「うちのワンちゃん、人の言葉を分かってるみたい…」「この猫、絶対わざとイタズラしてるでしょ!」
愛するペットと暮らすみなさんなら、一度はそう感じたことがきっとあるはず。そして、犬好きと猫好きの間で永遠に続くテーマである、「犬と猫、本当に賢いのはどっち?」。
「そりゃあ、お手やいろいろな芸も覚える犬でしょ!」「いやいや、猫のあの独立心こそ賢さの証よ」
といった会話が聞こえてくるかもしれません。しかし今、この長年の謎に、1つの研究結果が驚きの答えを突きつけようとしています。
もしかしたら、あなたが感じていた「うちの子、天才かも…」という直感は、正しかったのかもしれません。
この記事を読んだ後、あなたの愛犬・愛猫を見る目が、変わってしまうかもしれません。
賢さの鍵は「脳の大きさ」ではなかった!本当の物差しは“神経細胞”の数
「賢い動物は、脳が大きい」―――そう思っていませんか?
実は、近年の研究では、知能の本当のポテンシャルを測る鍵は、脳の大きさそのものではなく、思考や計画といった高度な精神活動を司る「大脳皮質」にどれだけ多くの「神経細胞(ニューロン)」が詰まっているかだと考えられています。
この前代未聞のテーマに挑んだのが、ブラジルの神経科学者スザーナ・エルクラーノ=ハウゼル博士の研究チーム。彼らは、様々な動物の脳を提供してもらい、なんとそのニューロンの数を一つ一つ数え上げるという、途方もない研究を実行したのです。
衝撃の結果!ニューロンの数、犬が猫に“ダブルスコア”で圧勝
そして、明らかになった事実は衝撃的なものでした。
- 犬の大脳皮質ニューロン数:約5億3000万個
- 猫の大脳皮質ニューロン数:約2億5000万個
なんと、犬は猫の2倍以上ものニューロンを持っていたのです!
これは、犬が猫よりも「より複雑で、柔軟な思考をするための“脳のキャパシティ”が大きい」可能性を強く示唆しています。人間の言葉のニュアンスを理解したり、飼い主の感情を読み取ったりする犬の驚くべき能力は、この豊富なニューロンに秘密があったのかもしれません。
ちなみに、私たち人間の大脳皮質には約160億個ものニューロンがあります。そう考えると、犬の5億3000万個という数字の凄さが、より実感できるのではないでしょうか。

出典:Illustration by Lucy Reading-Ikkanda; Source: “Dogs Have the Most Neurons, though Not the Largest Brain: Trade-Off between Body Mass and Number of Neurons in the Cerebral Cortex of Large Carnivoran Species,” by Débora Jardim-Messeder et al., in Frontiers in Neuroanatomy, Vol. 11, Article No. 118. Published online December 12, 2017
待った!「数が多い=賢い」で話は終わらない。猫が持つ“もう一つの知性”
「やっぱり犬の方が賢いんじゃないか!」
そう思ったあなた、結論を出すのはまだ早いかもしれません。研究者自身も、ニューロンの数はあくまで“潜在能力”であり、それが全てではないと語っています。
考えてみてください。群れで狩りをしてきた犬の祖先は、仲間と協力し、リーダーに従う「社会性」という形の知性を進化させてきました。これが、現代の犬のコミュニケーション能力の高さに繋がっています。
一方、単独で獲物を狙ってきた猫の祖先は、誰にも頼らず、自ら状況を判断し、問題を解決する「自己完結型」の知性を磨き上げてきました。ドアノブを巧みに回して脱出する猫や、飼い主が隠したおやつの場所を的確に見つけ出す猫の姿は、まさにその証です。
彼らは、生き抜くために必要な“賢さ”の種類が、そもそも違ったのです。
結局、あなたの愛する“うちの子”が一番賢い!
今回の研究では、犬が持つ「脳のポテンシャル」という点で、一つの驚くべき事実を明らかにしてくれました。
しかし、それは猫の賢さを否定するものでは決してありません。むしろ、犬と猫、それぞれが全く異なる進化の道を歩み、独自の素晴らしい知性を手に入れたことを教えてくれています。
飼い主が悲しんでいると、そっと寄り添ってくれる犬の賢さ。
どんなに高い場所でも、華麗なジャンプでたどり着く猫の賢さ。
ニューロンの数では測れない、たくさんの「賢さ」が彼らにはあります。
結局のところ、本当に大切なのは、科学的な数字よりも、あなたの隣で安心しきった顔で眠っている、その子のユニークな「賢さ」に気づいてあげることなのかもしれません。
さあ、この記事を読んだ後、あなたは自分の愛犬、愛猫のどんな「天才的な一面」を見つけてあげますか?
ぜひその天才的な一面を教えてください!
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