シニア犬がかかりやすい病気とその症状とは

介護・終活

犬は歳を重ねて老犬になっていくと、段々と身体が衰えていき病気にもかかりやすくなってしまいます。一度病気にかかってしまうと、なかなか治りにくくもなっていきます。
そこで、実際にシニア犬がかかりやすい病気をいくつか紹介していきます。

シニア犬はなぜ病気にかかりやすい?

犬も人と同じように、年を重ねていく事で身体にも変化が出てきます。 様々な面において免疫力や抵抗力が弱くなっていき、筋力の減少と共に体力の持続性もどんどん弱くなっていきます。

体内の回復力も弱くなってしまいますので、成犬の頃と同じ病気にかかったとしても、老犬では治りが悪いだけでなく、その病気がきっかけとなりその他の病気を併発してしまう事もあります。 免疫力や抵抗力の低下はどうしても避けて通ることは出来ません。 6歳~7歳を過ぎた辺りから段々と身体に変化が出てきますので、適度な運動を行いながら食事面などに常に気を配り、日々の様子を注意深く観察する必要が出てきます。

シニア犬がかかりやすい病気とその症状

実際にシニア犬がかかりやすいとされている病気と、その症状についていくつか紹介していきます。

ガン(悪性腫瘍)

老犬がかかりやすい病気のなかでも、特に多いものがガンです。 身体のどこかに腫瘍が出来てしまい、それが悪性化してしまうものですので、ガンの種類は様々となります。 ガンの種類によって一概には言えないのですが、10歳を迎える少し前の発症が多く、初期の段階では症状もあまり出ないので発熱や食欲不振などの症状が出始めた頃には、既に腫瘍が大きくなってしまっている事も少なくありません。

治療方法は、直接腫瘍を切除する外科手術を行うか、腫瘍がそれ以上大きくならないような投薬治療を行います。 外科手術にて使用する麻酔は、老犬の身体にはかなり負担がかかり、最悪の場合は麻酔が原因でショック死してしまう事もあります。 その為、老犬への外科手術を行う事はあまりないのですが、ガンの進行具合も踏まえながら獣医師とよく相談をして治療方法を決める事になります。

心臓病

老犬になるに連れて、心臓の動きも当然低下していきます。心臓病にもいくつか種類がありますが、代表的な物を2つ紹介しておきます

心筋症

心臓を構成している筋肉が異常を来し、心臓が正常に動かなくなってしまいます。一度なってしまうと、完治は難しいとされています。チワワやミニチュア・ダックスフンドなどの小型犬に多い病気です。

僧房弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)

心臓の左心房と左心室の間の弁が閉じなくなり、血流が逆流をしてしまいます。その結果、心臓の機能が著しく低下します。大型犬に多い病気です。

腎不全

腎臓は、体内の老廃物を排出する働きをしてくれるのですが、加齢と共に段々とその働きが弱くなってきてしまいます。 初期症状としては、頻繁な排尿や水の多飲がありますが、定期的な健診を受けていても気付かれない事が多いです。 貧血の症状が初期の段階で出る事もありますので、老犬で貧血の症状が出始めたら腎不全を念の為疑ってみてください。 腎臓の機能は一度低下してしまうと、元に戻ることはまずありませんので、投薬治療などで機能低下を防ぐ処置をしていきます。

認知症

加齢に伴い脳内の組織が死滅していく事で起こります。 初期症状としては、何でもない時に突然吠える・食欲が無くなる・過食になる・壁に向かったまま動かなくなるなど様々あります。 7歳~8歳を過ぎた辺りでゆっくりと発症をし始めるのが多いようです。ストレスを多く抱えた生活をしている犬は、症状の進みが速いとの研究結果もありますので、認知症の症状が出始めてしまった場合にはゆったりとした生活をさせてあげるようにしてください。

目の病気(白内障・緑内障など)

白内障とは目の中にある水晶体が加齢と共に白く濁ってしまう事を言い、緑内障とは眼圧が高くなりすぎて視野が悪くなってしまう事を言います。 どちらも加齢と共に発症する場合と、遺伝的な場合があります。いずれにしろ、老犬になってから外科的な処置を行う事は身体へかかる負担を考慮してほとんどありませんので、点眼薬などを使用しながら悪化しないようにしていきます。

肥満

生活習慣病のような物の一種です。肥満自体は病気という訳ではありませんが、肥満が原因で様々な病気を引き起こすきっかけになりかねません。 老犬になると新陳代謝が悪くなっていきますので、成犬の頃と同じカロリーを摂取していては自然と肥満になっていってしまいます。 肥満については飼い主さんの管理で防ぐ事が出来ますので、老犬になったら低脂肪・低カロリーの食事に切り替えるなど工夫をしてあげてください。

歯周病

口腔内トラブルを抱えている老犬も実に多いです。 長期間に渡り蓄積されてきてしまった歯石や歯垢が、歯周病を引き起こすきっかけになる事があります。歯周病をそのまま放置してしまうと、歯槽膿漏となり最悪の場合は歯が抜け落ちてしまう事もあります。 口腔内のトラブルは飼い主さんのケアで防ぐ事が出来ますので、若いうちから歯磨きの習慣を付けていくなど、口腔内を清潔に保つ努力をしてあげてください。

糖尿病

人のかかる糖尿病と症状はほぼ同じです。 10歳少し前の犬がかかりやすく、血液中のブドウ糖を正常に活用出来なくなってしまいます。初期の段階では症状はほとんどありませんが、定期的な尿検査や血液検査を実施していると早期に発見する事が出来ます。 糖尿病が原因で腎不全や白内障を発症してしまう事もあります。合併症を起こさせない為にも、糖尿病にかかってしまいまったら、人と同じようにインスリン皮下注射などを行い、血糖値のコントロールをしていきます。

まとめ

老犬のかかりやすい病気をいくつか紹介してきました。残念ながらここにあげた物以外でも病気はたくさんあります。 病気は早期に発見をして早期に適切な治療を行えば、治療による犬の身体にかかる負担も少なくて済みますし、治療費もその分抑える事が出来ます。 老犬になりましたら定期的に健康診断を受けるようにしておくと、病気の早期発見に繋がり犬も辛い思いをしなくて済みますので、是非一度かかりつけの動物病院に相談してみてください。

kai-k

kai-k

愛玩動物管理飼養士・ドッグライフカウンセラー・動物介護などの資格を所有し、20年以上に渡る飼育経験とブリーダー経験を活かした、実体験に基づく記事作成を行っています。

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