こんにちは!ドッグスリング専門店『erva/エルバ』の黄瀬です。「Hit the Road」と銘を打ち、キャンピングカーで愛犬と旅をしながら暮らし始めた私と夫。最近キャンピングカーの購入を検討される愛犬家さんが増えているそうですが、私のように家を手放してキャンピングカー生活をされている方はまだまだ珍しいと思います。
連載vol.4の今回は、キャンピングカー生活を始めてから皆さんによく聞かれるご質問にお答えするとともに、私が感じた愛犬との暮らしにおけるキャンピングカーのメリットと、車が「自宅」になった変化についてお話しいたします。
キャンピングカーで暮らすってどんな感じ?!素朴な疑問にお答えします!
トイレはどうしてるの?
生きる上で欠かせないトイレ。キャンピングカー生活を始めてから「行きたい時すぐにトイレへ行けないのでは?」とよく聞かれます。
私たちのキャンピングカーはトイレがついていないタイプなので、飲食店の利用時にお借りしたり、道の駅のトイレをお借りしたりしています。トイレ付きのキャンピングカーもありますが、排泄物の処理に抵抗がありまして…付いていないタイプを選びました。
道の駅のトイレは24時間利用可能です。夜は道の駅に駐車して眠るため、あまり不便さは感じていません。急にお腹が痛くなった場合は焦りますが、今のところ大丈夫です(笑)
夜はどこに駐車して眠っているの?
場所によっては車中泊が禁止な場所があるので注意が必要です。道の駅のほとんどが車中泊可能なので、眠る場所はもっぱら道の駅です。道の駅はトイレが24時間使えて助かります。日本の道の駅文化は素晴らしいですね!ただし、道の駅の駐車場ではキャンプ場のようにテントや椅子などの設営はマナー違反となります。
お風呂はどうしているの?
旅に出てお風呂好きになりました
お風呂は公衆浴場を利用しています。スーパー銭湯なら、入浴だけでなくサウナを楽しんだり、そこで食事を済ませたり。私はお風呂が大好きで、サウナで汗を流し、水風呂に入り、外気浴して…と楽しんでいると、いつも2時間ぐらい経ってしまうんですよね(笑)。 そんな私ですが、旅に出る前は基本シャワー生活でした。自宅の浴槽が小さかったこともあって、お風呂を楽しむという考えがなかったのです。キャンピングカーで旅に出て必然的に公衆浴場を利用するようになってから、お風呂の時間にじっくり身体と「脳」を緩めることを意識しています。
温泉の沼にハマっています!
そうしてお風呂好きに拍車がかかり、最近は日本各地の温泉を堪能しています。温泉は大自然のエネルギーの1つですので、心と身体のリフレッシュに最高です。古来より湯治に利用されて生きた温泉もあって、温泉から歴史を学ぶことも面白いです。
最近感動した温泉が2ヶ所あります。1つは、熊本県は阿蘇山近くの「地獄温泉 青風荘.」。ここはめちゃめちゃ珍しい直湧きの温泉で、浴槽の下がもう温泉の湧き口なんです!
もう1つは、大分県の「長湯温泉」です。長湯温泉は日本一炭酸泉の質が良いと言われています。炭酸が濃いためシュワシュワの発泡は見えない湯質で、飲泉としてもおすすめされています。 現在愛犬が利用可能な温泉についてもリサーチ中で、愛犬ムア(ムーちゃん)にも温泉を味わってもらえたらと思っています。温泉について学び始めて日が浅いのですが、すでに温泉の沼にハマってます(笑)。
ムーちゃんのお風呂はどうしてるの?
ムーちゃんのお風呂の頻度は1ヶ月に1度程度です。現在、ムーちゃんのお風呂は私や夫の実家に帰ったタイミングで行っています。そのほか、セルフシャンプーができる施設やサロンがたまにあるので利用することもあります。
キャンピングカー生活ではムーちゃんを汚れたらすぐに洗うことができないので問題かなとも思ったのですが、そもそもムーちゃんが水に濡れたり泥んこ遊びしたりするのが好きではないため、今のところ豪快に汚れることがなくて大丈夫です!
ゴミ出しはどうしてるの?
RVパークやキャンプ場を利用した際に
キャンピングカー生活になり、ゴミ出し事情は大きく変わったことの1つです。決まった曜日にまとめて出せていた旅前と違い、現在はゴミを自由に出せません。現在は、RVパークやキャンプ場を利用した際にゴミを出しています。
「RVパーク」とは、日本RV協会公認の車中泊施設のことです。安心快適な車中泊ができる場所を提供するために協会が定めた条件を満たしている施設で、温泉・旅館・道の駅・遊園地等の様々な施設でRVパークの設置が広がっています。
出るゴミの量も減りました
この生活に合わせてゴミの量も減りました。通常の暮らしのようにまとめてドサっとゴミを出せないこと、調理スペースが限られていること、洗い物を減らす目的で料理の品数を減らしたことによって、生ゴミの量が減りましたね。
洗濯はどうしてるの?
洗濯はコインランドリーを利用しています。地方のコインランドリーは駐車スペースがある店舗が多いので、キャンピングカーで赴ける点が快適です。コインランドリーの乾燥機は高熱になるため、この生活になってからは見た目だけでなく耐久性も重視して衣服を選ぶようになりました。現在所持している衣服については、前回の記事vol.3にてご紹介しております。
食材の保存はどうしてるの?
お肉は冷凍庫で保存
私たちのキャンピングカーについている冷蔵庫は冷蔵と冷凍が共存できない仕組みのもので、どちらかに設定しなければいけません。どちらが必要か考え、お肉の保存を優先させるべく冷凍を選びました。
私たちが食べる分だけでなく、ムーちゃんのごはん用のお肉もあります。スーパーがない地域に行った時にも安心なように、お肉はある程度ストックしておきたいところ。冷凍温度をマイナス2℃程度に設定すると冷蔵庫内の上の方は温度が低くなりすぎないため、完全に凍ってほしくない食材は上の方に保管しています。
野菜は常温で保管
野菜は常温で保管して、1〜2日で食べ切るようにしています。野菜売り場では常温で置かれていますし、常温保管でもいけるかなと思いまして。キャンピングカー生活になる前と後では、食事内容も買い物の方法も変わりました。旅に出る前は1回の買い物で多くを買っていましたが、現在はこまめに買い物するようになりました。
食器洗いはどうしてるの?
私たちのキャンピングカーには手洗いシンクが付いていますが、使用していません。使用している場合、汚水の処理はしかるべき場所で行わなくてはいけません。洗剤の混じった汚水を山や施設の排水溝などに流すのはマナー違反となります。
私たちはシンクを使用していないため、食器は「拭いて」きれいにしています。食後に食器用のスプレーを吹き付け、キッチンペーパーで汚れを拭き取ります。次にキャンプ場やRVパークなどを利用した際に、食器や調理器具をまとめて洗っています。最初のうちは水で洗わないことに抵抗があったのですが、最近は慣れました。
現在所持している食器は、1人お椀1つとお箸のみ。旅に出る前は「スープ用」「サラダ用」などというように食器を複数使用していましたが、現在はお椀1つで直接鍋やフライパンから取り分けています。旅を始める前に比べたら洗い物の量も格段に減りました。
郵便物はどうしてるの?ネット通販は使える?
定住する家がない現在でも、Amazonはプライム会員であれば荷物の受け取り先にコンビニや配送会社が選べるので利用可能です。しかし、必ずその日時に指定場所へ受け取りに行かねばならない点が面倒なため、利用頻度は減りました。今日どこで過ごすのか決まっていない日々が基本ですので、荷物のために予定をかっちり決めなくてはいけないのが面倒になってしまいました。
郵便物に関しては、会社関連の郵便物は担当の税理士さんの元に、そのほかの郵便物やムーちゃんに関するものなどは夫や私の実家に届くようにしています。
ムーちゃんの車酔いは大丈夫?
ムーちゃんは幼い頃に車酔いした経験がありましたが、現在は大丈夫なようです。キャンピングカーの運転中、ムーちゃんはドッグスリングの中でくつろぎます。夫が運転し、シートベルトをした私の膝の上でドッグスリングに入っている状態です。スリング内では愛犬の身体が安定しますので、車酔い軽減のサポートになっているのかなと思います。ムーちゃんは知らない土地に到着して探検することが相当楽しいらしく、キャンピングカーでの移動に対してよいイメージがついたことも大きいかもしれません。
私が感じた愛犬との暮らしにおけるキャンピングカーのメリット
愛犬と気兼ねなく旅行できること
愛犬と宿泊できるホテルや旅館は増えているものの、利用をためらう愛犬家さんもおられます。愛犬がトイレを失敗しやすい子であると、飼い主さんも心配になってしまいますよね。普段とは違う場所だと愛犬が落ち着けない場合もありますし、他のわんこのトイレのニオイを嗅ぐとニオイを上書きするために粗相をしてしまうことも。このような理由から、ペットOKの宿泊施設であったとしてもなかなか利用しづらいという飼い主さまや愛犬も少なくありません。
そういった背景もあってか、最近では愛犬との旅行のためにもキャンピングカーの購入を検討されている方が増えてきているようです。キャンピングカー生活になってから「知らない場所へ旅する生活でムーちゃんのストレスは大丈夫?」と聞かれるのですが、ムーちゃんにとってもキャンピングカーは「自宅」なので、むしろおでかけのストレスが軽減したのではないかと感じます。
暮らしを移動できること
キャンピングカーで暮らす私にとっては「気軽に移動できる」というメリットがめちゃめちゃ大きいです。移動というより、もはや引越しですよね。通常の住宅と違ってご近所付き合いのストレスもなく、たとえムーちゃんが吠えてしまったとしても住宅のない場所へ移動すればトラブルも防ぐことができます。
車が「自宅」になった変化について
車内でも愛犬が安心してお留守番できる
私たちがお風呂に入っている間、基本的にムーちゃんはキャンピングカーの中でお留守番しています。私たちにとって、キャンピングカーは車でもあり「自宅」でもあります。キャンピングカーでのお留守番も、ムーちゃんにとっては自宅でお留守番している感覚のため安心できているのかなと思います。私たちがお風呂の時間になると、ムーちゃんはベッドに行って眠り始めるようになりました。キャンピングカー生活が始まって大自然を冒険する日々に、ムーちゃんの体内時間がすごく整ったと感じます。
「待ち時間」が苦ではなくなった
キャンピングカー生活になって大きく変わったことは「待ち時間」に対する意識です。待ち時間は帰る場所があるから生まれるものだということに、キャンピングカー生活を始めてから実感しました。
たとえばコインランドリー利用時、洗濯や乾燥が終わるまで待たなくてはいけません。その場で待つか、いったん帰宅して時間になったら再び行くのが一般的かと思います。飲食店の場合、そんなに待つなら諦めようか…ということもありますよね。私は大の蕎麦好きなのですが、人気のお蕎麦屋さんでは「1時間待ちです」ということもあります。先日訪れた長湯温泉の家族風呂においては、GWということもあり人気すぎて4時間待ちでした。待ち時間が長くなるほどに気持ちがどんよりしてしまいますよね。
私たちの暮らしでは、キャンピングカーを待つ対象の近くに駐車して待ちます。地方のコインランドリーには駐車場があるところも多くて快適です。私たちにとってキャンピングカーは「自宅」なので、待ち時間の間に自宅で仕事をしたり、映画を見たり、ご飯を食べたり、待ち時間を有効活用して過ごせます。この生活になって「待つ」ことが苦ではなくなったことが大きな変化です。
運動不足の解消が課題!
私にとってプラスでしかなかったキャンピングカー生活ですが、1つ課題を挙げるとすれば運動不足に陥りやすいことでしょうか。以前のように家の階段を上り下りすることもないですし、手を伸ばせばすぐに物を手に取れるため、ほとんど座った状態に。以前と比べて筋肉がずいぶん落ちてしまって、日常生活の何気ない動作でも結構運動になっていたんだな〜と思いました。座りの生活になったことで、エコノミー症候群にも注意しなければいけませんね。運動不足を解消するために、最近みんなで1時間ほど朝のウォーキングを始めました。
最後に
実は、今回ご紹介したキャンピングカー生活への疑問のほかにもよく聞かれる質問があります。「旦那さんと狭いところにずっと一緒でケンカしない?!」「自分1人の時間が持てずストレスが溜まるのでは?」といった、人間のストレスに関する質問もよく聞かれます。犬は人の感情を自分のことのように感じると言われていますので、私や夫が幸せな状態でいることは愛犬ムーちゃんの幸せのためにもなるということです。
次回vol.5では「愛犬のためにも自分が幸せであることの重要さ」についてお話しいたします。
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