犬を預ける必要が出てきてしまった場合、預け先はいろいろありますが出来れば家族や親しい知人に預けるのが安心ですよね。
ただし普段から親しくしている知人であったとしても、犬を預ける場合には最低限のマナーは必要です。愛犬のためにも、何かあった時のためにお願いできる預け先は多ければ多い方が助かります。そのためにも今回はわかってはいることでも再度確認していきましょう。
愛犬をどこへ預ける?預け先の選択肢
家族・親族
大切な愛犬を預けるとなれば、やはり最も気兼ねなく安心して預けることの出来るのは家族や親戚の家ではないでしょうか。普段から犬を含めた交流があればなおさらのことです。
ただし、遠慮があまりない家族だからこそ思い通りにいかない場合もあるというのは認識しておく必要があります。預けた側はよかれと思って行った世話が、実はして欲しくない事だったという場合もあります。その為、預ける時には家族や親族間とはいえ、お願いしたい内容や避けて欲しい事をきちんと明確にしておく必要があります。おやつの量や、餌の量は特にしっかり確認しておきましょう。
知人
犬を含めて交流のある知人も、安心して預けることの出来る場所です。
いくら犬が好き、愛犬に慣れている知人でも短時間一緒に遊ぶのと丸一日世話をするのとでは大きく違ってきます。大丈夫、の言葉を鵜呑みにせず、しっかりとこちら側も気遣いをすることが愛犬のためでもあります。また、犬を飼育している方であっても、先方に犬がいるのであればその犬との相性も確認しておく必要があります。予期せぬトラブルを避けるためにも、しっかりと確認事項はクリアしておきましょう。
ペットホテル
犬を預かることを商売として行っていますので、扱いなどに慣れている点では安心です。
最近はケージフリーやケージではなく個室タイプでの預かりをしてくれるなど、様々なサービス形態があります。
預ける前には一度見学に行き、犬が過ごすスペースや散歩などのサービス内容を確認しておくようにしましょう。
また夜は無人となる施設も多いので、愛犬が大丈夫かの確認をしっかりしてください。
動物病院
動物病院で預かってもらう方法もあります。
動物病院では、獣医師や動物看護士などが居ますので、万が一体調不良になった時などもすぐに対応してくれる為、体調管理の点では最も安心出来る場所です。
ただし、動物病院ではフリーで遊ばせてくれるような所は少なく、排泄の為の散歩以外はケージの中に入ったままというのも珍しくありません。夜間は無人になる場合も多いようです。
ブリーダー、トレーナー
犬を譲り受けたブリーダーに預かってもらう方法もあります。
まだ譲り受けてから日が浅いようであれば、家族やペットホテルに預けるよりも犬の様子をよく分かっていますので、安心出来る預け先です。兄弟犬などに再会することができるのも良い点といえます。
預かってくれるか否かはブリーダーさんの判断ですので、きちんとしたお願いと確認が必要です。
このほかしつけをお願いしたトレーナーさんなどでも預かってくれる方が多いです。この場合しつけ込みや遊び込みの預かりもしてくれるので、なかなかポイントが高いと思います。
愛犬を知人に預けるときに考えられるストレスとは?
犬にかかるストレス
普段から交流のある知人の家であったとしても、それはあくまでも飼い主さんが側に居る場合での事ですので、自分だけ置いていかれたのであれば犬は多少なりともストレスを感じます。
飼い主さんが側に居ないことや慣れない場所など、不安要素はたくさんあります。先方に犬がいる場合、相性がよくないとそれもストレスになってしまいます。
知人や知人宅にも慣れていてそこのおたくの犬と仲が良いようであれば、ストレスはだいぶ軽減されるとは思いますが、預かる期間が長期化すると飼い主さんの居ない寂しさがストレスとなってきます。
預け先の人にかかるストレス
預かるのは生きている動物ですので、預かる側にも当然緊張感というストレスはかかってきます。
自分が預かっている間に、「体調不良になったら・餌を食べなかったら・無駄吠えばかりしたら・脱走してしまったら」など、きちんと世話をしようと考えてくれる方ほど不安要素が大きくなってストレスを感じてしまう可能性があります。
愛犬のストレス軽減のためにやっておくべきこと
事前にケージトレーニングをしておく
フリースペースでの預かりを想定していても、緊急時などはそれが叶わない場合もあります。
ケージに入る事に慣れていない状態で、あまり慣れていない場所で更にケージに入れられるような状況になると、犬には相当なストレスがかかる事が容易に想像出来ます。
いつ何時必要に迫られるかは分かりませんので、普段から自宅でケージトレーニングをしておくことをおすすめします。
犬だけで過ごす時間を作る
常に飼い主さんと一緒に過ごすのが当たり前となっている犬は、少しの時間でも飼い主さんから離れる事が出来ない場合が多いです。
短時間の買物であっても、留守の間は寂しくて吠え続けたり、そそうをしたり、お風呂やトイレにまで後を着いてきたりするなど、飼い主さんに依存し過ぎている犬は預けられた事によって体調不良になってしまう場合もあります。
これでは飼い主さんも安心して外出することも出来なくなってしまいますので、自宅に一緒に居る時でも、あえて犬を1匹にする時間を意識的に作るようにして、自分だけで過ごす時間に慣らしておく必要があります。
愛犬に様々な経験をさせておく
飼い主さんと常にマンツーマンで過ごすのではなく、時にはドッグランや新しい公園などに出掛けてみるのもおすすめです。
いつも同じ環境ではなく違った環境に順応していく能力を培っておくと、犬を預ける先でその環境を受け入れる許容範囲が広くなります。
多くの人と触れ合っておく
家族以外の人とも、触れ合う機会を作っておくのも大切です。
散歩の時や公園へ出向いた時などに、可能であれば家族以外の人に触ってもらうようにしましょう。
多くの人と触れ合う事で、急遽犬を預ける事になった場合でも世話をしてくれる人を受け入れるのが早くなります。
「犬の十戒」から考える犬のストレス
「犬の十戒」と言えば、分かる方は多いかと思います。
犬が飼い主さんと離れる事で感じるストレスは、この「犬の十戒」に通じるものがあります。
犬はそれだけ飼い主さんの事を大切に想い、かけがえのない存在であると感じている事をどうか覚えておいてあげてください。
知人に愛犬を預けるときのマナー
基本的なしつけは行っておく
いくら親しい知人とはいえ犬を預けるからには、相手にかかる負担が極力少なくなるように、最低限基本的なしつけは済ませておくのがマナーです。
「無駄吠えはしない・人に噛みつかない」などは基本中の基本です。お座りや待てなどは出来るにこしたことはありませんが、この場合は必須ではありません。
ケージに慣れさせておく
知人宅ではフリースペースで預ける予定であったとしても、不測の事態が起きてケージに入れる必要が出てくる場合もあります。
そのような時に、飼い主さんが居なくてもケージにスムーズに入る様にしておかないと預かった側も困ってしまいます。
留守番に慣れさせておく
飼い主さんと離れた途端にパニックになってしまい、そのまま吠え続けたり餌も食べないような状態が続いたりするようであれば、人に預けるどころではありません。
日頃から留守番の時間を設けるようにし、飼い主さんが自分の元から離れても、必ず帰ってくるという事を学習させておく必要があります。
必要な物は全て持参する
犬を預けるに当たって、必要だと思える物は全て持参するようにします。
餌は勿論ですが、トイレシートやウェットティッシュなどの消耗品も持参するのがマナーです。
全てをひとまとめにし、中に何が入っているのかメモに書いて添えておくと、預かる側も分かりやすいです。餌も一回一回小分けにし、わかりやすいようにしておきましょう。
知人に愛犬を預けるときに注意すべき3つのこと
過度な要求をしない
犬を預ける先が親しい知人宅であったとしても、自宅で犬に対して行っている事を全て要求するべきではありません。
あくまでも自分の都合で預かってもらうのですから、食事や排泄など最低限の世話のみをお願いし、後の対応は知人の判断にお任せするべきです。
その際には、して欲しい事ではなく、して欲しくない事をメモなどにして渡しておくのがおすすめです。
知人の生活ペースに合わせる
各家庭によって生活のペースは違って当然です。
食事の時間や犬の散歩の時間など、普段の様子をあらかじめ伝えておく事は必要ですが、あくまでもそれは普段の様子に過ぎず、実際にどのような時間軸で動くのかは知人の生活ペースに合わせてもらうようにします。
間違っても、「散歩は何時から何分以上・食事は必ず何時に」など過度な注文をつけるのはやめましょう。
必要事項は口頭ではなくメモに用意しておく
普段自分は当たり前のように世話をしていますので、生活の様子をつい口頭で伝えてしまいがちですが、知人にとっては非日常的な事ですのでなかなか頭に入っていきません。
餌の量・与え方・散歩の量・癖・生活のリズムなど、あらかじめ書き出して用意しておきます。
また、万が一の時の連絡先や、かかりつけ医も記載しておくようにします。
知人に愛犬を預けるときの持ち物
前述したように、犬を預ける時には必要と思われる物は全て用意しておきます。
- 餌、おやつ
- 餌用の皿、水飲み用の皿
- リード、首輪
- トイレシート
- ウェットティッシュ、ティッシュ
- 普段使用している布団やタオルなど(自宅の匂いがするもの)
- お気に入りのおもちゃ
普段使用しているケージやキャリーケースを持ち込めるようであれば、それも一緒に持参するようにします。
最後に
犬を知人に預ける際のマナーや注意すべき点を紹介してきました。
「親しき中にも礼儀あり」という言葉があるように、マナーはきちんと守り多くを望まないように注意しましょう。
犬には当然ストレスがかかりますが、預かる側の知人にも少なからずストレスが発生する事を理解しておきましょう。
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