愛犬にはいつまでも若く元気にいて欲しいですよね。
しかし、愛犬も人間と同じように歳をとり、だんだん歩いたりご飯を食べたりするのが助けなしでは難しくなってきます。実際に、介護が必要になってから勉強するのでは大変です。今回は、犬の介護について考えていきましょう。
犬と暮らし始めるときに、愛犬の老後のことも考えよう
飼い始める犬は若くて、健康状態も良好で病気のリスクや介護など想像がつかない飼主さんも多いのではないでしょうか? しかし、残念ながらどの犬も歳をとり、いずれ介護を必要とする時期はやってきます。 いざその時が来てから考えたり、行動したりするのではなく、飼い始める前にきちんと考え、老後に備えて準備しておきましょう。
犬の介護の環境を整える
老犬になった時、快適な生活が送れるように徐々に環境を整えてあげましょう。
バリアフリー
一度に家の中で犬が生活するエリア全部をバリアフリーにするのはとても大変です。 足腰が弱ってきてしまったり、痴呆症になってしまったりする老後のことを考え、段差にはスロープをつけたり、部屋の角にはクッションをつけたりなど、少しずつバリアフリーにしていきましょう。 若いうちにバリアフリーにしておけば、怪我予防にもなります。
ペットカートの購入を検討
歩けなくなってしまった時や怪我をしてしまった時などの移動手段としてペットカートがあります。 小型犬用のものから大型犬用のものまで種類も豊富にあります。 足腰が弱ってきたら、購入を検討してみてはいかがでしょうか?
ペット保険加入の検討or医療費の貯蓄
犬が病気をしたとき医療費の負担は100%なので、とても高額になります。 事前にペット保険に加入しておいて、一度の負担額を減らすのか、保険には入らずコツコツ貯金をしておくのか、しっかり決めておきましょう。 準備をしておかないと、治療をしてあげたくてもできないといった状況になってしまいます。
愛犬を介護する人を決めておく
誰が主に介護をするのか、できるのかをしっかり決めておきましょう。 家族全員が働いていたり、学校に行っていたりして休めない場合はどうするのかもしっかり決めておく必要があります。 介護はとても大変です。可能であれば、2~3人くらいで看てあげられるようにしましょう。 また、大変な時は動物病院や知人をしっかり頼りましょう。
犬の介護方法
ここでは、いくつかの介護方法をご紹介します。
犬のお口のケアの方法
口臭がひどくなったり、固いものを食べなくなってしまったりした場合、歯周病が疑われます。 まずは、動物病院で診察してもらいましょう。 歯石を取るなど、犬の歯の治療は、人間と違い全て全身麻酔で行われます。 しかし、老犬の場合、全身麻酔は身体に大きな負担となってきますので、お薬の投与や痛み止めのお薬にするなど治療方法を獣医師さんとよく相談して決めましょう。 痛がらない場合は、歯磨きをしてあげましょう。 歯ブラシを使うのも良いですが、嫌がる子も多いかと思います。
ガーゼを指に巻き、水をつけて犬の歯を磨くのも一つの方法です。
犬の食事の介助方法
ごはんを食べなくなってしまったり、食べているけど太らなかったりしている場合は病気の可能性が高いです。必ず動物病院へ行き診察を受けましょう。
寝たきりの犬に食事を与える場合
飲み込みやすいように食事は流動食にしてあげましょう。 流動食は、市販のドッグフードをフードプロセッサーなどで撹拌してお水と混ぜることで簡単に作れます。 他にも、嗜好性の高い手作り食でポタージュなどを作ってあげるのも良いでしょう。
食欲がある場合は、イラストのように上半身を起こし、お皿を口元に近づけ、食べさせてあげましょう。
食欲が落ちている場合は、流動食をシリンジという針がついていない注射器に入れ、イラストのように口の横から差し込み少しずつ、流し入れてあげます。 与えるときは、気管に入らないよう、しっかり頭を立ててあげましょう。
食べない・食べる量が減ってしまった場合
人と同じように犬も歳をとると嗅覚や味覚が衰え、ご飯を美味しく感じなくなってきます。 その場合は、手作り食をトッピングしてあげたり、嗜好性の高いウェットフードにしたりしてあげましょう。 手作り食を与える場合は、なるべく消化に良い食材を選び、小さく刻んであげましょう。 また、内臓に負担がかかっていることで食欲が落ちている可能性もあります。 その場合は、ご飯の量を調整し、シニア用のドッグフードを与えてみてください。 改善が見込めない場合は、獣医師さんに相談しましょう。
食べたばかりなのに、すぐご飯を欲しがる
食べたばかりなのに、すぐにご飯を欲しがる場合は、痴呆症が疑われます。 獣医師さんに相談しましょう。 また、痴呆症ではなく、子供に返ったようにわがままな部分が出てきて、欲しがっている場合もあります。 1回の食事量を減らして、1日にあげる回数を増やしてあげましょう。
太ってきた
歳をとると基礎代謝が落ちるので、若いころと同じご飯の量だと太ってしまうことがあります。 その場合は、シニア用のドッグフードに切り替え、獣医師さんと相談しながら量を調整しましょう。 他にも、病気の1つの症状の可能性もあります。 獣医師さんに診てもらいましょう。
認知症への対応の仕方
犬の高齢化が進むにつれ、認知症になってしまうケースも増えてきています。
痴呆症のサイン
- ぐるぐる同じところを回る
- トイレの失敗を繰り返す
- 徘徊する(トボトボ歩く)
- 甘えん坊になる
- しつけたことができなくなった
- 攻撃的になった
- 夜泣きをする
- 昼夜逆転してしまう
- 歩くときに頭を壁にぶつける
- 名前を呼んでも反応しない
など
認知症の予防
人と同じく完全に犬の認知症を予防することはできません。 しかし、進行を遅らせることはできます。 進行を遅らせる方法には以下のようなものがあります。
DHA・EPAを与える
お魚に多く含まれるDHAとEPAは痴呆症予防に有効的であると言われています。 シニア用のドッグフードにはDHA・EPAが含まれているものが多いのでそれを与えるのでも良いですし、サプリメントを与えても良いでしょう。 また、お魚を使った手作り食をドッグフードの上にトッピングしてあげるのも良いでしょう。
たくさん遊んであげる
若い犬に比べると遊んであげられる種類は減ってきますが、知育玩具やかくれんぼなど五感をたくさん刺激できる遊びをしてあげましょう。
お散歩ルートを変えてみる
お散歩をすることは脳の活性化にとても有効的です。 いつもの歩きなれたお散歩ルートではなく、一本道を変えてあげるだけで、いつもと違う景色を見ることができ、犬にとって刺激的なお散歩になります。
旅行に行く
お散歩のルートを変えることと同様、旅行は犬にとって全てが新鮮で五感をフルに使って刺激を受けます。 ですので、脳も活性化し、痴呆症予防になります。 また、飼い主さんのリフレッシュにもなります。
まとめ
老犬になっても、快適に充実した生活が送れるよう、事前に介護の知識を持っておくことはとても大切です。 知識を持つのと同時に、バリアフリーや医療費の貯蓄など少しずつ準備もしておきましょう。
小型犬、中・大型犬別での介護方法もご紹介しています。