愛犬の健康診断を受けていても、ある日突然がんが見つかることもあります。日頃から犬の体に触れてしこりやイボがある場所に気がついておくことが大切です。今回は実際の経験から愛犬の乳がん(乳腺腫瘍)の手術についてお話しします。
犬の胸のしこりに気が付くきっかけは体に触ったこと
以前一緒に暮らしていた犬の体にイボができた経験から、日常で体をなでたりブラッシングをする際に、しこりやイボがないかを気にしておくことを心がけて、もし体にしこりを見つけたら、かかりつけの先生に相談をしてきました。
ある日、何気なく自分の犬のお腹のあたりを撫でていると、指先に何かあたる感触があり「えっ!」と思って摘もうとすると、皮膚の奥の方に小豆の粒のような、硬くて小さな玉のようなものができていることに気が付きました。
数ヶ月前に健康診断を受けていて、異常がなかったこともあり、しこりも小さいし元気だし次のフィラリアのお薬をもらいに行く時にでも相談しようかな?と一瞬考えましたが、これまで触ったことのない硬い感触が気になったので翌日すぐに動物病院に向かいました。
診察で乳腺腫瘍は1/2の確率で悪性ということを知る
動物病院で胸のしこりを診てもらったところ、乳腺腫瘍は良性の腫瘍と悪性の腫瘍があり、良性か悪性かどうかは50%の確率でわからず、良性で大きくならない場合もあれば、急速に大きくなったりリンパ節などへ転移することもあるということでした。
先生からは、まだとても小さいから慌てる必要はないので2週間経過をみてはどうかというアドバイスをもらい、手術をするかしないかどちらかの選択になるということで、この間に少し考える時間をもらいました。
そして、2週間後の診察に行ってみるとしこりが若干大きくなっていることがわかり、良性か悪性かはわからないが手術をするなら早い方が根治することができる可能性が高い。という説明を聞いて、2週間後に予約をとって乳腺を切除する手術を行うことにしました。
乳腺を切除する手術の日、また少ししこりが大きくなっていた
犬の様子は、しこりを気にする様子もなく分泌液が出るようなこともなく、いつもと全く変わらない普通の様子でとても元気でした。
手術前の説明では、転移を予防するために、片側前後の乳房も切除する可能性があるとのことでしたが、手術当日に再度しこりの大きさをはかってもらうと1cm弱ほどの小さなビー玉程度の大きさになっていたので、しこりに近い乳房1つの部分的な切除ではなく、大きな範囲で切除をすることになりました。
手術後は3〜4日程度の入院が必要ということでしたが、手術は無事に終わり4日で退院となりました。
手術後、病理検査の結果悪性であったことがわかった
胸のしこりは、手術後の病理検査で悪性の乳がんであったことがわかりました。
幸いなことに初期の乳がんでリンパ節への転移はなかったので、先生からは「他の乳腺や体の状況に気をつけながら経過をみることは必要であるものの、切除できていて根治と呼ばれる状態です」といわれてホッとしました。
あのとき何の気なしに体を触っていなかったら、小さなしこりに気が付くことはできなかったかもしれません。そのままフィラリア薬をもらいに行って、全く気がつかないまま時間が過ぎていたらしこりが大きくなっていたかもしれません。
人間も犬も病気は早期発見、早期治療が大切といわれますが、犬の乳腺腫瘍を経験して、本当にその通りだと思いました。
>>愛犬の病気予防と健康維持のためにできる観察のチェックポイント
健康診断と日頃のボディチェックは犬の健康管理に大切
数ヶ月前の健康診断ではどこも異常がなくても、しこりが2週間、1ヶ月で少しずつ大きくなった乳腺腫瘍を経験しました。
日頃からコミュニケーションの1つとして愛犬の体を触ること、撫でてあげること、ブラッシングや爪切り、耳掃除、シャンプーなど愛犬の体を触って異変がないかをチェックすることをおすすめします。
そして、犬の体に覚えのないしこりやイボがあることに気がついたら、獣医師に相談することが大切です。今回は、犬の乳腺腫瘍の手術体験談をお伝えしました。
コメント