膝蓋骨脱臼(パテラ)という病名は、愛犬家の皆さんなら一度は耳にしたことがあると思います。愛犬に多い疾病、膝蓋骨脱臼(パテラ)の症状や、パテラの疾病を持っている16歳の愛犬との暮らしをご紹介します。
膝蓋骨脱臼(パテラ)ってどんな病気?
膝蓋骨脱臼(パテラ)(以下、文中は「パテラ」と表記します)は、後肢の膝の部分にある膝蓋骨が、定位置からずれてしまう病気です。
パテラの種類は、大きく分けて、内側に膝蓋骨がずれる「内方脱臼」、外側に膝蓋骨がずれる「外方脱臼」の2つがあります。
内方脱臼の場合は、パテラが進行すると後肢がO脚になり、逆に外方脱臼は後肢がX脚に見える特徴があります。
パテラは先天性のものが多く、産まれたときにすでに、パテラの因子をもっている子が多いのが現状です。
また、後天性のパテラはケガや滑りやすい床などが原因で、後肢に負担がかかると発症することがあります。
小型犬に多くみられる病気ですが、中型犬や大型犬も、もちろんパテラになるリスクはあります。
パテラの概要について説明をした記事はこちらです。
基本的な知識や予防策、パテラのグレードなどが書いてあるので、ぜひあわせて読んでいただけたらと思います。
膝蓋骨脱臼(パテラ)の主な症状
パテラにみられる主な症状をまとめました。
スキップをするような歩き方をする
グレードが進んでいないパテラの場合、膝蓋骨がはずれても、自分で足を伸ばして膝蓋骨をもとの位置に戻してしまいます。
膝蓋骨が外れ、スキップをするような歩き方をし、後肢を伸ばして膝蓋骨をもとに戻すという感じです。
愛犬が自分で処置してしまうため、愛犬がパテラだということに、飼い主さんが気づかないこともあります。そのため、飼い主さんが「後ろ足が、おかしいな?」と思った頃には、パテラのグレードがかなり進行しているということも多いのが特徴です。
パテラを悪化させないためにも、定期的な健康診断などで愛犬の足に異常がないか、獣医師さんに診断してもらうことをおすすめします。
後肢が腫れ痛みを伴う(関節炎)
関節包が腫れ、痛みを伴う場合があります。これは、グレード3あたりから見られる症状で、パテラが進行すると現れる症状です。
膝蓋骨脱臼(パテラ)の手術をしない場合、その後のリスクは?
パテラと診断されたとき、ワンちゃんの年齢やグレードにより手術をするケースとしないケースがあります。
私事ですが、愛犬も左側の後肢にパテラが見つかりました。
ですが、手術はしませんでした。愛犬のケースをもとにパテラの手術をしなかった場合はどうなるか?お話したいと思います。
今、愛犬のパテラを手術するかしないか悩んでいる飼い主さんの参考になれば・・・と思います。
発見が遅かった、愛犬のパテラ
愛犬(チワワ)は4歳くらいの頃、左側の後肢にパテラの症状があることがわかりました。お散歩などで、スキップをするような歩き方をし、ときどき膝蓋骨をはめるときに痛みがあるのか「キャン」と鳴くこともありました。
ただ、生活に特に大きな支障がないのが、パテラの特徴でもあるのです。
手術はせず、愛犬の足に負担が、かからないように気をつけて、生活をすることを選びました。
10歳くらいから大きな変化が
小型犬の「シニア期へ突入」といわれる、10歳くらいから愛犬のパテラに大きな変化が現れ始めました。
後肢に痛みを伴うようになり、痛みがあるときは歩くことを嫌がりました。
ただ、痛みは毎日続くわけではなく、日によって痛みがあるときと、ないときがあるという感じです。
この頃から、痛み止めの薬と足の関節をサポートするサプリメントを飲ませるようになりました。痛みがあるときは、抱っこをしてうっかり後肢を触っただけでも、唸るようになったため、かなりの痛みがあったことが考えられます。
歩き方も、後肢がうまく曲がらず、例えるなら昔のロボットのように、関節を曲げずに歩く、ぎこちない歩き方をするようになりました。
16歳の今、パテラの状態は?
愛犬の後肢は筋肉が落ち、ほぼ歩けない状態になりました。
歩行困難になったことは、パテラの悪化と老化が並行してこのようになっていると、獣医師さんから説明されました。
前章でも解説した通り足はO脚になりました。
眠っているとき、座っているときの愛犬の後肢は、びっくりするような曲がり方をしています。
うまく歩けなくなり困ったことは、排泄でした。
足が踏ん張れず便秘になることや、怖がって排泄を我慢することもあります。
今、愛犬の後肢の代わりに飼い主の私がなり、愛犬の歩行をサポートしています。これがパテラの手術をしなかった愛犬の現状です。
最後に
パテラの手術の判断はとても難しいと感じます。
ただ、手術を選ばなかった飼い主の私が言えることは、愛犬がパテラの手術をしていたら、16歳になった今も、それなりに、歩けていたのではないか?ということです。
前章で愛犬の症例を書かせていただきましたが、他にも多くの症例があると思います。
もし今、愛犬のパテラを手術するかしないか悩んでいらっしゃるのなら、獣医師さんとしっかり話し合い、愛犬の将来を考えた決断をしていただけたらと、心から思います。
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