「食のプロ」~フードコーディネーター 若林徳子先生~に実際にきいてみた♪
ワンちゃんのナットクするごはんとは!?
「食のプロ」の作る犬の手作りごはんとは?
ドッグパッドのレシピ監修をしてくださる若林徳子先生。
いろいろな場所で食の仕事に携わった後、埼玉県蕨市で天然酵母パン教室やマクロビオティックに基づいた料理教室を開いている「食のプロ」です。少しのコツで無理なく、おいしい料理と健康なからだをつくるレシピを広めています。
(http://ameblo.jp/vendange2010/)
この若林先生、実は大のワンちゃん好き。ドッグパッドではワンちゃんにおいしく、健康にいいレシピの監修をお願いしています。そんな愛犬家の若林先生に、ワンちゃんがおいしく感じ、健康なからだづくりに役立つ食べものについてうかがいました。
赤ちゃんの離乳食をつくるように、愛犬のごはんも手間ひまかけずにシンプルに。
みなさん、ドッグフードを選んでワンちゃんにあげていると思います。ドッグフードは農林水産省の「ペットフード安全法」に基づいて「総合栄養食」として認められた食品です。でも、ときには手づくりのものや、ひと手間かけたものもあげたくなりませんか。
ワンちゃんは「永遠の3歳児」といわれ、いつまでも可愛く、手のかかる存在です。そんなワンちゃんのためにひと品手づくりフードをドッグフードに添えるだけで、愛情あふれる料理になります。
ご自分の食事をつくるときに、味つけする前のゆでたジャガイモやカボチャ、ニンジン、ブロッコリー、ヒジキ、鶏肉などを小分けの器に入れて冷凍しておけば、いつでも温めてトッピングすることができます。忙しくてなかなかできないようでしたら、栄養補助食品やサプリメントを加えるだけでもOK。
もっと忙しいときは、まぜるまねだけでもいいんです。ワンちゃんにひと声かける会話のきっかけになります。コミュニケーションもワンちゃんが欲しがっている大切なもののひとつです。ぜひ試してみてください。
愛犬の食事の正しいお金のかけ方、それは旬の食材を使うこと。
愛犬家のみなさんの一番の願い、それはワンちゃんに健康な状態で一生を送らせてあげることではないでしょうか。健康寿命をのばすには、ワンちゃんの生命力をアップする食事が大切です。偏食は大敵です。栄養のバランスを考えてあげたいですね。
そのためには旬の食材を使いましょう。いまではハウス栽培が盛んになり、たいていの野菜はいつでも手に入ります。しかし、野菜が本来育つ季節に収穫されたものは生命力が強く、食べておいしく、値段も手ごろです。「露地もの」といわれる野菜がそれです。
代表的なものとしては、
春 / キャベツ
夏 / カボチャ、ズッキーニ
秋 / ジャガイモ、サツマイモ、ブロッコリー、カリフラワー、キノコ類
冬 / 白菜、大根、小松菜、カブ
などがあります。
春の野菜は鮮やかな緑色で、新芽や芽吹きの香りが春の訪れを感じさせてくれます。
夏の野菜はほてった体を冷やす作用や、夏バテに負けないようスタミナがつくよう調整してくれます。暑さで奪われやすいビタミンCも豊富です。
秋の野菜はからだにやさしく、夏の料理で疲れ気味の胃や腸の調子を整えてくれます。
冬の野菜には根菜、小松菜など、からだを温める作用があります。
産地の気候や地理的な条件によっても旬のものが獲れるのはまちまちです。旬の野菜をじょうずに使って、ワンちゃんの健康寿命をのばしてあげましょう。
食材の「陰」と「陽」の力を知って、じょうずに活用。
東洋医学では食べものを「陰」「陽」「平」の3つの性質に分けています。陰(涼・寒)は体から熱をとり体を冷やす食べもの、陽(温・熱)は体を温める食べもの、そして平は陽、陰のどちらにも偏らない中間の穏やかな性質の食べものです。しかし、この性質は加熱や加工で変化することがあります。
陰と陽のどちらが良いということではなく、季節や生活環境に合わせ、偏らずバランスよく摂取することが大切です。
一例をあげると、
陰 / アワ、ヒエ、小麦、大根、白菜、馬肉、ウナギ、豆腐
陽 / もち米、アズキ、サツマイモ、カボチャ、レンコン、鶏肉、イワシ、チリメンジャコ
平 / 玄米、大豆、キャベツ、ブロッコリー、牛肉、豚肉、アジ、サバ
といってもあまり難しく考えることはありません。
陰と陽のバランスを考えた料理は日本に昔からあります。野菜を中心にした精進料理です。お店で「露地もの」と表示しているものを優先して使うようにしましょう。
健康寿命をのばすには、ワンちゃんにも予防医学の視点を。
ワンちゃんも歳をとると運動量も減り、太りがちになります。日頃から食事の量を管理し、肥満を予防してあげましょう。肥満は代謝が下がるだけでなく、増えた脂肪によって血管が圧迫され、血流が悪くなるなど、健康を害する原因になります。ふだんからワンちゃんの食べる量に注意して見て、変化をみのがさないようにしましょう。
過食は弊害がありますが、絶食は代謝のバランスを戻したり、内臓の筋肉を休ませたりする効果があります。でも過激な絶食は危険です。1日2回の食事を1回に減らすなど、ワンちゃんのようすを見ながら試すのもよいでしょう。
ワンちゃんが病気のとき、獣医師の処方してくれた抗生物質を飲むとビタミンBが体外に排出されてしまうことがあります。そんなときには、サプリメントや栄養補助食品を上手に使うことで、体力が落ちるのを防ぐこともできます。
ワンちゃんに一番悪いのは過食、油、塩、砂糖、刺激物、添加物などです。広告や見た目などに惑わされず、ワンちゃんの健康を害さない食事をあげましょう。そのためには、防腐剤や着色料などの人口の添加物の入っていないドッグフードを選んでそれを主食にし、時間のあるときにつくってストックした食材をトッピングしてあげましょう。ワンちゃんもドッグフードだけのときよりはおいしく感じ、喜んで食べてくれるでしょう。
取材に協力していただいた先生
若林徳子先生[フードコーディネーター]
元気になる料理教室~vendange~(ヴァンダンジュ)