散歩中に他の人や犬とすれ違う度に、吠えてしまう犬っていますよね。毎日そんな様子では、散歩に出掛けるのも憂鬱になってしまいます。
他の犬は静かに歩いているのに、何故自分の犬だけがこんなに吠えるのだろうと悩んでしまいますよね。
そこで今回は、散歩中に犬が吠えてしまう原因や、その対処法について紹介していきます。
【原因】どうして他の人や犬に対して吠えるの?
犬が他の人や犬に吠える原因は、その吠えてしまうシュチエーションによって様々かもしれませんが、吠える原因そのものはほとんどの場合「社会性の不足」です。
犬は生後二ヶ月位までの間に、母犬や兄弟犬と共に過ごすことで、犬の世界で大切な社会性を学びます。それが本来正しい環境ではあるのですが、それが叶わずにもっと早い段階で母犬から離れていく子犬が実際は多いです。
社会性が不足している犬は、家族以外の人や他の犬が一体どのようなものなのか分からない上に、対応の仕方も分からず相手に対して恐怖を抱いてしまうことがあります。
やたらに吠えてしまうのは、その恐怖や不安を打ち消そうとしているからです。
そのような場合には、飼い主が母犬に代わり社会性を身に付けるようにしむけてあげなくてはいけません。
その他の原因としては、犬が飼い主さんをリーダーとは思わずに、仲間や自分よりも弱い者と思っている時にも犬はやたらに吠えることがあります。
これは自分が連れている自分より弱い人を、知らない人や犬から守ってあげなければいけないという使命感に燃えているからです。
【実践】他の人や犬に対して吠えさせないしつけ方法
他の人や犬に吠えてしまう悪い癖は、しつけをして教えていくことで必ず直ります。その方法について、順を追って紹介していきます。
飼い主がリーダーであることを認識させる
犬のしつけをする時には、犬にとって誰がリーダーであるかを認識させる必要があります。
例えば散歩の時、常に前を歩き行く方向を決めるのは飼い主さんの役目です。犬が堂々と前を歩き、好きな方向へ歩くのを許してしまっていては、犬を散歩しているのではなく飼い主さんが犬に散歩をしてもらっている状態になってしまいます。
このような状況を続けていては、犬はすっかり自分がリーダーだと思い込み、しつけをしようと思っても言うことを聞いてはくれません。
主導権は常に飼い主さんが握り、リーダーは飼い主であるというのを犬に意識させるようにします。
犬が吠えるのをやめさせる基本の方法
他の人や犬に吠えてしまう時、それをやめさせる基本の方法は共通しています。まずは犬の様子をよく観察し、吠えてしまう状況を把握しておくようにしてください。
- 前方から人や犬が来て犬が吠えそうになったら、その場に立ち止まりお座りか伏せをさせる
- 犬に「大丈夫よ、平気よ」などと優しく声を掛けながら、頭や背中に触れる
- 犬が吠えそうになったらリードを軽く引いて制し、「ダメ」と禁止の指示を1度だけ出す
- 制止の言葉で吠えるのを我慢した時には、すかさず褒めてあげる
- 対象の人や犬が通り過ぎるまで、お座りや伏せの体制は維持させる
最初のうちは吠えようとして立ちあがってしまったり、我慢できずに吠えてしまったりするかもしれませんが、繰り返し行っていくことで段々と我慢ができるようになっていきます。
我慢することができて飼い主さんに褒められたという良い経験を、たくさん積み重ねていくようにしましょう。
他の人や犬に慣れさせる
世の中には自分や飼い主さん以外にもたくさんの人や犬がいることを覚えさせ、その環境に慣らしていきます。
犬の散歩途中に人がよく立ち寄るような公園があれば、そのような場所が最適です。
他の犬や人が目視できる距離にいて、犬が吠えないギリギリの位置に場所をとります。そこからただ様子を眺めます。
吠えずに大人しく見ていることができたら、少しずつ距離を縮めていきます。
この方法を実施することで、周りにたくさんの人や犬が居たとしても、嫌なことや怖いことは一切起こらないということを学習していきます。
犬の挨拶を教える
このしつけは協力者が必要です。知り合いなどで、大人しい犬を飼育している方にお願いして協力をしてもらいましょう。
まずはリードを短く持ち、いつでも自分の足元に引き寄せられるような体制をとります。
犬同士はいきなり近付かせるのではなく、少し距離をとっておき犬が自分から近付こうとするのを待ちます。間違っても「ほらお友達よ」などと無理に側に連れていくようなことはしないでください。
犬同士は、お互いのお尻の匂いを嗅いでみたり、鼻や顔周りの匂いを嗅いだりすることで挨拶が完了します。最終的なゴールはそれができることですが、まずは大人しく1歩近付く、相手にお尻を見せる、更に近付く、などと徐々に2匹の距離と近づけていくようにします。
飼い主さんは万が一の事故が起きないように犬の様子に十分注意をすることと、少しでも何かできた時には必ず褒めることを忘れないでください。
同じ散歩コースを利用している人などがいれば、お願いをして毎日の散歩中に行っていくのが最も効果的です。
但し犬が近付くまで何分もその場に立ち止まっていては、逆にストレスが溜まってしまいます。1回に練習する時間は、ほんの数分の短時間で構いません。
少し試して無理ならば、また明日やればいいというスタンスです。
これを毎日繰り返していくことで、他の犬と出会うことに抵抗がなくなっていきます。更に、少しずつでも日々進歩していくことで伴い飼い主さんに褒められもしますので、犬にとっては喜びと意欲が生まれます。
愛犬を叱るだけは逆効果
他の人や犬がくる度に勢いよく吠えてしまうからといって、叱ってばかりでは逆効果になってしまいます。
本来は犬が吠えたから叱っているのですが、犬の頭の中では次のような考えになっています。
- 他の人や犬が近付いたので警戒して(不安で)吠えた
- 飼い主さんに叱られた
- 他の人や犬が近付くと、飼い主さんに叱られるという嫌なことが起こる
- また近付いてきたら、嫌なことが起こるまえにもっと吠えて追い払おう
犬は自分が吠えたせいで叱られたことは理解できていませんので、叱れば叱った分だけ激しく大きな声で吠えるようになってしまいます。
軽く唸るような声を出しながら必死な様子で吠えている時は、飼い主さんを相手から守ろうと思い一所懸命頑張っているつもりかもしれません。
吠えるからといってただ叱るのではなく、吠える必要はないということを教えてあげるようにしてください。
まとめ
犬が散歩中に吠えてしまう原因とその対処方法について紹介をしてきました。
犬はただ意味もなく吠えているのではなく、そこには恐怖や不安が隠れていることが多いです。犬自身もやたらに吠えたりせずに、穏やかに散歩をしたいと思っているかもしれません。
散歩の時間が飼い主さんとの楽しい時間になるように、「うるさい」と思い叱るのではなく、まずは犬の気持ちになって対処をしていってあげてください。
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