ディスクドッグって何?ディスクドッグについて解説

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私がディスクドッグを始めた頃、情報が少なく翻訳された教本を読んでもその言葉すら分からず面白くもありませんでした(笑)。少しでも興味ある方に、なるべく理解しやすい表現でその魅力をお伝えすべく、先ずはディスクドッグの背景、次に適した犬種や、適正年齢、考え方なども紹介していきましょう。

ディスクドッグとは

ディスクドッグは、樹脂製のディスク(円盤型の玩具)を人が投げて、犬にキャッチさせるアメリカ発祥のドッグスポーツです。ちょっとした安全な広場があれば、愛犬と気軽に楽しめ、何と言っても愛犬の秘めた能力を目の当たりにできるとあって、近年では盛んに行なわれるようになりました。
もしかすると、“フリスビードッグ”と言った方がピンとくる方も居るかも知れませんが、フリスビーは固有の商標だったため“ディスクドッグ”として定着しました。元々は、アメリカのパイ焼きの金属の型を投げて遊んでいた若者達をヒントに玩具としてのディスクが制作され、人が遊ぶおもちゃとして流行します。それを犬にキャッチさせて遊ぶといった課程を経て誕生したと言われています。

ディスクドッグ競技にはいくつか種類がありますが、大別すると一定時間内にできるだけ遠くに飛んだディスクを数多くキャッチさせてポイントを競う「ディスタンス系」と、自分が選んだ曲に合わせ一定時間内に自由な発想での構成と立体的なキャッチのさせ方の難度や完成度の高さ等を評価・採点する競技「フリースタイル系」があります。

ディスタンス系

フリースタイル系

ディスクドッグはどうやって日本に入ってきたの?

遊びとしては不明ですが、競技としてはアメリカからピーター・ブルーム氏が持ち込んだと言われています。彼は、ヒューマンでもフリスビードッグでも全米チャンピオンに輝いた方です。1994年に日本フリスビードッグ協会によって初めて競技会として全国大会が開催されるようになりました。発足当初はプロ野球のオールスターゲームでパフォーマンスを行なったり、かなり大がかりな広報を行なったと聞いています。初めは、訓練の延長上の競技として捉えられた感があり、訓練士の方が生徒さんを引き連れて競技に参加するケースが多く、犬種もシェパード、ラブラドールレトリバー、ドーベルマンといった警察犬のエントリーが数多く見られました。

ディスクドッグ大会を運営している団体はいくつあるの?

私は数えたことがありません。しかし、ディスクドッグの広がりと共に、大小多くの団体が地域に根付いていると聞いています。全国展開をしている大きな団体は、ナショナルディスクドッグアソシエーション(NDA)、日本フリスビードッグ協会(JFA)、A.W.I.JAPAN等でしょうか。いずれにせよ、今はディスクドッグを始めるには、教えてくれる団体に恵まれていると言えるでしょう。興味があれば、近くで開催される大会やセミナーを覗いてみるのも良いでしょう。愛犬と同じ犬種が居れば大いに参考になると思います。参加者に生の声を聞いてみるのもお勧めです。

ディスクドッグはどんな犬種でもできるの?

小型犬でもできます!

おもちゃ、特にボール等で遊ぶ事が好きな犬ならできると考えて良いでしょう。小型犬の中でもジャックラッセルテリアやコーギーは、かなり能力が高いと言えます。トイプードルやコッカースパニエルも可愛い姿から想像できないほど素晴らしい運動能力があります。豆柴やミニチュアダックスなどで楽しむ方も見られます。

特にディスクドッグに向いている犬種

大人気なのはボーダーコリーでしょう。やはり知能指数が高いと言われている犬種。

物覚えも早く、訓練が良く入ります。オーストラリアンシェパードやラブラドールレトリバー、最近ではウィペットも増えてきています。ゴールデンレトリバー、シェパードといった大型犬も賢く対応します。

ディスクドッグは愛犬が何歳までできるの?

思いっきりできるのは8歳まで

これは個体差があるので、一概には言えないことですが、目安としては8歳ぐらいでしょうか。それこそ、このスポーツの創生期には「引退は5歳」と言われていたこともありましたが、脂がのってくるのは正にそれから。1~2歳は若さ溢れる運動能力と本能で活躍する時期、5~8歳ぐらいはディスクドッグ熟練の働き盛りです。

ケアをしっかりしてあげれば、シニアになってもできる

近年は、ディスクをする犬を管理する飼い主さんの経験値や情報量が上がり、長く楽しむチームが多くなったように感じます。幼犬には、無理な体勢のジャンプをさせないとか、年齢に併せて練習時間を調整したり、ディスクの固さに気を配ったりと、怪我をさせないことが上手になりました。また、フードもかなり良いモノが増えて、運動に適した体作りや、ケアをしてあげることで、10歳を過ぎてもディスクドッグを楽しんでいるチームは多くなりました。

私の愛犬には1歳~12歳まで最上クラスの日本一決定戦に挑戦していたほど元気で、16歳の生涯を終える直前までディスクをキャッチしていたボーダーコリーも居ます。ケアをしっかりすることで、シニアになってもディスクは充分楽しむことができるのです。

ディスクドッグを行なう上で大切な考え方

愛犬と楽しむことが何よりも大切!

ディスクドッグを始めるにも始めてからも愛犬と全てを楽しむ気持ちが大切です。犬にも皆個性があります。しつけも同様ですが、覚える時間も手段もそれぞれ異なります。自分の愛犬にディスクドッグを教えていく課程さえも楽しめる気持ちの余裕があれば、上達していくのは時間の問題でしょう。

飼い主さんが楽しんでいれば、一緒に居る愛犬も嬉しく感じるものです。一緒に本気で楽しみながらディスクドッグにチャレンジしていくことをお勧めします。子どものように犬と本気で遊ぶことができる方は、ディスクドッグに向いていると思います。

愛犬の体調管理・ケアはしっかりと

年齢の部分でも触れましたが、愛犬の体調管理やケアは大切です。普段の練習でもケアをしっかりとしてあげることが怪我を防ぎます。
特に夏場のケアは重要です。連日の猛暑で人の熱中症が報じられますが、当然ですが犬も命の危険にさらされるからです。ディスクドッグに限らず、運動後のクールダウンは正しく行なってください。水分を充分に摂らせてあげること、ゆっくりと木陰などをウォーキングしたり、水を腹部に掛けてあげる等で体内の熱を溜めないようにクールダウンしてあげる等も有効です。夏場は無理な運動よりも川で泳がすなど、筋力トレーニングに有効な運動を取り入れるのも良いでしょう。

逆に冬場には運動前にストレッチをしてあげるなど、筋繊維にダメージを与えないようなウォーミングアップしてあげることも大切です。
ケアの基本はスキンシップ、愛犬の体の異常に気づくためにも、普段のブラッシングや普通にじゃれあう事で触れ合う機会を多く取りたいものです。

先ずはやってみよう!

始めから上手くいくとは限りません。むしろ問題は色々あるでしょう。でも、やってみないと問題点さえもわかりません。できることなら、基本的なことを正しく教えてくれるセミナーやクリニックを利用するのが理想的です。

間違った方法を繰り返すことは飼い主さんにも愛犬にもメリットが無いからです。まあ、このあたりの詳しい話は追い追いさせていただきたいと思います。
先ずは始めてみましょう、ディスクドッグ。

大塚 裕

大塚 裕

1961年東京生まれ。現NDAコミッショナー。愛犬JACKEYと2001年にディスクドッグ世界大会に日本代表第1号として参戦。その後も2度日本代表となる。ディスクドッグの楽しさを広く知ってもらうことに喜びを感じている。

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