近年、様々な種類のドッグフードがお店に並んでいます。
たくさん種類がありすぎて「どれを買えばいいの?」と悩む方もいるのではないでしょうか?
販売されているドッグフードのパッケージにはたくさんの情報が掲載されています。
そこで今回は、ドッグフードの成分表示の見方を分かりやすく解説します!
ドッグフードに必要な表示項目
日本で販売されているドッグフードパッケージには、ペットフード安全法やペットフード公正取引協議会により定められた必要な表示項目が9つあります。
◯名称(犬用または猫用であることがわかる商品名)
◯賞味期限
◯原材料名
◯原産国名
◯事業者の名称と住所
◯目的
※『総合栄養食』『間食(おやつまたはスナック)』『その他の目的食』の3つの目的のいずれか
◯内容量
◯給与方法
◯成分
この9項目の中でも、特に注意して見たい項目は「成分」と「原材料名」です。
成分ではフードの中に各栄養素がどの程度あるのかということ、原材料名では愛犬にとってアレルギーを起こす材料が入っていないか、ということが確認できるのです。
成分の見方
成分の項目では、「たんぱく質・脂質・灰分・粗繊維・水分」の重量比を%(パーセント)で表示されています。
それぞれの成分について、ドライタイプのドッグフードを例に、ワンちゃんの身体への働きと併せて、どの程度与えればいいのかを見ていきましょう。
たんぱく質
ワンちゃんの血液・骨・皮膚・臓器などを作る重要な栄養源になるため、フードの中で最も大切な成分です。 たんぱく質が少ないフードを与えていると、アミノ酸が不足し毛がパサついたり、筋肉が衰えたり、免疫が落ち病気にかかりやすくなる恐れがあります。 不足しないよう、たんぱく質は「20%以上」含まれているものが多いようです。
脂質
脂肪はたんぱく質や炭水化物の2.5倍のエネルギーを供給します。また、皮膚から失われる水分をコントロールする役割もあります。 そのため、脂質が少ないフードを与えていると、毛がパサついたり、皮膚炎を発症したりしてしまいます。 また、逆に摂りすぎてしまうと肥満の原因になります。 脂質は「10%前後」含まれています。 しかし、妊娠中・授乳中のワンちゃんや子犬の場合は、通常より多くのエネルギーを必要とするため、脂質が多めで、1g当たりのエネルギー量が多いフードを選びましょう。
灰分
灰分とはミネラルのことです。灰分は「5~10%」程度含まれています。 ミネラルには、リンやカルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどがあります。 リンやカルシウムのように骨や歯の構成成分となったり、体の調子を整えたりする役割があります。
粗繊維
繊維は便通を良くし、老廃物や余分な水分を排出する役割があります。 しかし、摂りすぎてしまうと下痢の原因となる場合もあります。 粗繊維は、一般的には、「5%前後」含まれているものが多いようです。減量用やおなかの弱い子用に、含有量や繊維の種類に工夫がされているフードもあります。
水分
水分はとても重要な成分です。ドライタイプのドッグフードでは、細菌やカビの繁殖を抑えるために水分が10%未満になっています。また、100からこれらの成分の合計量を引くことで、成分中に含まれる炭水化物(粗繊維を除いた)の含有割合がわかります。 こちらがドライタイプのドッグフードの成分量の目安の量をまとめたものです。
原産国の表記について
原産国表記に、「日本」と書かれていたら、そのドッグフードの製造工程で最終加工を行った国は日本になります。外国産のフードを日本で、箱詰め・袋詰め、単に混合、組み合わせをしたとしても、加工はされていないので、原産国は、外国となります。
『ペットフード安全法』では、原産国表記ができるのは“最終加工を行った国”となっています。
原材料名について
原材料名は、中身に何が入っているのかを知るのに大切な情報です!
この項目を細かく見て、ドッグフードを選んであげるとよいでしょう。 また、原材料名は含有量が多い順に記載されています。書いてある順番にも注目してみてください。
分かりにくい原材料名と添加物
肉副産物
肉以外の部分です。内臓(肺・脾臓・腎臓・脳・肝臓)、内容物を取り除いた胃や腸、血液が含まれます。 被毛、歯、爪、蹄は含まれません。
肉粉・ミートミール
レンダリングという加工工程で、牛脂や豚脂といった油脂を生産して残った部分です。 どうしても取り去ることができないものを除いて、余分な血液、被毛、蹄、角、胃の内容物は含まれません。 リンとカルシウムの割合も規定されています。
合成抗酸化剤
エトキシキン、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)。 ペットフードの酸化を防止するために用いられます。適正な量を超えて使用された場合、ペットに健康被害を及ぼすおそれがあるため、ペットフード安全法で成分規格(使用限度量)が定められています。 これらに不安がある場合は、これらの代わりに、トコフェロール(ビタミンE)やローズマリー抽出物等を酸化防止剤として使用しているフードを選択すると良いでしょう。
亜硝酸ナトリウム
発色剤・保存料として使用されます。 食品添加物にも用いられますが使用制限があります。 ペットフード安全法でも成分規格があります。 フードの色彩についても、近年はナチュラル志向なので、あまり使用されている商品は多くないようです。 亜硝酸ナトリウムと食肉・魚肉製品中のンアミンが反応してニトロソアミンという発がん性物質が生成される危険性がありますが、これは通常の肉魚と硝酸が含まれている野菜類を食べた場合にも胃の中で同じように生成されます。このニトロソアミンの生成は、ビタミンCを摂取することで阻害されます。多くのペットフードには、抗酸化成分としてビタミンCが含まれています。
着色料
フードの見栄えをよくしたり、原材料の色調の変化を補って一定にしたりするために用いられるものです。 合成着色料のタール色素は、食品衛生法で厚生労働大臣が認めた登録検査機関の検査で合格したものでなければ流通販売することができません。 ペットフードでは、天然系の動植物系色素を使用しているものが多いようです。
まとめ
ペットフードのラベルには、フードに関するたくさんの情報が表示されています。 これらの表示をしっかり見て、飼い主さんが安心でき、ワンちゃんにとって安全で健康に良いと思えるフードを選んであげてください。 ワンちゃんの健康は、飼い主さんが与える食事にも関わっています。 また、フードのパッケージにお客様相談室の問い合わせ先を表示しているメーカーもありますので、不安なことやわからないことなど、相談や問い合わせをしてみるのも安心につながると思います。
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