になってしまいますので、犬の様子に常に注意を払いながら焦らずにゆっくりと行うようにしてください。
また、咬みつく場合と同様に、トレーニングを行っている最中に掃除機をかける時には犬は別の部屋に移動させて、掃除機をかける様子はできる限り見せないようにしてください。音に関してもなるべく小さな音で使用するようにしましょう。

まとめ

今回は、犬が掃除機を怖がる理由と、それを克服するためのトレーニング方法を紹介しました。
掃除機は日々使用するものなので、そのたびに犬に嫌な思いをさせるのは可哀想ですし、犬もストレスを溜めていってしまいます。犬が掃除機に向かって吠えても気にならないからといってそのままにはせずに、愛犬のためにも克服するトレーニングを行ってあげましょう。