ドッグフード成分表示の見方【後編】

雑学

前編では、「成分」の見方についてご紹介しましたが、後編では「原産国」と「原材料名」について詳しく解説します!

原産国の表記について

原産国表記に、「日本」と書かれていたら、そのドッグフードは全て日本で作られていると思っていませんか?
実は、中身のドッグフードが日本で作られていなくても、原産国に「日本」と表記されている場合があります。
『ペットフード安全法』では、原産国表記ができるのは“最終加工を行った国”となっています。
つまり、パッケージを詰め替えるなどの最終加工作業を日本で行えば、原産国を「日本」と表記できるということです。
もちろん、最初から最後まで日本で作っているドッグフードもありますが、原産国表記は「ドッグフードを作った国」ではなく、「最終加工を行った国」でいいということです。

原材料名について

原材料名は、中身に何が入っているのかを知るのに大切な情報です!
この項目を細かく見て、ドッグフードを選んであげるとよいでしょう。

また、原材料名は含有量が多い順に記載されています。書いてある順番にも注目してみてください。

どっちが安全?

皆さん、こちらのAとBのドッグフード、安全なのはどちらだと思いますか?
正解はドッグフードB!こちらのほうが安全なドッグフードなのです。
では、なぜAよりBの方が安全といえるのでしょうか?

1つずつ見ていきましょう。

肉類

お肉はいろいろな書き方で記載されています。
中でも避けたほうがいい要注意のものをあげていきます。

肉粉・ミートミール

ドッグフードAに含まれている、「チキンミール」と「肉粉」。
これは、私たちが食べているお肉の部分ではなく、血液や毛、胃腸部分から脂肪を取り除いたものになります。
元々は廃棄される食材なので非常に安価で、量増しにもなるためよく見かけます。
「○○ミール」や「肉粉」と記載されているドッグフードは要注意です。

肉副産物・ミート副産物

こちらも私たちが食べるようなお肉の部分ではなく、肺や腎臓などの内臓、脳などの臓器などが使用されています。
栄養価は低く、こちらも安価なので、量増しするためによく使われています。
「○○副産物」と記載されているドッグフードは要注意です。

甘味料

甘味料は、ワンちゃんの食いつきをよくするために使われます。

ビートパルプ

フードAに含まれているビートパルプは、甜菜の葉や砂糖を搾り取って残ったものです。
栄養価は低く、量増しなどに使用されています。
このビートパルプを摂りすぎてしまうと、便秘になってしまう可能性があるため注意が必要です。

コーンシロップ

ドッグフードに粘り気や弾力性がつきます。
このコーンシロップは、膵臓や副腎に悪影響を及ぼし、糖尿病を引き起こす可能性もあるといわれているため避けたほうがいいでしょう。

保存料

ソルビン酸カリウム

ドッグフードによっては、フードAのようにソルビン酸Kと表記しているものもあります。
このソルビン酸カリウムは、カビや細菌の繁殖を防ぐために使用されていますが、
亜硝酸ナトリウムと反応して、発がん性物質を発生させる恐れがあるので、避けたほうがいいでしょう。

亜硝酸ナトリウム

お肉の色素と反応して赤色に発色するので、お肉が黒ずんでしまうのを防ぎます。
しかし、亜硝酸ナトリウムがお肉の中に含まれるアミンと反応することで、
ニトロソアミンという物質ができます。ニトロソアミンは非常に強い発がん性物質を発生させてしまう危険性があるので、避けたほうがいいでしょう。

没食子酸プロピル

ドッグフードが傷んでしまうのを遅らせる化学物質です。
肝臓に悪影響を与えてしまう恐れがあると考えられているため避けたほうがいいでしょう。

着色料

着色料は、ドッグフードの見た目をよくするために使われています。
しかし、ワンちゃんはあまり色を識別できないため、ワンちゃんにとって着色料は全く必要ありません。
基本的に着色料が入っているドッグフードは、避けたほうが安全だといえます。

赤色3号

石油から作られたタール色素の合成着色料で、エリスロシンとも呼ばれています。
ドイツやアメリカでは食品への使用が禁止されており、ラットを使った実験では、赤血球が著しく減少してしまうことが確認されています。

赤色40号

アルラレッドACとも呼ばれています。
アレルギーを発症するリスクが高いことで知られている着色料です。

赤色102号

人が摂取すると蕁麻疹を起こすことでも知られている着色料で、ニューコクシンとも呼ばれています。
発がん性が高く、アレルギーを発症してしまう恐れもあると考えられています。
アメリカやカナダでは使用が禁止されている危険な着色料です。

青色2号

インジゴカルミンとも呼ばれています。
ウイルスに感染しやすくなる危険性があります。
また、発がん性があり、痙攣を引き起こす危険性もあるため避けたほうがいいでしょう。

酸化防止剤

酸化防止剤はドッグフードを長持ちさせるために使われています。
しかし、中には発がん性が高いものもあるため、選ぶ際は必ず確認してほしいポイントです!

ドッグフードAにも入っている「BHA」と「BHT」。
この2つはとても危険な添加物ですが、市販のドッグフードでも見かけることがあるので、この2つの添加物が入っていないか、よく確認してから購入することをお勧めします。

BHA

ガソリンの酸化防止剤として使われてきたもので、マウスでの実験では、使用後数分で亡くなってしまったという例もあります。
また、アメリカの実験では、膀胱がんや甲状腺がんになる危険性が否定できないという報告がある、とても危険な酸化防止剤です。

BHT

石油の酸化防止剤として使われていたこともあり、BHAと同じく発がん性のリスクが高いことで有名です。

最後に

日本では今のところ、ドッグフードは「雑貨」扱いにされてしまっています。
『ペットフード安全法』ができましたが、まだまだ危険な添加物などが使用されてしまっているのが現状です。
大切なワンちゃんを危険な添加物などから守ってあげるためにも、ドッグフードを選ぶ時は、今回ご紹介した原材料などを参考にしてみてくださいね。

『ドッグフード成分表示の見方【前編】』をまだお読みでない方は、こちらもお読みください。

ドッグフード成分表示の見方【前編】

ちゃちゃ

ちゃちゃ

ボーダー・コリーと暮らしています。動物看護士とペット栄養管理士の資格を保有しています。趣味は、愛犬と遊べる編みぐるみを作ることです。

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