犬の正しい抱っこの仕方をチェック!犬種によって抱き方が異なる?

飼い方

犬との暮らしの中で「抱っこ」は、とても身近なスキンシップのひとつです。人と犬が触れ合うことで、安心感をもたらすホルモン(オキシトシン)が分泌されることが報告されており、絆を深める手助けにもなります。
ただし、犬にとって「抱っこ」は本来の自然な行動ではありません。やり方を間違えると、体に負担をかけたり、かえってストレスになってしまうこともあります。今回は、犬の抱っこの基礎知識と正しい方法について解説します。

犬のしつけと抱っこの関係性

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犬の世界では、母犬が子犬の首の後ろを咥えて運ぶというのが普通なので、「抱っこ」という概念はありません。
このため、抱かれることに慣れていない犬は基本的に抱っこを嫌がります。
また、四肢が地面に着いた生活をしている犬にとっては、足や体が地面から離れることに対して、とても不安に感じたり、拘束されたと認識し「いやだ!こわい!」と感じてしまうといわれています

しかし、人と犬との関わりにおいて「抱っこ」という行為は、信頼関係を表すものであり、大事なしつけのひとつでもあります。

では、どのような場合に抱っこが必要なのかといえば、犬が苦手な人がいたり、歩道が無い交通量の多い道路を歩く場合など、人間や犬の危機回避や抱き上げないと移動できないといった理由で抱っこが必要となることがあります。

例えば、愛犬を抱っこする状況になったとき、日頃下記の2つのうちどちらの感覚でワンちゃんを抱っこしていますか?

①「だっこだっこ~♪」もしくは「つかれた〜♪」とせがまれたから
②飼い主がリーダーとして制するため(周囲に迷惑をかけそうな場合など)

①のように、愛犬がウルウルした目で「抱っこして~」とせがんでくると、つい応じてしまいますよね。もちろん、飼い主とのスキンシップとして抱っこを楽しむこと自体は悪いことではありません。

常に犬の要求に応じてしまうと「抱っこしてくれないと嫌!」と依存的な行動が強まることもあります。
一方で、②のように「ここは危ないから抱っこするよ」というように飼い主が状況を判断して抱っこすることは、犬に安心感を与え、信頼関係を築く助けになります。

👉 ポイントは「抱っこをするかどうかを決めるのは飼い主」であること。
要求に応じるときもあれば、あえて応じないときもある──そんなバランスが大切です。「しつけとしての抱っこ」をするのが適切で、このことを意識してワンちゃんに接すれば、より信頼関係を深めることができるでしょう。

犬種別の正しい抱っこの仕方

犬には様々な犬種がありますが、体の大きさによって抱っこの仕方は変わってきます。
小型犬・中型犬・大型犬の3種類に分けてそれぞれみていきましょう。

小型犬の場合の抱っこ

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●主な小型犬の種類
チワワ、ポメラニアン、パピヨン、トイプードル、マルチーズ、ヨークシャーテリア、パグ、シーズー、ビションフリーゼ、ペキニーズ、ブルドッグ、キャバリアキングチャールズスパニエル、ビーグルなど

体重が軽い小型犬を上手く抱っこする方法は、まず前脚2本を掴み、お尻を包むようなイメージで抱き上げます。犬の背骨が地面と水平の状態か「おすわり」の姿勢で抱くのがよいでしょう。

このとき、お尻を支える手側の自分の脇をしっかり閉めて、なるべく犬の体を自分の体にくっつけて抱きましょう。このように抱っこをすることで、愛犬を高い位置から落としてしまうリスクを軽減します。

中型犬の場合の抱っこ

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●主な中型犬の種類
アメリカンコッカースパニエル、ウェルシュテリア、ボーダーコリー、ジャーマンピンシャー、サモエド、柴犬などの日本犬など

中型犬の抱っこの方法は、片方の手で犬の首の向こう側へ腕をぐるっと回し、抱き込むように犬の体を自分の体に近づけます。もう片方の手は、後ろ足(股)の間から手を入れてサッと抱き上げます。

このとき、犬の頭がある側の自分の脇をしっかり閉め、反対側の腕に犬のおしりを乗せるようにして、さらに後脚2本を掴んで支えて抱っこしてあげましょう。

大型犬の場合の抱っこ

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●主な大型犬の種類
スタンダードプードル、シベリアンハスキー、ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバー、ダルメシアン、セントバーナード、シェパード、秋田県、土佐犬など

体が大きな大型犬の抱っこの方法は、人間の腰へ負担が掛からないように、犬が元気に動ける場合はソファや台などの上に犬を誘導して乗せてから抱き上げるとよいです。寝たきりのワンちゃんの場合は、できるだけ犬の体を自分の体に近づけて、なるべく腰へ負担がかからないようにしましょう。

次に犬を立たせた状態にして、片方の手は前脚の付け根(胸元)、もう片方の手はお尻に回します。中型犬の抱っこの方法と同様、犬の頭がある側の自分の脇を閉め、写真のように反対側の腕に犬のお尻を乗せるようにします。

注意したい抱っこの仕方

犬を抱っこする際には、無理な体勢やちからずくで抱き上げるなど間違った抱っこの方法により、椎間板ヘルニアなどの病気を発症させてしまうなど、犬の体に負担がかかってしまうことがあるので注意が必要です。

特に注意が必要な犬種は、ミニチュアダックスフンドやコーギーなどの、胴が長い犬種です。抱き上げる際に、脇を挟んでネコちゃんのようにぶらーんとぶら下げてしまうと、腰に負担がかかるので注意しましょう。

犬の抱っこのポイントは、ゆっくり優しく抱き上げることです。不安定な状態で抱っこをすると、落としてしまうなど、犬にとって抱っこがトラウマになる原因となるので、無理な抱っこは避けましょう。

いざという時のために正しい抱っこの仕方を知っておこう!

犬にとって抱っこは自然な行動ではありませんが、人と暮らす上で必要なスキルのひとつです。
正しい抱っこを身につけることで、いざという時に安全に犬を守ることができますし、日常のスキンシップとしても信頼関係を深める手助けになります。

「うちの子は抱っこが苦手かも…」という場合も、少しずつ練習して慣らしてあげれば大丈夫。
大切なのは「犬にとって安心できる抱っこ」を心がけることです。

関連記事:犬が掃除機を怖がる・逃げる・吠える行動への対処法【動画付き】

ドッグパッド編集部

ワンちゃんとの楽しい生活に役立つ独自の情報を取材し、配信するエディター集団です。皆さまが普段「あるといいな」と感じていること「こんな工夫は楽しいよ」と知らせたいこと、疑問、質問、困りごとなど、どしどしお寄せください。

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