多くの動物にとって、水は生きる上で欠かせないものです。当然、ワンちゃんの場合もそうですよね。皆さんは、ワンちゃんにどのような飲み水を与えていますか?実は、この飲み水の種類が、愛犬の健康に大きく影響するのです。今回は「ワンちゃんに与える飲み水」についてご紹介します!
水道水とミネラルウォーターの違い
水道水について
水道水には水道法で定められた水質基準があり、毎日連続的に飲んでも、健康に影響が生じないように、という観点で基準を定めているそうです。
「水道水はあまり体に良くないのでは……?」とネガティブなイメージを持つ人もいますが、決してそんなことはありません。
ちなみに東京都の水道局では、常に水質の安全を確認するため、水道水で金魚を飼育し、高水準な水質管理を行なっています。
農薬類や水質基準項目など、合計200項目以上を調べるのだとか……。とても厳しい検査で水質基準が守られていることがわかります。
ミネラルウォーターについて
ミネラルウォーターは、食品衛生法で定められた水質基準があります。
水質検査項目は、原水の状態で18項目が基準値をクリアしていれば、ミネラルウォーターとして販売可能。
ミネラルウォーターは食品として「味わう」ものであり、ライフラインである水道水のように「毎日連続的に飲むもの」という概念はないのです。
そのため、「飲んでもすぐに健康に影響を及ぼさない」ということが検査の基準となります。
水道水とミネラルウォーターの比較
水道水とミネラルウォーターの検査の基準値を比較して見ましょう。
【カドミウム】
・水道水=0.003mg/L以下
・ミネラルウォーター=0.01mg/L以下
【ヒ素】
・水道水=0.01mg/L以下
・ミネラルウォーター=0.05mg/L以下
数値を比較してみると、水道水に定められた基準の方が厳しいということが分かります。
世界的に見て日本の水道水は、飲料水としても安全だと言われているだけのことはありますよね。
ワンちゃんには水道水?ミネラルウォーター?
水道水とミネラルウォーターの違いについてはわかりましたが、結局、ワンちゃんにはどちらを与えればいいのでしょうか?
「水道水では塩素が心配……」という声もありますが、実は愛犬の飲料水としては水道水でも充分です。
それでも不安なら、浄水器を取り付けたり、ろ過器のついた飲料食器を使用したりすることをおすすめします。
一方ミネラルウォーターは、マグネシウムやその他ミネラル分などの豊富な栄養価が多すぎるため注意が必要です。
毎日与え続けると、お腹の調子を悪くしたり、泌尿器に悪影響が出たりすることもあります。
ちなみに、沸騰させたお湯を冷ました、いわゆる「湯冷まし」がいいという話もありますが、それでは水に含まれていた酸素などが全て失われます。
結果、「良くも悪くもないただの水」になってしまうため、手間をかけた所であまり意味がないようです。
もちろん個体差などもあり、一概にミネラルウォーターが愛犬の体に悪影響を及ぼすとは言い切れないので、ご了承ください。
ワンちゃんに与えてもよい飲み物
夏バテや熱中症で水分補給が必要なのに「水を飲んでくれない……」などという場合、試しに水以外のワンちゃんに与えてもよい、以下の飲み物を与えてみましょう。
・麦茶
・杜仲茶
・黒豆茶
・甜茶
・ゴーヤ茶
・そば茶
・たんぽぽ茶
・昆布茶
・柚子茶
・ハーブティー
・ルイボスティー
・ペット用ミルク
※全てノンカフェインのもの
これらの飲み物は日常的に与える必要はなく、飲ませることで健康になるということではありません。
あくまでも水分補給として与えましょう。
ワンちゃんに与えると危険な飲み物
・コーヒー
・紅茶
・緑茶
・日本茶
・ウーロン茶
・ほうじ茶
・玄米茶
・玉露
・アルコール
・カカオ類が入ったドリンク
・人間用の牛乳
・人間用の栄養ドリンク
最後に
多くの動物にとって、水分補給は生きる上でとても重要です。
人間は食事からある程度の水分を摂取できますが、愛犬たちはドッグフードに含まれる水分は10%程度(ドライタイプのドッグフード)のため、食事から摂取できる水分はほとんどありません。
食事だけでは充分な水分を補うことができないワンちゃんには、こまめに新鮮な水を与えてあげるよう、心がけてあげてくださいね。