愛犬の耳掃除はどれくらいの頻度で行っていますか?犬の耳掃除は、耳が汚れやすい垂れ耳や耳の中の毛が多い犬種の場合、頻繁に行う必要があります。定期的に耳掃除を行わないと、雑菌や細菌などが繁殖してしまい、犬が痒がり、耳の中から悪臭がしたり、耳を触るとグチュグチュと音がするようになります。今回は、犬の耳掃除のやり方と、耳掃除の頻度についてご紹介します。
耳掃除を始める前に準備するもの
耳の中の汚れが少ないのであれば、耳掃除に必要なものは、ティッシュやコットンだけで十分です。しかし、耳の中が汚れている場合は以下のようなものがあると便利です。愛犬の耳掃除をはじめる時は、まず必要な物を全て準備してから行いましょう。
- ティッシュ
- 犬の耳掃除専用シート
- 脱脂綿またはコットン
- 綿棒
- 耳の洗浄液
- ペアン鉗子
- 場合によっては口輪
あらかじめ用意せず、必要になった物を取りに行く度に犬を待たせたり、犬の体勢を何度も変えさせることで犬が耳掃除に不安を感じてしまいます。準備を全て整えて、静かな環境で耳掃除をはじめましょう。
犬の耳の構造
犬の耳は、外耳、中耳、内耳、鼓膜があり、L字型の耳道をしているため、人間と異なり耳掃除によって鼓膜を傷つけることはなく、水も耳の奥まで入りにくい構造をしています。
L字型の縦の部分を垂直耳道、鼓膜に向かって横に伸びる水平耳道といい、古くなった皮膚や異物は耳垢となって耳道を通り、耳介の方へ向かって外に排出されます。
愛犬のお手入れで耳掃除をする部分はこの垂直耳道の部分です。 垂れ耳の場合は、耳介部分が垂れて折れているので、通気が悪く雑菌や細菌が繁殖しやすくなり、耳の中が汚れやすく、臭いや痒みがより強くなります。
犬の耳掃除をするときに気を付けること
犬をしっかり保定すること
犬の耳掃除では、犬の顔をしっかり押さえて固定した状態で行いましょう。
耳の中を傷つけないようにすること
犬は耳の中に異物が入ると、耳を振るって違和感を取り除こうとします。耳の中に耳掃除の道具を入れた状態で犬が暴れたり、耳を振るうと耳の中を傷つけることがあるので注意して作業を行いましょう。
綿棒などで耳垢を奥に押し込まないこと
耳介に近い部分の耳の汚れを綿棒で取ることは問題ありませんが、きれいに取り除こうと熱心に奥の方にある耳垢を綿棒で取ろうとすると、耳道の奥の方にどんどん押し込んでしまうので注意しましょう。
耳の中を強く擦らない
犬の耳の中は柔らかく、傷つきやすいので、ゴシゴシと強く拭き取ると赤くなったり、耳の中に細かい傷がついて炎症の元となってしまうので、優しく拭き取るようにしましょう。
耳の中の状態を判断すること
犬の耳掃除は、ブラッシングや歯磨きと同様に飼い主さんが日常で簡単にできるケアです。しかし、愛犬が耳をあまりにも痒がる、耳を振るう、耳から悪臭がするといった場合は、外耳炎の可能性が高いので獣医師の診察を受ける判断も必要です。
さらには、あまりに耳を強く振るう、足で掻き続ける、耳を床に擦り付けるといった場合、耳の中にノギと呼ばれる草花の種子や虫が入っているケースや、耳にダニが付いている可能性もあります。
耳を足で掻いたり耳を振るうことで、耳に刺激が与えられて血管が切れてしまうと、耳介に血液や漿液が溜まって耳血腫を起こすこともあります。耳血腫は放置すると耳がパンパンに腫れてしまい、血液を抜く処置や手術が必要になるケースもあるので、おかしいなと感じたら動物病院を受診しましょう。
洗浄液が犬に合っているかを確認すること
皮膚の弱いワンちゃんの場合、洗浄液の種類によって耳が荒れてしまうこともあるので、使用してみて炎症しているなと感じたら、洗浄液が愛犬の体質に合っていない場合があるので、アルコールが含まれていない洗浄液やナチュラル系の洗浄剤を試してみるか、獣医師に相談してみましょう。
一般滴な耳の洗浄液
ノルバサンオチック、エピオティック、サトウイヤーローションなど
ナチュラル系の耳の洗浄液
シーディーム、シュアリンプウ、ハーバルイヤーリンスなど
犬の耳掃除の頻度はどのくらい?
犬の耳掃除の頻度は、汚れやすい犬の場合だと週に1〜2回程度の頻度で、汚れを軽く拭き取る程度のお手入れで十分です。耳の中を頻繁に掃除することで耳の中が炎症を起こしたり、耳の中が細かく傷つくこともあるので、普段耳が汚れにくい犬の場合は月に1回程度、気がついた時に行う頻度のケアで問題ありません。
犬の耳掃除の方法
犬の耳掃除はコツを掴んでしまえば簡単です。ブラッシングやデンタルケアと同じく日常的に耳の状態をチェックして、週に1〜2回程度の頻度で行うと、犬も耳掃除に慣れて飼い主さんの作業が行いやすくなります。
拭き取るだけのケア
小型犬の場合は綿棒を使って、中型犬や大型犬の場合は指に清潔なコットンや脱脂綿を巻きつけた状態で、洗浄液をつけて耳の中にまっすぐ入れて拭き取る
洗浄液を使ったケア
- 犬を立たせた状態または座らせた状態で耳を持ち上げ、洗浄液を数滴耳の中に垂らす
- 耳の根元の部分をつまんで優しくマッサージを行い、耳の奥に溜まった汚れを浮かして柔らかくさせ、耳垢を取りやすくする
- 洗浄液が耳に行き渡りグチュグチュと音がしたら、保定をやめて犬に耳を振るわせます。(この時洗浄液と一緒に耳垢が外に排出されます。)
- 耳周辺に付いた洗浄液や耳の中から出てきた汚れをきれいに拭き取る
ペアン鉗子を使ったケア
- 脱脂綿を少しほぐして、ペアン鉗子(はさみのような脱脂綿などを挟むための器具)にくるくると巻きつける
- 耳の洗浄液を、ペアン鉗子に巻いた脱脂綿に数滴湿らせて、耳の中を拭き取る
まとめ
犬の耳はトラブルを起こしやすく、愛犬が立ち耳の場合は、犬の耳の状態がわかりやすいですが、垂れ耳の犬や、耳の中の毛が多い犬は、耳介をめくって観察をしないと、外側からでは耳の中の状態がわかりません。
耳が汚れやすい犬は、外耳炎を何度も繰り返すので、週に1〜2回程度の定期的な頻度でお手入れを行って、愛犬の耳の中を清潔に保つように心がけましょう。 犬の耳は乾燥している方が雑菌は繁殖しないので、川やプールで遊んだ後やシャンプーの後は、からだ全体の被毛を乾かすだけでなく、耳の中の水分も軽く拭き取る事を忘れないようにしましょう。
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